オニバス(鬼蓮)は、日本で見られる水生植物のうちで最大の葉を持ちます。
オニバス(鬼蓮)は、
『ハス(蓮)』
という名前がついていますが、じつはスイレン科に属する植物。
茎や成長した丸い浮葉、つぼみに太い鋭いトゲがあることから「鬼」という名前が付けられました。
通常の開花時期は8月~10月の午前中だけ、小さな赤紫色の花を咲かせますが、
繁殖がとても難しく、種はなんと
50年も休眠
してから発芽することもあるそう。
絶滅危惧種の植物としても指定されている「オニバス(鬼蓮)」。
- 花言葉や特徴
- 見られる場所は?
などご紹介!
オニバス(鬼蓮)の花言葉
引用:オニバスの葉,
オニバス(鬼蓮)の花言葉は、ズバリ
【神秘的】
国の天然記念物として、絶滅危惧種にも指定されているオニバス(鬼蓮)。
種はなんと50年以上も休眠してから、急に発芽することもあり、
まさに、
【神秘的な花】
と表現するにふさわしい植物です。
オニバス(鬼蓮)の開花時期や名前の意味【画像】
「オニバス(鬼蓮)」は、見た目は「ハス(蓮)」に似ていて、
茎や成長した丸い浮葉、つぼみに太い鋭い鬼のようなトゲがあることから
「オニバス(鬼蓮)」
という名前が付けられました。
別名の「ミズブキ(水蕗)」も、葉がフキに似ているので名づけられたようです。
引用:オニバスの開放花(「古代蓮の里」にて)(埼玉県行田市)
人間の身長より大きな葉っぱが特徴のオニバス(鬼蓮)。
円形葉の大きさは直径30cm~2m程度と巨大で、
1911年には富山県氷見市で直径267cmの葉が見つかったという記録も残っています。
8月~10月ごろ長い花茎を出し、先端に紫の直径4センチほどの紫の花をつけます。
花は日中に開花し、夜は閉じます。
科属 | スイレン科オニバス属 |
和名 | オニバス |
漢字 | 鬼蓮 |
別名 | イバラバス(茨蓮)イバラフキ(茨蕗)ミズフキ(水蕗) |
学名 | Euryale ferox |
英語名 | fox nut, Pricky water-liliy |
原産地 | 日本 台湾 中国 インド |
生育地 | 湖沼やため池などに生育 |
開花時期 | 8月~10月の午前中だけ |
季語 | 夏 |
オニバス(鬼蓮)が見られる有名な場所
アジア原産のオニバス(鬼蓮)は、日本にはかつて本州、四国、九州の湖沼や河川にも生息していましたが、
いまでは、現在では新潟県新潟市が北限と言われています。
直近でニュースになった、オニバスが見られる有名な場所といえば、
2017年の、香川県善通寺市稲木町の「善通寺の前池」です。
前池とは?
前池は「オニバスの咲く池」として、
《四国のみずべ八十八カ所》
の一つに選ばれています。
日本最南端の群生地ともされていて、前池一面にオニバスが咲き乱れる様子が眺められます。
天気の良い日は讃岐山脈への眺望も開け、気持ちの良い空間で訪れる人の心を魅了します。
引用:産経ニュース 2017.9.1
紫色の小さな花が水面から数センチだけ顔を出して可愛らしいですね。
オニバスの花は、うまく開花すれば、毎年9月中旬まで見られるそうです。
(高松方面から)国道11号線を西進し、同319号線を経由、善通寺市樫藪交差点を西。JR金蔵寺駅から南西約500m
オニバス(鬼蓮)は絶滅危惧種
オニバス(鬼蓮)は、国の天然記念物にも指定されています。
環境省は“絶滅のおそれのある野生生物・植物のリスト”=通称「環境省レッドリスト」を毎年公表していますが、
「環境庁レッドリスト2017年度版」によると、
- 動物が約40%の1,372種類
- 植物が約60%の2,262種類
とされていて、オニバス(鬼蓮)はその植物リストに入っている貴重な植物です。
絶滅危惧種のレッドリストとは
日本に生息又は生育する野生生物・植物について、生物学的観点から絶滅の危険度を評価してその結果をリストにまとめたものです。
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カテゴリ | 略称 | 定義 | 具体的な動物 | ごく簡単に |
絶滅 | EX | 日本ではすでに絶滅 | ニホンオオカミ | 日本にいません |
野生絶滅 | EW | 飼育・栽培下の状態でのみ存続している種 | トキ | 自然の中はいません |
絶滅危惧Ⅰ類 | CR+EN | 絶滅の危機に瀕している種 | アホウドリ | 助けて!絶滅してしまう |
絶滅危惧ⅠA類 | CR | ごく近い将来における野生での絶滅の危険性が極めて高いもの | イリオモテヤマネコ | 助けて!もうすぐ絶滅してしまう |
絶滅危惧ⅠB類 | EN | ⅠA類ほどではないが、近い将来における野生での絶滅の危険性が高いもの | アカウミガメ | かなりマズイ状態で絶滅しそう |
絶滅危惧Ⅱ類 | VU | 絶滅の危険が増大している種 | カスミサンショウウオ | 結構な確率で絶滅危機 |
準絶滅危惧 | NT | 現時点での絶滅危険度は小さいが、生息条件の変化によっては「絶滅危惧」に移行する可能性のある種 | ヤマメ | 今のところ大丈夫だけど気にしておこう |
情報不足 | DD | 評価するだけの情報が不足している種 | エゾシマリス | ごめん!情報無いから分からない |
絶滅のおそれのある 地域個体群 |
LP | 地域的に孤立している個体群で、絶滅のおそれが高いもの | ツキノワグマ | 場所によってはマズイ |
(参考:環境庁レッドリスト2017年度版)
定義上の「絶滅危惧種」とは、上の図の青で着色した4カテゴリ内のものだけを指します。
上の図のように、レッドリストには絶滅具合でカテゴリ別に分かれていますが、
オニバスは植物の絶滅危惧の中でも
- 絶滅危惧II類(VU)
に分類されていて、大変貴重な植物なのです。
オニバス(鬼蓮)の実や種は販売してる?
オニバス(鬼蓮)は、かなり巨大な容器や池でないと、育つことはできません。
しかも、オニバス(鬼蓮)の種子は全てが翌年に発芽するとは限らず、
数年から数十年(50年とも)休眠してから発芽することでも知られています。
▼オニバスの実。中に黒い種が100個ほどはいっているのだとか
そのため自生地でも、見られる年と見られない年もあり、逆に絶滅してしまったと思われていた自生地の池でも、
ある年いきなりオニバスが姿を見せることもあるそうです。
オニバス(鬼蓮)の実を販売しているネットショップもありました↓
鬼蓮の実は高級薬膳食材としても販売されています。
味は甘渋く、薬性は平で、棗(なつめ)や枸杞(クコ)の実との相性が良く、
そのまま薬膳スープ、薬膳粥などでいただけます。
とくに秋の養生に最適だそうですよ▼
新物特級「鬼蓮の実」 乾燥 オニバス 50g 薬膳食材 蓮の実 四神湯材料
オニバス(鬼蓮)の花言葉や開花時期・自生地は? 種や実は販売してる?まとめ
オニバスはかつて本州・四国・九州の河川や池に多く生息していましたが、
だんだんとその数は減ってしまい、現在日本の北限では、新潟県新潟市と言われています。
開花時期は毎年8月~10月ですが、絶滅危惧種であり、そして毎年咲くわけではなく、数十年休眠して突然咲く年もある…
花言葉通り【神秘的】で不思議な植物ですね。
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