楓(カエデ)と(椛)モミジの違いとは?
♪秋の夕日に照る山紅葉(やまもみじ)、 濃(こ)いも薄いも数ある中に、 松をいろどる楓(かえで)や蔦(つた)は、 山のふもとの裾模様(すそもよう)~♪
童謡『紅葉(もみじ)』の歌詞の、
もみじ・かえでは、
違う植物のように歌われていますが、
じつは、もみじもかえでも、カエデ科カエデ属の植物を意味します。
カエデ(モミジ)とは…
一般にカエデと呼ばれている樹木はカエデ科カエデ属の、主に北半球の温帯に分布している150種を総称したもの。
特に、東アジアを中心に日本に約20種、中国に約30種が分布し、北アメリカ、ヨ-ロッパにまで広がっています。
主に落葉高木で切れ込みのある葉をつけていますが、まれに常緑性のものや切れ込みのないものもあり、葉を対生につけるのが特徴。
園芸品種が多く特に
・イロハモミジ(イロハカエデ・Acer palmatum)
・ハウチワカエデ(Acer japonicum)
など、日本産の種に属する品種が200~400品種といわれていて、園芸の世界では
・切れ込みが深く(葉の)数が多いものを「モミジ」
・浅く少ないものを「カエデ」
と呼んでいます。
「NHK-みんなの趣味の園芸-」より抜粋
カエデ(槭、槭樹、楓、鶏冠木、蛙手)とは、ムクロジ科(旧カエデ科)カエデ属 (Acer) の落葉高木の総称で、
世界には約150種類はあると言われています。
「カエデ」の名前の由来は、葉っぱの形がカエルの手「蝦手(カエルデ)」に似ていることから、呼び方を略してカエデとなりました。
カエデは、モミジ(紅葉、椛)と同じ意味ですが、
”椛(もみじ)”という漢字は『国字』といって、日本で独自に生み出された数少ない漢字の1つ。
一般的には、葉の切れ込みが深いものを「モミジ」、葉の切れ込みが浅いものを「カエデ」と呼んでいます。
楓(カエデ)とメープルの違い
かえでももみじも、英語圏ではMaple(メイプル、メープル)
と訳されます。
ただ、先ほどお話しした通り
「もみじ」という分け方は日本特有のもので、主に日本産の種に属する品種を差すため
モミジ(イロハモミジ)=Japanese maple
とも訳されます。
日本に見られる主要なカエデの種。高さは最大10mほど
楓とメープルの木材としての違い
楓とメープルを、”材木”としてみた場合。
この場合は、同じ木材(植物学上同じ仲間)であっても、産地によって呼び方が異なる(分けている)可能性があります。
一般的に、材木業界や家具業界では、次のように使い分けているのだとか▼
木材業界や家具業界では、国産のカエデはカエデ材、イタヤカエデ材と呼んでいます。
北米から輸入しているカエデ材をメープル材と呼んでいます。
つまり、「カエデ材」「イタヤカエデ材」の表記があれば、その木材は日本国産、
逆に「メープル材」と表記があれば、北米産(アメリカ・カナダなど)の輸入材と考えられます。
家具で使われるカエデは、
- イタヤカエデ(日本産が多い)
- サトウカエデ(北米産が多い)
などの種が有名で、どちらも直径1m、樹高は20~30mほどにまで成長するもっとも巨大な種になります。
カナダの楓はサトウカエデ(砂糖楓)
カナダ国旗のシンボルマークに使われているのは、サトウカエデ(砂糖楓)という種類。
名前の通り、”糖”を多く含むため、カナダの名産品メープルシロップの元となる樹液が取れる種で、
丈夫な樹木は「メイプル材」として家具にも利用されます。
カナダの国旗の葉っぱの意味
▼カナダ国旗
国旗の中央に描かれているのはサトウカエデ(Maple Leafs)、
カナダ国旗は、「メイプルリーフ旗」「一葉旗」とも呼ばれます。
デザインの意味は、
- 右側の赤:大西洋
- 左側の赤:太平洋
- 全体の赤は『戦争の時に流した血』『強さ』
- 白は『律儀』と『平和』『純粋さ』『雪』
をそれぞれ表しているのだとか。
日本の楓はイタヤカエデ(板屋楓)
日本のカエデの代表は、イタヤカエデ(板屋楓)です。
イタヤカエデ(板屋楓)は、日本では北海道と秋田などの極寒地域ほか、朝鮮、サハリン地域にも分布。
北海道産のものは、別名:エゾイタヤ(蝦夷板屋)とも言われます。
イタヤカエデ(板屋楓)は、秋の紅葉(こうよう)時には、
(イロハモミジのように)赤では無く、黄色・オレンジ色に染まる種類。
イタヤカエデは、カエデ種の中でも大きく成長する種として、
大きいもので直径1m、樹高20mにもなるため、「カエデ材」として家具などに広く活用されています。
【貴重】国産(日本産)のメープルシロップ4選!
