おせち料理はいつ食べるか問題!大晦日と元旦・地域で時間も違う?

おせち料理

 

年末近くになると、通販やデパートなどで一気に盛り上がるおせち合戦。

3段重ねの重箱に、さまざまな料理がギッシリ綺麗に詰められていて、見てるだけでワクワクしますよね!

でも、おせち料理って、いつ食べるのが正解なんでしょう?

大阪出身の筆者の実家では、ダンゼンおせちは元旦の朝に食べる派でした。

でも、北海道出身の友人は「おせちは大晦日に食べるよ」

と言っていて、驚いた経験があります。

果たしてこれは、地域や風習によるものなのか、単に家庭ごとの決まりなのか?

おせち料理は、本来いつ食べるのが正解なのか、改めて調べてみました。

 

おせち(御節)料理の由来

 

御節料理(おせちりょうり)とは、節会や節句に作られる料理で、

節日のうち最も重要なのが正月であることから、正月料理を指すようになりました。

 

奈良時代から、宮廷で節日(祝の日)などに、

天皇のもとで行われた公式行事=「節会(せちえ)」で提供される料理を「節供(せちく)」と言ったことに由来し、

略して単に「おせち」とも言われます。

 

おせち料理はいつ食べるのが正解?

 

おせち料理といえば、私は当たり前のように「元旦に食べるもの」と思っていたのですが、

じつは、御節料理は、本来は大晦日から元旦にかけて食べる料理だったそうです!

“御節料理は元来は大晦日から元旦にかけての年越しにおいて食べるものであったとされる“
グラフ社著『冠婚葬祭の作法-規律としてのルールとマナー 改訂版』グラフ社 p.342 2003年

 

現在の年越しそばの代わり…といったところでしょうか。

これは驚きました。

ただ、これも、地域性があり食べるタイミングにも違いがあります。

 

正月三が日が一般的?!

 

調べたところ現在では

おせち=正月三が日(元旦~1月3日の間)に食べる特別な料理

というのが世間一般広く認識されているようですね。

 

よく言われている理由としては、

“お正月の三日間くらいは奥さんを料理から解放して休んでもらうため、日持ちしやすいおせち料理で乗り切る“

と言われ、だいたいこの理由は全国的に通用するようです。

 

ただこの理由はあくまで後付けの理由で、本来は

“水の神様、火の神様をお迎えする正月に、台所で水を使ったり、煮炊きするなどをするのは忌み嫌うため“

という意味があるのだとか。

 

おせち料理はいつ食べる?大晦日に食べる派

 

私はむかし、北海道出身の友人とおせちの話になった時、

「おせちは毎年大晦日に食べるよ!」

と言って、びっくりした記憶があります。

 

北海道・東北など一部地域では「歳迎えの儀」として大晦日に食べる風習が今でも根強く残っています。

 

これは、最初にお話しした、本来おせちを食べるタイミングで、

つまり、もともとは全国的に12月31日がおせちのメインの日だったということ。

 

昔から年男、年女という様に、新年を迎える瞬間は縁起担ぎで「迎えの膳」として食べるのですね。

 

北海道・東北でおせちを食べるのが大晦日なのはなぜ?

 

とくに北海道では、大晦日の日は年越し蕎麦とおせちを食べて、

お正月はお寿司やお雑煮と、残りのおせちを食べる、

という傾向が強いようです。

 

北海道におせち料理が伝わったのは江戸後期から明治時代と言われていますが、

江戸時代になると、全国的に年迎えのお料理が、おせち料理から年越しそばへと移行していきました。

 

北海道は開拓時代にいろんな出身者の人が集まって文化が形成されたため、

大晦日におせちを食べるのも、本来の風習が残っていることが、顕著に表れているのかもしれません。

 

大晦日の夜はおせちと年越しそば派

 

北海道や東北などの地域に限らず、

“大晦日の夜は、年越し前におせち料理を作りながら、年越しそばと一緒におせちをつまんでお酒を“

という家庭もあるようです。

 

大晦日の夜は大掃除も終えて来客も無いので、家族でゆっくりコタツで紅白歌合戦を見ながら、

お酒とおつまみにおせちというのも、最高ですね!

