栄養価が高く、ニンニクと並びスタミナが付く食材として知られるニラ。
とくに、ビタミンB1豊富な豚レバーとニラのコンビは、栄養的にも最高の組み合わせです。
ニラのスタミナUPに良いと言われる理由は、
あのツンと鼻にくる強力な香り成分
「アリシン・allicin」
という、ニンニク由来の化合物があってこそ。
ただこのアリシン効果、ニラの切り方や調理法で、ずいぶん結果に差が出ます。
カラダにとって一番スタミナがつくニラの切り方や調理法とは?
ニラ(韮)のスタミナUPの素!辛み成分アリシンとは?
ニラの独特なニオイと辛みは、「アリシン(allicin)」と呼ばれるニンニク由来の化合物。
アリシンは、強い抗菌・抗カビ作用を持ち、(※1)
たまねぎ、ニンニク、ネギ、ニラ、らっきょうなどユリ科の植物に多く含まれている、
特有の強烈なツンとくる香り成分のことです。
アリシンは、糖質の代謝に必要なビタミンB1の吸収を促す効果が期待できる成分。
アリシンが、豚肉などのビタミンB1と結びつくと、体内に長くとどまる働きをするので、
レバニラ炒めは疲労回復とスタミナ増強に最高の組み合わせと言えます。
アリシンはもともと無臭の物質
アリシンは、実はもともとは無臭の「アリイン」とよばれる物質。
アリシンは、野菜を切ったりすりおろしたりして、細胞を壊すことで
「アリナーゼ」という酵素と反応してできる化合物です。
例えば、たまねぎを思い浮かべてみると、
そのままだと無臭なのに切ると涙が止まらない成分が出てきますよね。
これがアリシンの正体です。
ニラ(韮)のアリシン健康効果6つ
ニオイが苦手という方も多いアリシンですが、その健康効果は絶大です。
1)疲労回復効果
不足しやすい栄養素ビタミンB1の吸収を助け、アリチアミンというという物質に変化します。疲労回復効果を持続させます。
血液の流れを正常にする働きで、心筋梗塞や脳梗塞の予防にも役立つとされています。。
2)殺菌・抗菌効果
アリシンは、風邪や気管支炎の原因となる病原菌から体を守り、免疫力を高めます。
3)血行促進効果
血行促進効果にすぐれ、体を温め、冷え性や肩こりを改善する効果も期待できるアリシン。
アリシンを加熱すると「アホエン」という物質が生成されます。
このアホエンには、動脈硬化を予防して血液をサラサラにし、コレステロールの抑制効果があります。
4)食欲増進効果
アリシンの独特の香りは、唾液などの消化液の分泌を増進させ、胃腸の働きを活発にします。
食欲のない夏バテ時でも、風味づけやスパイスとして取り入れると風味が増して食べたくなりますよね。
5)代謝アップ効果
アリシンには、血管を広げて血液の流れを促進させる効果があるので、体の代謝がよくなり、
快眠・快便・ダイエット効果にもつながります。
6)がん予防効果
アリシンを含むイオウ化合物には、強い抗酸化作用があり、発がん物質の毒性も消す効果がわかっていて、
がん予防にも効果があるとして注目されています。
ニラ(韮)のアリシンの効果的な食べ方
アリシンは調理法や切り方によっても、体へ摂取できる栄養の効果が変わってきます。
油で加熱してコーティング
アリシンは熱に弱い成分ですが、油で調理すると壊れにくい状態になります。
ですからタマネギなど、カレーや煮込み料理に使う際も、
いちど油でサッと炒めるという調理法がよいでしょう。
つぶしたり、刻んだりして細胞を壊す
アリシンをより発生させるためには、できるだけ
細かくつぶす、刻む、すりおろす
などして、食材の細胞を壊す調理法が効果的です。
ニラ(韮)のアリシンを最大限に生かす切り方
ニラのアリシンのもと「アリイン」は、ニラの根元のほうに多く含まれていて、
その量は葉先の約4倍とも言われています。
アリシンはニラの根元の白い部分に多く含まれており、殺菌作用があり、血液循環を促して、新陳代謝を活発にする働きがあるとされる。※2)
ニラを調理するときは
- 根元の切り落としをできるだけ数ミリにおさえる
- 白い部分をなるべく細かくきざむ
の2点をおさえて切れば、結果アリシンができやすいのですね。
ニラ(韮)の栄養
鮮やかな緑と香りが特徴的なニラ。
見るからにたっぷり栄養がありそうなニラですが、ビタミンやミネラル類ももちろん豊富!
特にβ-カロテンが可食部100グラム当たり3500マイクログラム (μg) とかなり豊富で、ビタミンC、ビタミンK、カルシウム、リン、鉄、葉酸などのミネラルに富む。野菜にはあまり含まれることがないビタミンEも富んでいる。カロテン、ビタミンEは葉の緑が濃い部分に多く含まれる。※2)
ニラはβ‐カロテンが豊富
ニラに特に多く含まれるβ‐カロテンは、抗酸化作用が高く、
体内でビタミンAに変わり、目や皮膚の粘膜の健康維持や風邪予防などの効果にも期待が持てます。
食品中のβ-カロテンは、食材や調理方法によって吸収率が10%以下から60%までと大きく異なります。β-カロテンは油脂と食べると吸収がよいことから、効率よくとるためには、油脂を使った調理がおすすめです。※3)
β-カロテンが多い食品は他にも、にんじん、ほうれん草、ピーマン、かぼちゃなどの緑黄色野菜や、かんきつ類、スイカなどの果物です。
β-カロテンの吸収率アップのためにも、ニラを油で加熱することは、とても理にかなったレシピと言えますね。
ニラ(韮)でスタミナUPはなぜ?アリシン効果と栄養が摂れる切り方のコツまとめ
よく、「ニラ、ニンニクでスタミナup!」と言われる理由は「アリシン」という辛み成分があるから。
とくにニラは、栄養的にもミネラルのカリウム、カロテン、ビタミン類も豊富で、
健康面、美容面でもハナマルの◎野菜!
すぐ火が通るので、炒め物にするときは、とくに根元を細かく刻んでサッと炒めれば、
熱に弱いビタミン類も壊すことなく余熱で十分火が通ります。
ニラ玉、餃子、ラーメン、ニラレバ、おひたし、チヂミ……と、ニラが主役をつとめる料理って、意外にたくさん思いつきます。
ビタミンB1豊富な豚肉や卵といっしょに調理すれば、最強の疲労回復にきっと役立つので
是非チャレンジしてくださいね!
▼アリシンの多い美味しい野菜はこちら!
【参考文献】
(2021年9月時点)