世界のメープルシロップのほとんどは、約8割以上がカナダ産で、
サトウカエデ(砂糖楓)から作られていますが、
日本産(国産)のメープルシロップを、見たことありますか?
日本に自生しているカエデは、サトウカエデ(砂糖楓)ではなく、イタヤカエデ(板屋楓)。
イタヤカエデをつかって、
”純国産(日本産)メープルシロップ”
として、日本でもメープルシロップは作られています!
- 山形県金山町
- 埼玉県秩父市
- 北海道白糠町
- 北海道美幌町
などで作られている、希少な純国産メープルシロップ商品をいくつか紹介しましょう▼
産地1)山形県金山町『楓の雫』
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山形県金山町では、イタヤカエデからメープルシロップ『楓の雫』が作られています。
やさしい甘さと、サラリとした舌触りが絶品の『楓の雫』は、
年間150本ほどしか生産できない幻のメープルシロップで、
カナダ産メープルシロップの約2.5倍のカルシュウムを含んでいるんだそう。
希少で絶品の純国産メープルシロップとして、お祝いギフトとしても喜ばれそうですね。
産地2)埼玉県秩父市『和メープル』『MAPLE BASE』
じつは、埼玉県秩父市はカエデの産地ってご存じでしたか?
秩父には日本の楓の28種類のうち、21種類も自生しているそうで、
主な樹種はイタヤカエデ、オオモミジ、ウリハダカエデ、ヒナウチワカエデなどです。
埼玉県秩父市では、秩父のカエデ樹液商品『和メープル』という商品が作られていて、
メープルシロップやカエデ樹液、メープルサイダーなどの商品が開発されています。
▼日本初のメープルシロップ製造小屋「メープルベース」は工場見学可能
『MAPLE BASE』オンラインショップはこちら
産地3)北海道白糠町
北海道の釧路に近い海沿いの町、白糠町の『驚きの森』でも、
イタヤカエデからメープルシロップが作られています。
毎年春先には「メープル祭り」も開かれ、メープルを使った美味しいスイーツも堪能できます。
釧路空港売店「川島商店」や、白糠町道の駅「恋問館」でも一部商品が販売されています。
産地4)北海道美幌町
北海道網走群美幌町では、イタヤカエデ、カラコギカエデの樹液を使って、メープルシロップは作られています。
生産数が少なく、すぐに完売してしまう人気商品のため、
数量限定品でいつも販売しているわけではありませんが、
下記のオンラインショップからお取り寄せが可能です。
モミジ・楓(カエデ)・メープルの違いまとめ
”もみじ”も”かえで”も、同じカエデ科カエデ属の植物。
かえでももみじも、英語圏でMaple(メイプル、メープル)と訳されますが、
「もみじ」という分け方は日本特有のものなので、
モミジ(イロハモミジ)=Japanese maple
とも訳されます。
カナダ産のメープルシロップはサトウカエデ(砂糖楓)から作られますが、
日本各地でもイタヤカエデ(板屋楓)を使って、
純国産メープルシロップは販売されているため、お祝いギフトとしても喜ばれそうですね。
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