ネギ内側のぬるぬる「ヌル」の栄養成分はなに?冷凍しても食べれるの?

ネギ

 

ネギを切ってみると、中から妙にヌルヌルするなぁと感じた経験はないでしょうか?

主婦1年目のころ、ネギが腐っているのかと心配になって、念入りに洗い落としてしまっていました。。

ネギのぬるぬる成分は、通称『ヌル』と呼ばれる(そのまんまの名前!)粘液で、

  • 甘さや旨味の素
  • 豊富な食物繊維
  • 免疫細胞を活性化

などの働きがあり、

新鮮なネギの証拠で、ぜったい食べないと人生ソンなんです!

身体にとってうれしい効果を発揮してくれる『ヌル』。

ネギのぬるぬるの正体と、どんな効果が期待できるのかをご紹介。

ネギ内側のぬるぬる成分の正体は?

 

ネギの内側のぬるぬるした成分、地方によっては

『ヌル』『アン』『ナメ』

などと呼ばれている、ネギの葉の中にある粘液です。

ネギのぬるぬるした粘液中には、さまざまな物質が含まれています。

ネギ類は一般に、量の多少はありますが、ゼリー状の粘質物を含んでいる。
この粘質物は、セルロース、ヘミセルロース、プロトペクチン、水溶性ペクチンなどからなる多糖類の複合物が水の存在でゲル化したものに、フラクトース、グルコース、シュークロース、フラクトースオリゴサッカライド類の糖類が含まれている

引用:農林水産省【農文協 野菜園芸大百科】

上記の通り、ネギのぬるぬるしたゼリー状にはたくさんの成分が含まれていますが、

代表的な成分は

  • ペクチン    …水溶性食物繊維
  • セルロース   …不溶性食物繊維
  • フラクトース  …糖の甘み成分

の3つ。

これらは、ネギの甘みや栄養がぎゅっと詰まった部分なので、捨てたり洗ったりするのはもったいない!

詳しく見ていきましょう!

ネギ内側のぬるぬる成分1)食物繊維【ペクチン&セルロース】

 

ネギのぬるぬるの主成分の一つ目は、食物繊維の”ペクチン”と”セルロース”。

 

ペクチンは、ミカンなどの柑橘類にも多く含まれる食物繊維の代表的な一つで、

便秘にはもちろん、コレステロール値を下げたり血糖値の上昇を抑える効果、疲労回復も期待できる嬉しい成分です。

 

食物繊維のはたらき

 

食物繊維は、

「ヒトの消化酵素で分解されない、食物中の難消化性成分の総称」

であり、水に溶けるものと溶けないものとに分けられます。

水に溶ける(水溶性)食物繊維

ペクチン・マンナン・アルギン酸など

水に溶けない(不溶性)食物繊維

セルロース・リグニン・グルカン・キチンなど

水溶性食物繊維は便を柔らかくして、不溶性食物繊維は腸内を刺激してくれる働きがあるため、

便秘予防などの整腸効果だけでなく、

血糖値上昇の抑制、血液中のコレステロール濃度の低下など、体に良い働きの作用がいっぱい!

食物繊維は、多くの日本人に不足していると言われているので、ネギのぬるぬるは積極的に摂取したいですね。

ネギ内側のぬるぬる成分2)果糖【フラクトース】

 

ネギのぬるぬるの主成分のもう一つは、フラクトースfructoseという自然界の甘み成分。

 

フルーツfruit の語源になっているフラクトース(フクトース・フルクタンとも)は、

果糖(かとう・fruit sugar)ともいわれ、糖の一種で甘味はお砂糖の1.25~1.7倍もあります。

 

リンゴ、トマトなどの果物やはちみつ、根菜類に多く含まれる甘み成分で、

高温で甘味度が低下し、逆に寒さが増すほど甘みが増えて凍結することはありません。

 

さらにインフルエンザなどのウィルスの侵入や増加を抑える働きをし、免疫力を高める作用を持っています。

冬のネギが甘くておいしいのはフラクトースのおかげ、たっぷりぬるぬるがあるのは新鮮なネギの証拠です。

ネギのぬるぬる成分で免疫力アップ!

 

ネギのぬるぬるには免疫力を活性化させる「マンノース結合レクチン」という物質も含まれていて、

この成分に免疫細胞を活性化させる働きがあることもわかっています。

この粘液には、食べた人の免疫系を活性化させる働きがあることがわかっています。それは、粘液に含まれる「マンノース結合レクチン」などの物質の働きではないかと考えられています…植物にとって、マンノース結合レクチンは、害虫や細菌からわが身を守るための物質なのです。そのパワーをいただくために、葉の中の粘液もぜひ食べましょう

NHKみんなの園芸

 

「マンノース結合レクチン」とは、聞き慣れない言葉ですが、いわゆる免疫力を高める働きがある成分。

 

体にウイルスなどの病原体が入ってきたときに、免疫細胞を活性化して体を守ってくれる物質なので、

コロナ禍において、もっとも私たちに必要な成分です!

ぬるぬるは、本来、ネギが害虫や細菌から自分の体を守るために分泌されるものですが、人間の体にも嬉しい効果があるんですね

ネギのぬるぬるは香りでも抵抗力をアップ!

 

さらにネギは、全体的にツンとする香りにも健康効果が秘められています。

ネギは切ったときに『アリシン』という揮発性の成分が出てきますが、

それを鼻から吸い込むと脳が反応し血流が増えることで、体の免疫力や抵抗力もアップさせると考えられています。

アリシン

また、『アリシン』の香り成分はリラックス効果もあるため、不眠症も役立つんだとか。

昔から

風邪の時にネギを首に負け

「眠れないときは刻んだネギをキッチンペーパーにくるみ枕元に置くとよい」

と言われているのは、実はちゃんと理にかなっていることだったのです。

ネギのぬるぬるは食べれる!冷凍もOK

 

お話しした通り、ネギのぬるぬるは健康効果が抜群!

ちなみに、一口に「ネギ」と言っても、実は関東と関西ではイメージするネギが異なるのはご存じですか?

 

「根深ねぎ」

関東が主流、可食部は主に根元の白い部分。

一般には「長ねぎ」「白ねぎ」とも呼ばれ、旬は冬。

土寄せをして日に当たらないようにして、白い部分が多くなるように育てられる。

 

「葉ねぎ」

関西が主流、可食部は主に葉の部分。

一般的に「葉ネギ」「青ネギ」とも呼ばれ、旬は春。

緑の葉部分が長く枝分かれしていて、葉の先端まで食べるねぎのこと。

代表的なものに、京都の九条ねぎや博多の万能ねぎ

 

以前は「関東は白、関西は緑」とハッキリとしたネギ論争なるものもありましたが、

現在は地域を問わず、どちらも好まれ、通年出回っています。

 

ネギの内側のぬるぬるする栄養成分は?まとめ

ネギの特に青い部分に多く含まれているぬるぬる部分は、主に

食物繊維の「ペクチン」「セルロース」と、糖類の「フラクトース」。

ぬるぬる成分は、ネギの甘みの素になるだけでなく、免疫細胞を活性化してくれる働きも期待できます。

冷凍しても加熱しても効果が失われない成分なので、ネギは青い部分もしっかり食べることが大切です。

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