「個人情報保護法」が2005年に全面施行されてから、“個人情報の取り扱い“については、個々に価値観が分かれている気がします。
どんなにネットが発達しても、試写会の応募や雑誌の懸賞などには、まだまだハガキ応募が根強く残っています。
SNS上で個人情報がダダ漏れなのに、なぜかハガキ応募だったらすごく神経質になる人もいれば、その逆も然り。
とはいえ、結局は何事も自己責任。
はがきを出す時に
「郵送中の一時的な目隠しでも、絶対に個人情報を漏らしたくない!」
思っている人に、すこしだけヒントになれば幸いです。
この記事でわかること
「個人情報」とはどこまでが定義?
はじめに、個人情報の定義について具体的に見てみましょう。
「個人情報保護法」では、「個人情報」を次のように定義しています
個人情報の保護に関する法律
(平成十五年五月三十日法律第五十七号)第一章 総則
(定義)
第二条 この法律において「個人情報」とは、生存する個人に関する情報であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と容易に照合することができ、それにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)をいう。
ちょっと難しいですが、重要なことは次の2つです。
「個人情報」とは
- 個人に関する情報であること
- 特定の個人を識別できること
一人の人に関する情報であり、且つそれが誰であるかが明確である場合は全て「個人情報」ということになります。
つまり、氏名・住所だけが個人情報と考えることは間違い。
- 山田さん(姓のみ)
だけでは誰かを特定できませんが、
- 「○×会社に勤務」「東京都葛飾区○△町△番地在住」の山田さん
などの付属のプロフィール情報が加われば、その人が誰であるかを特定できてしまうからです。
個人情報の例
以上を踏まえて、個人情報の例としては、下記のようなものがあげられます。
- 氏名(姓名)
- 「tanaka.taro@kkk-corp.co.jp」のように団体(勤務先)から本人特定ができるメールアドレス
- 個人を識別できるビデオ画像、写真、電話録音など
- 従業員の評価情報
- 顧客の利用履歴
- 氏名と関連付けられる全ての情報
住所氏名がなくても、個人が特定できる情報であれば、それは「個人情報」に当たる場合があります。
懸賞応募すると個人情報が洩れるから怖い?

ハガキでもネットからでも、何か懸賞に応募するときは
- 名前(氏名)
- 住所
- 電話番号
は必須で、年齢・性別・職業なども記載事項としてあることが多いですよね。
“個人情報が漏れないようにハガキには個人情報保護シールを貼ったほうがいいのでは?“
と言って、個人情報漏えいを気にしたり、
“ハガキ懸賞応募で、個人情報保護シールを貼ったら、相手に面倒がられて当選しにくいって本当?”
と言う都市伝説的なことを懸念する声もあるようですが…
ハッキリ言ってしまうと、
そういう人は最初から懸賞には向いていないので、無理に応募しなくてもいいと思います。
企業や団体が「懸賞」をする理由
そもそも「懸賞」という企画。
タテマエは
主催者側がお客様に商品を広く知ってもらうために実施するキャンペーン。
つまり、当選者(あなた)にとっては、
「商品が当たった!嬉しかった!」
で終わりであっても、
主催者側(企業や団体)のホンネとしては
懸賞応募者=見込みのお客様
として、
実際に購買という「次の行動」をしてくれる、年代や性別などの見込み客データを集める手段でもあるからです。
つまり、あなたが
「この商品いいな、懸賞をやってるから応募してみよう」
と思ったということは、
日本中どこかにいるであろう、あなたと同じような年齢や生活スタイル・考え方の人も応募している可能性が高いということです。
なので、主催者側が欲しい個人情報は教えたくない、というのでしたら最初から応募しない方がいいですし、
そもそも応募しても情報が不足していたら当選しません。
懸賞に応募する=個人情報を相手企業に提供する行為
ということを覚えておきましょう。
個人情報漏えい防止シールをはっても意味ない?
“個人情報が漏れるのが心配だから、懸賞ハガキは個人情報漏えい防止シールを貼って投函“
という神経質になる人も中にはいます。(気持ちは分からなくもないのですが…)
でもよく考えてみたら、懸賞を企画する主催者は、
▼TVクイズ番組のように、ハガキを抽選箱にどっさり入れて、当選ハガキだけを取り出す!
▼懸賞に外れたハガキは厳重に処分!
なんてアナログなことをしているでしょうか。
…恐らく、していないと思います。

