秋のお彼岸になると、一斉に赤い花を咲かせる彼岸花。
「地獄花」「幽霊花」という別名もあり、墓地でも沢山見かけるため、
花言葉も不吉で怖いイメージを持つ方もいるかもしれません。
ですが彼岸花は、仏教で伝説上の天の花とされる「曼珠沙華(マンジュシャゲ)」の別名でも親しまれていて、
故人や大切な人を想いやるポジティブな意味の花言葉もあります。
彼岸花の花言葉や、赤白黄色ピンクなど色ごとに隠されたポジティブで明るい彼岸花の一面をお届けします。
彼岸花の花言葉や迷信
墓地によく植えられている花だけに、不吉で怖いマイナスイメージもある彼岸花ですが、
花言葉には、意外な意味があります。
彼岸花の全体の花言葉は
情熱◆独立◆再会◆あきらめ◆転生◆想うはあなた一人
また会う日を楽しみに◆悲しい思い出
『12ヶ月のしきたり : 知れば納得! 暮らしを楽しむ』PHP研究所より一部抜粋
別名が1,000種類以上あると言われる彼岸花は、
- 「想うはあなた一人」
- 「また会う日を楽しみに」
というポジティブで希望を持たせる花言葉がある一方、
- 「あきらめ」
- 「悲しい思い出」
というネガティブな意味も持ってるようです。
そして、彼岸花の迷信として、花の形が燃え盛る真っ赤な炎に似ていることから、
「家に持って帰ると火事になる」
と昔から言い伝えられています。
彼岸花(曼珠沙華)ってどんな花?
彼岸花(別名:曼珠沙華)は、毎年お彼岸の時期を待っていたかのように一斉に咲き誇る真っ赤な花。
凛としつつも、静かに強く咲く姿に足を止め、日常の忙しい時間を忘れ、
亡くなった故人を思い出す方もいらっしゃるのではないでしょうか。
和名 | 彼岸花(ひばんばな) |
学名 | Lycoris Radiata |
属名 | ヒガンバナ属 |
英名 | Spider lily |
原産地 | 中国、日本 |
開花期 | 7~10月 |
花の色 | 赤、白、黄、ピンク、オレンジ、クリームなど |
別名 |
|
彼岸花(曼珠沙華)の原産国
彼岸花は、北海道から沖縄まで広く分布していますが、自生ではなく、
もともとは中国大陸から持ち込まれたものと考えられています。
人里の墓地や田畑の周辺によくみられますが、まれに奥深い山中で群衆となって咲き誇っていることも。
それは昔、そこに集落があった可能性を意味しています。
彼岸花(曼珠沙華)の開花時期
彼岸花は、名前の由来通り、9月のお彼岸の時期を待っていたかのように一斉に開花します。
開花期間も短く、秋の彼岸の期間(秋分の日を入れた前後3日間)だけに花を咲かせることに由来して
「彼岸花」と名付けられました。
花が咲いてから葉が伸びるのが特徴
一本の茎がすっと伸びた先に、大輪を咲かせる彼岸花。
彼岸花は「まず花が咲き、後から葉っぱが伸びる」という多くの草花とは逆の特徴があります。
葉っぱと花を一緒に見ることができない性質から
とも呼ばれ、死人花(しびとばな)や地獄花(じごくばな)という別名で呼ぶこともありました。
葉は花が枯れた後に伸び始め、冬から春にかけて栄養素を球根に送り続けて、翌年の秋にまた開花させる準備をします。
彼岸花(曼珠沙華)の花言葉を英語で
日本の里山やあぜ道にすっかり溶け込んでいる彼岸花。
彼岸花とは英語で
- Lycoris Radiata リコリスラジアータ
- Spider lily スパイダーリリー
と言われます。
ラテン語で放射状という意味のRadiata、Spiderは蜘蛛なので、いずれも花の形の見た目から由来しています。
西洋での彼岸花の花言葉は
Passion(情熱)
sad memory(悲しい思い出)
日本語の花言葉と同じく、ネガティブとポジティブのどちらの意味も持ち合わせています。
彼岸花(曼珠沙華)の品種
彼岸花と言えば赤色のイメージですが、その品種はじつに30種類以上もあります。
代表的な色だと
- 赤色
- 黄色
- 白色
の3色。
珍しい色だと
- ピンク色
- オレンジ色
- 紫色
なども。
彼岸花の代表的な2つの品種のそれぞれの特徴を見てみましょう。
黄色の彼岸花(ショウキラン/ショウキズイセン)
[photo]鐘馗水仙(千葉県にて),2009,by Namazu-tron
ショウキズイセン(鍾馗水仙/別名:鍾馗蘭)という黄色い花びらの原種。
