「じゃがいもの芽には毒があります、しっかり芽を取ってから調理しましょう!」
という知識は、学校の家庭科やお家での手伝いなどで、あなたも聞いたことがあるはず。
ですが、長期間放置しすぎて、立派に発芽してしまった場合や、
切ったじゃがいもを放置して、黒紫色に変色した光景を見てしまったら…
「じゃがいもの芽の正しい処理方法って、どうだったかな?」
とやっぱり不安になるかもしれません。
小さいお子さんが学校給食のじゃがいもで食中毒になるニュースも、いまだに聞かれます。
改めてじゃがいもの芽の毒性や正しい処理方法を確認しましょう!
じゃがいもを放置して芽が出たときの処理方法!
買ってすぐに少しポツポツっと芽が出てきたなというじゃがいもも
長期間放置で5センチ以上立派に育ってしまった芽も
正しく下処理すれば安全に食べられます。
ポイントは
- 伸びた芽を取る
- 芽の部分は根こそぎガッツリ取り除く
- 皮が緑に変色している部分は取り除く
そして、さらに安全性を追求するなら
- 毒素を洗い流すため過熱前にしっかり水にさらす
- 蒸す、レンジではなく、茹でる揚げるの高温調理につかう
で完璧に毒素を死滅させることができます!
発芽してしまったじゃがいもは、もったいないと思わずに、
ギリギリの所ではなく、2ミリ~5ミリほどは余裕を持って、
芽の周りも大きく取り除くことが鉄則。
芽の取り除き方について少々不安があるあなたに、
しっかりとおさらいしておきましょう!
じゃがいもの安全な芽の取り除き方
- 伸びた芽を手でポキッと取る
- 芽があった部分を、包丁の角でえぐり取る
- 芽のあった部分の周りは、少し余分に取るつもりで!
芽のあった外周の部分に包丁の角を入れたら、芽の周りを一周させるようにしてえぐります。
包丁ではなく、じゃがいもの方を回すようにすると上手くできますよ♪
“包丁の角でしっかりえぐり取る“
ってよくワカラナイ…と言う方は、
丁寧に優しく解説してくれている、味の素さんの動画でチェック!
▼じゃがいもの扱い方【料理の基本:野菜の下ごしらえ】
じゃがいもの芽の毒性成分とは
たらの芽や、ブロッコリースプラウトなど、
食べられる「芽」はたくさんありますが、
じゃがいもの芽は残念ながら食べる事ができません。
ジャガイモの芽や、皮(特に光が当たって緑色になった部分)には、
天然毒素であるソラニンやチャコニンが多く含まれているので、
これらの部分を十分取り除くことが大切です。
ソラニンやチャコニン(カコニンとも呼ばれています)は天然毒素の一種で、ジャガイモの芽や緑色になった部分に多く含まれます。
これらを多く含むジャガイモを食べると、吐き気や下痢、おう吐、腹痛、頭痛、めまいなどの症状が出ることがあります。。
体重が50 kgの人の場合、ソラニンやチャコニンを50 mg(0.05 g)摂取すると症状が出る可能性があり、
150 mg~300 mg(0.15 g~0.3 g)摂取すると死ぬ可能性があります。
ジャガイモの食中毒を防ぐには、ソラニンやチャコニンを多く含む芽や緑色の部分を十分取り除くことが大切です。
<取り除き方>
1) ジャガイモの芽を根元を含めて完全に取り除く(多少皮より内側の部分も含めて多めに除く)
2) ジャガイモの皮をむく。特に、緑色になっているジャガイモは、皮を深くむく(皮より内側の部分も含めて緑色になっている部分は全て除く)
じゃがいもの芽に多く含まれるソラニンやチャコニンという天然毒素は、
主にナス科の植物に含まれる、ステロイドアルカロイドの一種で、エグミ、苦みがあります。
もしあなたが、芽もキレイに取り除いたじゃがいもを調理して食べた際に
「苦い!?」って思ったらすぐに食べるのをストップしてくださいね。
ソラニンやチャコニンという天然毒素が多いと推測できるため、
嘔吐など、思わぬ食中毒症状に見舞われる可能性があります。
じゃがいもの芽で食中毒も
小さい子供は、体重も軽く大人とは消化器官も未熟なため、より注意が必要です。
2006年、2009年に実際に小学校で
じゃがいもによる集団食中毒が発生しました。
調理実習や理科の実験で、学校で栽培したじゃがいもを
皮付きのまま調理したことが原因でした。
家庭菜園などで作られた未熟で小さくいジャガイモは、
とくにソラニンやチャコニンを多く含んでいることもあるので、注意が必要です。
じゃがいもを放置してたら黒紫に変色!?
芽が出てしまったじゃがいも、やっときれいにこそぎ取ったぞー!
と思って、キレイに切ったまま放置していたじゃがいも。
いざ調理しようと思ったら、
今度は黒紫色に変色してる…!
なんて経験ありませんか?
じゃがいもの芽には紫色をした部分もあるので、
「紫=毒の色!?」
みたいに感じるかも知れませんが、
これは毒が滲み出して紫になっているワケではありません。
切って放置したじゃがいもが変色してしまう理由
一般的に食品が黒ずんでしまうのは、空気に触れることによる酸化酵素の働きが関係していますが、
この反応は、りんご、バナナ、ももなどの果物や、野菜やいも類にも多く発生する自然なもの。
食べても人体に影響はありません。
じゃがいもの場合は「チロシン」というアミノ酸の一種が関係していて、
チロシンが空気に触れ、酸化することで、「メラニン」が発生します。
「メラニン」という物質は、日焼けをすると紫外線を吸収して、ほくろやシミ、そばかすの原因になるもので、
美白効果のCMでも聞いたことがあると思います。
人間の肌と同じメカニズムが、じゃがいもでも起こっているのですね。
色はピンク、赤褐色、茶色、黒色という順に変わっていきます。
じゃがいもが変色しないようにする下処理法
じゃがいもの変色を防ぐには、水の量に対して1%から2%の酢を入れた「酢水」に 10分程度さらすことで
アク抜き・変色を同時に防ぐことができます。
ただ、じゃがいもは長い時間水にさらしてしまうと、
じゃがいもの栄養成分まで水に溶け出してしまうため、
さらすのは10分から15分程度、早めに調理するようにしましょう。
じゃがいも放置で芽が出て黒紫に変色も?どこまで食べても大丈夫?まとめ
じゃがいもを食べる時に気を付けたいポイントは
- まずは芽をキレイに取り除く
- 緑に変色した部分は絶対に食べない
- 家庭菜園などで育てた未成熟で小さいものは避ける
- じゃがいもを食べて苦みを感じたら口から出す
など、たとえ芽を取り除いたとしても、食中毒を防ぐためには注意するポイントがありました。
とくに、小さい子供に食べさせるときは、
- 切ったじゃがいもは念入りに水にさらす
- 揚げる・煮るなど高温調理で使う
など、正しい知識を得で安全に美味しくじゃがいもを食べて下さいね。