まずは郵送されてきたハガキの個人情報をガンガンパソコンに打ち込み、
『見込み顧客個人情報データベース』
をせっせと作成しているでしょう。
先ほどもお話ししたように、主催者側が懸賞をやる一番の目的は、
集めた個人情報を分析し、その後のマーケティング戦略に生かすためです。
もちろん全てではないですが、やはりそこまで気になるなら最初から応募しない方がいいと思います。
個人情報漏えいニュースが後を絶たない理由

応募した覚えもない不動産や教育教材の会社から、とつぜん勧誘の電話。
あるいは「おめでとうございます!100万円が当選しました!」という題名のEメール。
わたしはどちらも経験があります。
また、セキュリティ対策にもお金をかけているはずの大手企業や団体であっても
“○○万人分の個人情報が漏えいしました。お詫び申し上げます“
というニュースも後を絶ちませんね。
つまり、
どんなに自分が気をつけていたとしても、生きているかぎり個人情報は第三者に渡る可能性が大きいということ。
ですから、被害にあわたいために最低限の自己防衛が大切です。
危険な懸賞の見分け方5つ
明らかに個人情報を集めるだけの目的で、巧みな煽(あお)り表現を使って募集をし、
実際には商品など発送しない詐欺的な架空懸賞も存在するので、
それは絶対に避けるようにしましょう。
1)応募規約をよく読む
「すぐに応募したい!」という衝動になることもありますが、まずは落ち着いて応募についての規約をきちんと確認します。
- 企画している会社が在するかどうか
- 提出する個人情報は何か
- 期限はいつまでか
など、内容に納得した上で応募します。
2)過度に個人情報を求めてこないか
過度にプライベートな個人情報を求めるキャンペーンも要注意。
- 詳しい年収・勤め先
- 家族構成
- クレジット情報
などを教えないと応募できない懸賞も注意が必要です。
特にネット懸賞と見せかけて、暗証番号の入力を求めてくるものなどはもってのほか、絶対に避けましょう。
怪しいな、と感じたら応募しないにこした事はありません。
3)個人情報の取り扱いについて記載があるかどうか
個人情報の取り扱いに関して、明確に言及していない懸賞企画は避けた方が無難です。
“今回のキャンペーンで収集させていただいた個人情報の取り扱いについては、お客様の同意なしに第三者に開示・提供することはありません“
などの文章が、応募内容の記載事項にあるかどうか必ず確認します。
4)当選商品が[見返り的]なものでないか
詐欺的な懸賞にあるパターンですが、
- 応募すれば一般では絶対に手に入らないチケットが当たる
- 応募してくれたらヒミツの情報を教える
など、明らかに[個人情報目当て]と感じてしまうものもあります。
5)ネット懸賞の場合はフリーメールを使おう
ネット懸賞は、懸賞用としてYahoo!でもGmailなどのフリーメールを作ることをおすすめします。
一度応募すれば、関連企業から別の勧誘メールなどが山ほど届くようにることはよくあるので、
『懸賞専用フォルダ』を受信メールBOXに作っておくと良いですね。
懸賞応募はがきに個人情報保護シールって悪用防止になる?まとめ
懸賞応募のハガキで送るということは、配達途中で少なからず人の目にさらされるということですし、
万一悪意ある人がハガキの情報を盗まないとも100%言い切れません。
最近は企業から送られてくる郵送物も
“返信の際には個人情報保護のため、同封のシールをお貼りの上ポストに投函下さいませ“
というものが増えてきたと思います。
個人情報取り扱いについては、気にしだすとキリがありませんが、
行き過ぎるとハガキや郵便物自体怖くて出せないようになると思います。
住所・名前・年齢・電話番号が万一悪意ある人にわたってしまっても、
自分が危機管理意識をもって気を付けていれば、被害に遭うことは考えにくいです。
懸賞に応募してもしなくても、生きている限り何かしらのルートで個人情報は漏れているものだと思ったほうが良いこのご時世。
懸賞に応募してチャンスを得るのも自由、参加しないのも自由、まさに自己責任ですね。
十分に気をつけて楽しい懸賞ライフを送ってください(^^♪
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