彼岸花の近縁種で、葉の幅が広く、黄色い花びらが波を打って外に反り返る特徴があります。
四国から沖縄や台湾など南部に多く見られ、開花時期は赤い彼岸花より少し遅く、
10月上旬から中旬にかけて咲きます。
白色の彼岸花(シロバナマンジュシャゲ/シロヒガンバナ)
シロバナマンジュシャゲ(白花曼珠沙華/別名:白彼岸花)という白い花びらの原種。
彼岸花の近縁種で、やや黄色がかったクリーム色の花びらは、
赤い彼岸花に比べると花のカーブがゆるく外側に沿っていて、優しい印象を持つ花です。
日本全土に咲きますが、九州などの日本南部に多く見られます。
一説には彼岸花とショウキズイセン(黄色の彼岸花)の自然交雑種と考えられていますが、
交配力が弱いため、とても珍しい花といわれています。
彼岸花(曼珠沙華)の色別の花言葉
彼岸花は、赤・黄・白の主に3品種があり、花言葉も色によって違いがあります。
赤色の彼岸花
独立◆情熱 ◆想うはあなた一人◆あきらめ ◆再会 ◆悲しい思い出 ◆また会う日を楽しみに
「情熱」「想うはあなたひとり」というのは、彼岸花が天にむかって真っ赤に咲き誇るその姿から、
天国にいる愛しい人への強い想いが想像できますね。
まるで一帯が炎に包まれているようで、目を見張るものがあり、
彼岸花はまさに9月のお彼岸の時期を象徴するのにふさわしい花です。
「あきらめ」は、どちらかというとギブアップというマイナスイメージが強いかもしれませんが、
仏教用語では、「真実」「悟り」という意味合い。
自分の心と向き合って、「真実を明らかにする」という、残された人の心を癒す素晴らしい言葉なのです。
黄色の彼岸花
陽気 ◆元気な心 ◆深い思いやりの心 ◆追想
黄色は「陽気」「元気な心」というポジティブな花言葉。
「追想」とは、過去のことを思いしのぶことという意味で、
愛しい人の死を受け入れつつも前向きに生きていこうという、固い決意を感じさせる花言葉です。
白色の彼岸花
想うはあなたひとり ◆またあう日を楽しみに
「想うはあなたひとり」は、赤い彼岸花にも共通する花言葉。
一途な個人に対する純粋な想いは、白い彼岸花にぴったりですよね。
離れていても、いつかまた必ず会えると信じることで、強く前向きに生きていこうというイメージが沸きます。
彼岸花の花言葉!ピンクやオレンジは?
彼岸花には品種改良によって作られたピンクやオレンジも人気があります。
ただ、ピンクやオレンジの花言葉は、残念ながら見つけることが出来ませんでした。
花言葉というのは、見た目の印象や色のイメージで付けられていることが多いので、
- オレンジ…あたたかくてエネルギーを与える色
- ピンク…女性や愛情の深さを与える色
として、どちらもポジティブな印象ではないでしょうか?
情熱◆あなただけを思う◆また逢う日を楽しみに
など、彼岸花の全体の花言葉から、あなたなりに想像して大切な人にプレゼントしてもいいですね。
彼岸花を贈る時のポイント
大切な人の旅立ちを祝う白色の彼岸花
就職や結婚など、大切な人の人生の旅立ちを祝うならぜひ花屋さんで白色の彼岸花を探してみてください。
この色には、「また会えるのを楽しみにしてるね」という意味が込められています。
もちろん、相手にはしっかり花言葉の意味を伝えてくださいね。
お彼岸に欠かせない赤色の彼岸花
お彼岸の時期に欠かせない赤色の彼岸花は「悲しい思い出」という花言葉があります。
お墓やお寺で見かけることが多い彼岸花は、死者の生前を思い起こすきっかけの花。
童話『ごんぎつね』の中に出てくる葬礼の場面にも、彼岸花の描写と心情が細かく描かれています。
決してネガティブな意味ではなく、「再会」という花言葉もある彼岸花。
彼岸には、仏法的に『死』という意味が有り、この花の先(来世)で、また会おうという道しるべだと言われています。
彼岸花の花言葉!ピンクや赤白の意味は?見ごろ時期や別名まとめ
彼岸花全体の花意味や、色ごとの花言葉、西洋での花言葉をお伝えしました。
その花が持つ花言葉を知ることで、もっと心の深いところから、相手に気持を伝えられるのかもしれません。
色んな解釈がある彼岸花の花言葉。
日本には、1000通り以上もあると言われる彼岸花の別名の数だけ、伝えたい気持ちや意味があるかもしれませんね!
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