年中手に入りやすく、ローカロリーで値段もお手ごろのお助け食材もやし。
シャキシャキ歯触りがよく、味にクセもないので、ナムルにお味噌汁、ラーメンや和え物、野菜炒めに大活躍。
もやしは家計の強い味方!というイメージではないでしょうか。
しかし、ヒョロヒョロして弱そうな子供を「もやしっ子」と例えるように、
白くて細いモヤシは大した栄養は無いイメージもあります。
同じく栄養が低そうなキャベツやキュウリと栄養価を比較してみましょう。
もやしに含まれる主な栄養素
人間に必要な五大栄養素といえば、たんぱく質・炭水化物・脂質・ビタミン・ミネラルの5つ。
もやしはその中でも、たんぱく質、ビタミン・ミネラル、さらに食物繊維が豊富に含まれています。
ここではそれぞれの栄養素が持つ効果を紹介しましょう。
「カリウム」でむくみ予防
カリウムは必須ミネラル16種類のうちの一つで、むくみ予防に必要な代名詞的存在。
むくみは、現代人の食事にありがちな塩分の摂りすぎが最大の原因といわれています。
もやしのカリウムは、体にたまった余分な水分やナトリウムの排泄を助ける働きがあります。
「食物繊維」が腸内環境を整えてくれる
食物繊維といえば便秘予防。
腸をキレイにしてくれるのでお腹ポッコリ解消やダイエット、
食後の血糖値の急な上昇を抑える働きがあり、生活習慣病予防にも効果的。
「食物繊維は一日20g以上摂りましょう」
とCMになるほど、多くの日本人が不足していると言わている食物繊維は、
第六の栄養素と言われているので、積極的に摂りたい栄養素の一つです。
もやしには100gあたり2.3gの食物繊維が含まれています。
食物繊維は特に「ひげ」に多く含まれているので、捨てずに一緒に食べましょう。
「アスパラギン酸」がタンパク質の素になる
あらゆる細胞の素になるたんぱく質。
タンパク質は三大栄養素の一つで、炭水化物(糖質)・脂質と並んで、人間に欠かせない大切な栄養素。
もやしには、原料の豆のタンパク質から生成されたアミノ酸の一種「アスパラギン酸」が豊富に含まれていて、
豆が発芽するさい、タンパク質を分解する酵素が働いてアミノ酸となり、もやしに移ります。
代謝を高め、疲労を和らげる働きがあると言われているアスパラギン酸は、
野菜の「アスパラガス」が語源になるほど、アスパラガスに多く含まれる成分。
ところが実は、アスパラガスが100g中にアスパラギン酸430㎎含んでいるのに対して、
- 大豆もやし(100g)は890㎎
- ブラックマッペ(100g)は440㎎
- 緑豆もやし(100g)には460㎎
と、なんともやし3品種の方が多く含んでいるのです!
「ビタミンC」で美肌に!
免疫力を高め、肝臓機能の調整、そして美肌のために欠かせないのがビタミンC。
レモンやすっぱい果物、緑黄色野菜に多く含まれているイメージかもしれません。
しかし色の薄い淡色野菜であるもやしにも、ビタミンCが多く含まれています。
もやしは100g当たり約9㎎のビタミンCを含んでいて、
これはグリーンアスパラガスの10㎎、サラダ菜の13㎎に近い数字。
「ビタミンB群」で疲労回復
もやしにはビタミンB群の中でも、特にビタミンB1と葉酸が豊富に含まれています。
ビタミンB1…糖質代謝に欠かせない、疲労回復を助けるビタミン
葉酸…細胞増殖に必要なDNAの合成に関与、「葉酸サプリ」として妊娠期には欠かせない栄養素。
糖質の摂取が多い日本人には、どちらも不足しやすい栄養素なので、積極的に食べることが進められています。
もやしの栄養!きゅうり&キャベツと比較してみた
もやし(緑豆もやし)の具体的な栄養価について、
比較対象されやすい、淡色野菜のきゅうりやキャベツと、主な栄養素を並べてみました。
→→スマホの方は横スクロールで表が見られます→→
もやし | キャベツ | きゅうり | ピーマン | 人参 | |
カロリー | 30kcal | 23kcal | 14kcal | 20kcal | 36kcal |
カリウム | 149 mg | 200 mg | 200 mg | 175 mg | 270 mg |
食物繊維 | 1.8 g | 1.8 g | 1.1 g | 1.1 g | 2.4 g |
たんぱく質 | 3.04 g | 1.3 g |
1.0 g
|
1.0 g
|
0.8 g
|
ビタミンC | 13.2 mg | 41 mg | 14 mg | 14 mg | 6 mg |
葉酸 | 61 µg | 78 µg | 25 µg | 25 µg | 23 µg |
分量100gあたり【参照元:USDA Food Composition Databases】
もやし=栄養がない?思っていた方は、比べてみていかがでしょうか。
特に、たんぱく質については、キャベツやきゅうりの2倍以上、
栄養(カロリー)も、ピーマンや人参などの緑黄色野菜に匹敵するほど栄養満点であることが分かりました!
