紅葉狩りの起源や歴史は?由来(語源)や漢字と言葉の意味も!

紅葉-

 

秋と言えば紅葉狩りの季節。

「紅葉狩り(もみじがり)」

というと、筆者は今までわざわざ辞書で調べることも無かったのですが

紅葉を採集するわけではないのに、なぜ

「紅葉狩り」

と漢字で書くんだろう、とふと疑問に思いました。

  • 紅葉狩りはなぜ「狩り」?
  • 紅葉狩りの起源や歴史

など、紅葉狩りがもっと有意義になるような「もみじがり」の由来や言葉の意味についてご紹介!

 

紅葉狩りの起源や歴史

 

人々は、いつから紅葉狩りを楽しんでいたんでしょうか。

 

じつは、平安時代にはすでに「紅葉」の字が使われ始めています。

“奥山に 紅葉踏み分け鳴く鹿の 声聞く時ぞ 秋は悲しき

(猿丸太夫『古今集』)

ただ当時は、紅葉は奥山で観るものであり、庭に植えて鑑賞するものではなかったようです。

紅葉

 

江戸時代になると、庶民たちの間にも紅葉狩りの習慣が広がりはじめ、

伊勢参りや熊野詣でで旅に出かける風習が生まれ、景色の良い風景を求めて遠出をするというのが恒例行事に。

 

春のお花見と、秋の紅葉狩りは江戸の人々にとって重要な年中行事だったようです。

 

一緒にお茶を飲み、俳句を詠みあったりしながら、当時の人は紅葉を楽しんでいたようです。

 

紅葉狩りと「能」

 

能の一曲に『紅葉狩』(もみじがり)という演目があるのはご存知でしょうか。

 

平安時代に実在した

“武将・平維茂(たいらのこれもち)の鬼退治”

を描いた作品です。

観世小次郎信光によって室町時代に作られ、スペクタクルな展開が現代でも人気の演目です。

 

平安時代には根付いていた○○狩り

 

大阪府にある

  • 枚方(ひらかた)市
  • 交野(かたの)市

に広がる丘陵はかつて「交野が原」と呼ばれていて、

平安時代には鷹狩りの地であると同時に、春には「桜狩り」が盛んに行われていたといいます。

”またや見ん 交野のみ野の桜狩 花の雪ちる 春のあけぼの”

-新古今和歌集114-

平安末期の歌人、藤原俊成(ふじわらのとしなり)が詠んだとされ

”いつかまた見ることがあろうか。交野の御野での桜がりで花が雪のように散ってくるこの春の曙の景色を”

(参考:交野市立倉治図書館データベース)

という意です。

 

ですから昔はいわゆる

「お花見」

のことも

「桜狩り」

と言っていたことが分かりますね。

 

紅葉狩りはなぜ「狩り」?漢字の語源や意味は?

 

紅葉を楽しむことを「紅葉狩り」と言われる理由。

 

「紅葉狩り」の意味を辞書で引いてみると、次のように説明されています。

「山野に紅葉をたずねて楽しむこと。観葉」-(広辞苑 第6版、岩波書店)

「見て楽しむこと」-(新明解国語辞典 第7版、三省堂)

 

「狩り」は「狩り」でも、もちろんモミジを「狩猟・採集する」という意味ではありません。

 

「狩り」の由来(語源)や言葉の意味

 

「かり」は、もともと【動詞】の「かる」があり、それを体言(名詞)にしたもの。

 

かり=「狩り」「猟り」は、それに漢字をあてたもので、

【狩猟(しゅりょう)】とは、一般的に、野生動物、鳥類・哺乳類を捕獲する人間の行為のことを意味したり、

魚や貝などをとることを【潮干狩・しおひがり】といったりします。

 

最初は「獲物を獲る」ことが目的だった「狩り」でしたが、

“自然を愛でる”

ことに変化。

 

薬草・桜花・紅葉・果物などを尋ね探して、採集したり、観賞したりする行為も【○○狩り】と言うように、

「狩り」とは、本来、海や山野にどんどん分け入っていく行為自体が「狩り」という意味なのです。

 

しかし現代は意味が転用して、「魔女狩り」「おやじ狩り」など、

人の集まりや似たような人たちなどを追い捕え、

何かを見つけて責めたり暴行を加えたりという残念な意味になっているのも現実です。

 

「紅葉」の読み方「もみじ」の由来

 

そもそも「紅葉狩り」と書いて、

「こうようがり」と読まずに「もみじがり」と読むのはなぜなんでしょう。

 

また、

「もみじ」「こうよう」

という平仮名は、

「紅葉」

だけでなく

「黄葉」

とも漢字変換されます。

 

もみじの言葉の由来は「もみず」

 

「もみじ」という言葉は、

「草木の葉が赤、または黄色くなる」という意味の動詞「もみず」

に由来します。

「もみず」の語源は、染め色を出すときの「揉み出づ(もみいづ)」から来ていて、

染料には『紅花(ベニバナ)』の花びらを使います。

 