 

料理は作りたてが一番おいしいですし、おせちを作りながら、お重にも詰めながら、

味見程度につまむのも、“おせちは大晦日の夜派”の人の醍醐味ではないでしょうか。

 

おせち料理はいつ食べる?元旦に食べる派

 

12月31日から1月1日の日付が変わるまでは越しそばを軽く食べて、

元旦の朝、新年のあいさつと共に家族でおせち料理とお雑煮を食べる、という家庭も多いと思います。

 

関西出身の筆者は、どちらかと言うとこの方法でした。

 

1月1日、新年のあいさつと共に重箱パッと開けるすがすがしさは、気持ちも引き締まります。

 

家庭で食べるおせち料理は、好きなものを各自重箱から取皿にとって食べるスタイルです。

 

おせち料理は元旦の昼以降という人も

 

「大みそかには思い切り夜更かしをして、元旦は昼近くまで爆睡してる」

「元旦は初詣や親戚まわり、おせちは家族が全員そろってから」

という理由で、おせち料理は毎年元旦のお昼~夕方に食べると言う家庭も多いようです。

 

おせちを食べるタイミングは、やはり家族が全員揃って落ち着いたタイミングで食べるのがベストですね。

 

おせち料理の意味や食材

 

最近は、お正月早々でも営業をしているお店がありますし、

おせちはデパートや通販で購入し、おせち料理を全て手作りという家庭は少なくなってきているようですが、

もともとおせち料理にはどんな意味があるのでしょう。

 

お重詰めの知識

 

おせち料理が重箱になったのは「めでたさを重ねる」という意味で縁起をかついだものです。

 

組重については、本来は五段重だったそうですが(諸説あり)、最近では四段重や三段重が一般的。

 

さらには、二段重といった略式のものも多くなってきています。

 

詰め方やおせちの具材も多種多様で、関東では隙間なくぎゅうぎゅうに詰めるのに対し、

関西では飾りをつけながらふんわりと散らしながら詰めらるなど、地域性もあります。

 

おせちの食材

 

一番上の『一の重』には「祝い肴三種」というお正月に欠かせない食材を詰めます。

関東では数の子・田作り・黒豆、関西では数の子・田作りまたは黒豆、たたきごぼうを入れるのが一般的。

ほかにも、かまぼこや栗きんとん、昆布巻きや伊達巻などを詰める地域もあります。

 

真ん中の『二の重』には、海老やぶりなど縁起物の海の幸を使った焼き物、

紅白なますや酢れんこん、菊花かぶなどの酢の物などを入れます。

 

一番下『三の重』には、子孫繁栄を願う里芋など、野菜を入れた煮しめや筑前煮などを詰めます。

 

一つ一つの食材に、家内安全、無病息災の願いを込めて縁起を担いだものになっています。

料理名 由緒
数の子 子宝に恵まれ子孫繁栄を願って
黒豆 黒く日焼けするほど達者(マメ)に働けるようにと邪気払い
昆布まき 「よろこぶ」を昆布にかけて幸せに過ごせますように
田作り(ごまめ) 五穀豊穣を願う
鯛の焼き物 「めでたい」の語呂合せ
紅白なます 祝い事に用いる紅白の水引にあやかり平安と平和を願う縁起物
梅花にんじん にんじんを梅の形に切るのは、梅は花が咲くと必ず実を結ぶことから

 

語呂合わせや縁起物にあやかって一つづつ意味のあるおせち料理は、

一つ一つの食材に、家内安全、無病息災の願いが込められているんですね。

 

一年の始まりにふさわしい縁起の良いお料理を揃えて、

家族全員が揃って食べるおせち料理は、素敵な日本の伝統文化です。

 

おせち料理はいつ食べるか問題!大晦日と元旦・地域で時間も違う?まとめ

 

おせちは本来、大晦日から元旦にかけて食べる料理で、今でも北海道や東北など、その名残が残っています。

「大晦日に食べる派」

「元旦の朝に食べる派」

「元旦の夜に食べる派」

「もともとおせちは食べない派」

など各家庭によってさまざまありますが、

家族揃って、新しい気持ちで新年を迎えられるタイミングが、いちばん正解ではないでしょうか。

新年を迎えるにあたり、家内安全、無病息災の願いを込めて

家族でおせち料理を囲む日本文化は、これからも守っていきたいですね。

 

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