花の中には姿形がよく似ていて、違いや見分け方が分かりにくい花があります。
ハルジオンとヒメジョオン、牡丹と芍薬などが代表的。
じつは、牡丹と芍薬の英語名は、どちらも、
ボタン属の花=「peony(ピオニー)」
と訳されるほど馴染みが薄く、英語圏の国では、基本的に区別が無いのですが、
牡丹と芍薬は、全く別の植物で、葉っぱや茎の形、原産地、開花時期も異なります。
今回は、華やかな大輪の花を咲かせる、同じボタン科ボタン属の花、
牡丹と芍薬の違いと見分け方です。
牡丹と芍薬の見分け方や違い8つ!葉っぱや開花時期を比較!
牡丹 | 芍薬 | |
原産地 | 中国西北部 | シベリア、中国、モンゴル |
葉っぱ | ・ツヤ無 ・大きく広がった形 ・先ギザギザ |
・ツヤ有 ・丸みがある ・ギザギザ無 |
木か草か | 木本性(樹木) | 草本性(草) |
つぼみ | 先端が尖った形 | 丸みがある球形 |
高さ | 1mほど | 60cmほど |
散り方 | ・花びらが1枚ずつ散る ・葉は落ちるが茎は枯れずに残る |
・花びらは散らず花の頭ごと落ちる ・葉も茎も枯れ、根と芽の部分が残るのみ |
開花時期 | 晩春(4 – 5月) | 初夏(5 – 6月) |
香り | 無臭 | バラのように甘く爽やか |
花言葉 | 「王者の風格」 | 「はじらい」「慎ましさ」 |
見た目はそっくりな二つの花ですが、
牡丹の原産地中国では、国花として特別な存在で、日本にとってもとても馴染みのある花です。
牡丹は厳かな和の情緒があり、芍薬には洋テイストが似合う気品があります。
わかりやすい違いは「葉っぱ」と「香り」
牡丹と芍薬の違いで、もっとも分かりやすいのが「葉の形」です。
【芍薬】切れ込みはなく、やや丸みを帯びている
花が咲いていない時期なら、まずは葉を確認、「切れ込みがある?それともない?」というのが、もっとも簡単な牡丹と芍薬の見分け方です。
そしては、葉っぱを見ても、牡丹と芍薬の見分け方で迷ったら、花の香りを嗅いでみてください。
実は、牡丹は基本的に香りがなく無臭、いっぽう芍薬は、バラのようなとても香りがするため、
プレゼント用の花束としても人気があります。
芍薬のシーズンには、お部屋に芍薬を飾りたいものですね。
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牡丹と芍薬の共通点
華やかな大輪の花を咲かせる牡丹(ボタン)と芍薬(シャクヤク)は、一見かなり似ています。
どちらもボタン科ボタン属に属する薬用植物としても知られ、
花から根まで余すことなく漢方薬としても使用されてきました。
牡丹の原産地中国では、牡丹=「木芍薬」という別名もあります。
英語名はふたつとも「peony」(ピオニー)と総称され、英語圏の国では区別されていません。
「立てば芍薬、坐れば牡丹、歩く姿は百合の花」の意味
美人の姿や振る舞いを花に見立てて形容する
《立てば芍薬、坐れば牡丹、歩く姿は百合の花》
という諺(ことわざ)も、牡丹と芍薬の姿の違いが分かりやすく想像できます。
【芍薬】すらりと伸びた茎の先端に華麗な花
【牡丹】枝分かれした横向きの枝につける花
【百合】風を受けて揺れる花
それぞれの花の特徴から、立っている時、座っている時、歩いている時、
どんな場合でも美しい立ち振る舞いができる女性を例にした誉め言葉です。
牡丹は樹木、芍薬は草
牡丹(ボタン)は落葉低木で「木」として扱われ、芍薬(シャクヤク)は「草」として扱われます。
芍薬は茶色い幹があり枝分かれせず上に伸び、牡丹は枝分かれして低く横に広がっていきます。
木と草の違いから、越冬時にも、牡丹と芍薬を見分けるポイントがあります。
【牡丹】木のまま越冬し、枝から新芽を出す
【芍薬】根を残して枯れ、春にまた新芽を出す
牡丹は樹木なので、冬になっても幹が残ります。
いっぽう芍薬は草ですから、いったん地上では姿を消してしまうのですね。
牡丹と芍薬の見分け方や違いは?葉っぱや開花時期も画像で比較!まとめ
牡丹と芍薬の分見分け方は、まず葉っぱのギザギザと香りの有無を見ると分かりやすいです。
英語ではどちらも「Peony」と呼ばれてボタン属の仲間ですが、
じつは牡丹=樹木、芍薬=草で全く別の植物。
違いを知った上で鑑賞すると、さらに美しさが増しますね。
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