『紅花(ベニバナ)』の花びらには紅色黄色の2種類の色素が含まれていて、

真水につけて揉むと、まず水溶性の黄色い色素を「揉み出す」ことができます。

 

そしてアルカリ性の灰汁(あく)に浸して揉むと、鮮やかな紅色を「揉み出せる」のだそうです。

「もみず」という動詞そのものが、葉っぱが赤や黄色に変わるという意味なので

「もみず」から転じた「もみじ」という言葉が

  • 葉の色が変わる様子
  • 紅葉そのものを指す名詞

の意味へと変化したと言われています。

 

秋の露や霜に、葉が洗われる

 

古い辞典になりますが、「もみず」について美しい説明があります。

「色ハ揉ミテ出スモノ、又、揉ミ出ヅルモノ、サレバ、露、霜ノタメニモミイダサルルナリ」

国語辞典の改訂増補版「大言海」(冨山房、1982年)

“昔の人は、露や霜に洗われた草木の葉から、鮮やかな紅や黄色が揉み出されて葉の色が変わると考えた“

という語釈です。

 

ひんやりとした秋の朝の空気に、深まる山々の情景が思い起こされますね。

 

「もみじ」と「カエデ」の違いは?

「モミジ」と「カエデ」って何が違うの?という質問が次に来るかと思います。

カエデとは、世界中にあるカエデ科カエデ属、約150種類の総称です。

…そして「モミジ」はその中でも日本特有に品種に属するもの

・切れ込みが深く(葉の)数が多いものを「モミジ」
・浅く少ないものを「カエデ」

と呼んでいます。

「NHK-みんなの趣味の園芸-」より抜粋

もみじ かえで

引用:森林・林業学習館

 

「カエデ」と「モミジ」、植物分類上この2つの区別はしませんが、

「モミジ」とは、日本文化が生み出した繊細な表現の形に他なりません。

詳しくはこちらもお役に立つと思いますので、ぜひクリック↓

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「もみじ」に由来する食べ物

 

「もみじ」は古くから親しまれているだけあって、食べ物にも良く名付けられていますね。

 

紅葉にちなんだ食べ物や由来

 

「もみじ」と名のついたり、関連のある食べ物は意外と多いですので、いくつかご紹介。

紅葉おろし 大根と唐辛子を一緒におろしたもの。または、大根おろしとニンジンおろしを混ぜたもの。赤色の連想からきている
紅葉和え 赤みのある和え物。色の連想から
もみじ鍋 シカ肉を使った鍋料理。鹿と紅葉の取り合わせから
もみじ(鶏) 鶏の足の部位。形状に由来
竜田揚げ よく「唐揚げ」とどう違うのかと言われますが、「竜田」の名は、紅葉の名所である竜田川(奈良県)にちなんだものだそう。

しょうゆに染まった揚げ物の色と、表面の片栗粉の白色を紅葉の名所、竜田川に見立てたことから

もみじ饅頭 伊藤博文が茶店の娘の手を見て、「可愛らしい紅葉のような手を食べてしまいたい」と言った冗談に着想を得て開発されたとの説が広く流布

(注)異説のあるものを含みます

身近な食べ物でも存在感の強い「もみじ」、まだまだ奥が深そうです。

 

現代はリアルタイムで紅葉状況検索

 

紅葉の歴史や由来などいろいろとご紹介しました。

今は便利なインターネットや移動手段がさまざまある時代。

 

いつでも全国の見頃時期を検索できて、一番きれいな紅葉を見に行くことができます。

そこで、リアルタイムで調べることができるウェブサイトをいくつか紹介しましょう。

 

日本気象協会

お天気の専門・日本気象協会が提供する紅葉情報。各位エリアの色付き情報や見頃も確認できます

ウォーカープラス 

紅葉名所全国700か所以上の紅葉名所と見頃をおしらせ。人気ランキングや日帰り温泉情報など条件絞り込みもラクラク!

るるぶ 紅葉カテゴリ

お出かけと言ったら「るるぶ」ですね。ライトアップのある紅葉や人気ランキング、予想マップも充実しています

 

紅葉狩りの起源や歴史!由来(語源)や漢字の意味まとめ

 

平安時代にはすでに「紅葉」という言葉があり、春には「桜狩り」も盛んに行われていました。

江戸時代には、春のお花見と、秋の紅葉狩りは江戸の人々にとって重要な年中行事だったようです

昔の人は、うつりゆく紅葉の色の変化に、さまざまな思いや人生を重ね合わせてきたのかもしれません。

旅行や遠出をしなくても、ドライブや電車で行ける範囲にも沢山「紅葉狩りスポット」はあります。

「景色を愛でる・楽しむ」という気持ちや心の豊かさを大切に、秋は紅葉狩りにでかけてみませんか。

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