もやしの3つの種類
もやしは人工栽培されている野菜。
室内で豆を水に漬けて発芽させ、約1週間で販売できる水準まで育つため、
1年を通して安定して安く食べることができる野菜です。
日本では主に、3種類のもやしが食べられているのでご紹介します。
緑豆もやし
日本のもやしの中で、最も生産量が多い品種が緑豆もやし。
「緑豆」(りょくとう)という中国産の豆から作られるもやしで、春雨の原材料にもなっていますね。
白く太い茎が特徴で、みずみずしくクセのないため、どんな料理にも合います。
大豆もやし
大豆もやしは名前の通り大豆から作られるもやしのこと。
先端に大きな豆が付いていて、食べ応えバッチリで濃厚な味わいと食感が楽しめます。
他の種類と比べてたんぱく質や、食物繊維も豊富、
韓国料理のナムルやチゲに使われることが多くので、見たことがある方も多いでしょう。
ブラックマッペ
ブラックマッペ(ウタドホール ・ウタド豆・ケツルアズキ・毛蔓小豆)という黒緑色の小さな豆から作られるもやし。
日本では古くから親しまれてきたもやしで、インドのナンを作る材料にもなっているんですよ。
特有の甘みと細めの茎が特徴で、西日本を主流に販売されています。
緑豆もやし、大豆もやしよりも、一番ビタミンCを多く含むのがブラックマッペです。
もやしの栄養成分を効率よく摂取するために
「意外にも栄養たっぷりなもやしですが、調理方法によってはせっかくの栄養素が逃げてしまうため、
栄養を逃さないような調理をすることが大切です。
もやしの栄養効果を十分にGETできるポイントを紹介しましょう。
さっと短めに水洗い
もやしに含まれるビタミンCやビタミンB1、カリウムなどは水に溶けやすい性質があります。
なので、水につけっ放しにせず、ササッと水洗いします。
水を吸ったもやしはどんどん痛んでいくので、
長時間水の中に入れずに、料理する直前に洗うことが一番です。
茹でるより炒めるのがおすすめ
もやしを炒める前は、フライパンに油を引いて、フライパンをよく加熱することがポイント。
油を全体に絡ませながら、1分以内に炒めあげるのが理想的です。
炒め過ぎはせっかくのシャキシャキ歯ごたえがなくなるので、短時間でさっとすませると良いでしょう。
茹でる場合は、沸騰したお湯にもやしを入れるのではなく、水から茹でる方がシャキシャキ感は残ります。
茹でた後はザルにあげるて、そのままサッと冷水で冷ますのがコツです。
もやしはひげにも栄養たっぷり!
もやしのひげには栄養がないのか?というと全くそうではありません。
もやしのひげにこそ、ビタミンC、タンパク質、食物繊維、カルシウム、カリウム、鉄などが豊富に含まれています。
しかも、ひげを取ってしまうと、ビタミンなどの栄養が流れ出してしまうため、
ひげを取った方が見た目や食感が良いですが、栄養や手間を考えるとそのまま食べた方がいいですね。
普段捨ててしまっていた方も、これからはひげも一緒に調理してみてくださいね。
もやしの保存方法!冷凍できる?
安くて栄養があっていいこと尽くめのモヤシ。
でもついつい買い過ぎて、気が付いたら冷蔵庫の奥でダメにしてしまった( ゚Д゚)ってことありませんか?
そうなんです。モヤシは日持ちがしないので、すぐに水分がでてベチャベチャになってしまうんですよね。
もやしは冷凍可能
そんなモヤシですが、冷凍が可能です。
解凍してもシャキシャキ感は失いませんので、大量に買いすぎてしまったモヤシは袋ごと冷凍庫へGO!
使うときは、トントンと袋の上からたたいてほぐして凍ったまま使います。
解凍せずに、そのまま炒めたりゆでたりしてください。
冷蔵保存のときの一工夫
冷蔵保存をする際は、水洗いをしてからタッパーにもやしを入れて水をはりましょう。
毎日水を取り替えると少しだけ長持ちします。
ただ、先ほどもお話しましたが、ビタミンが水に流れ出てしまうので、長期はおすすめできません。
もやしの栄養価は少ない&低い?キャベツ&キュウリと比較してみた!まとめ
安くて低カロリーで栄養たっぷりな野菜もやし。
栄養価を比べてみても、キャベツやキュウリよりもカロリーが高く、
特にたんぱく質はずば抜けていましたね!
もちろん、節約料理やダイエットにもいいからといって、もやしだけ食べればいいというわけではありません。
足りない栄養素を補うためにも、炭水化物や脂質、そして色の濃い野菜などを合わせてバランスよく食べましょう♪