靴を夜に下ろしてはいけない?迷信(おまじない)の理由と対処法は?

新しい靴

 

新しい靴を下ろす時って、さわやかな気持ちになりますよね。

でも、親や祖父母から

「新しい靴を夜に下ろすのは縁起が悪いからダメ!」

って教わった人も多く、筆者もその一人です。

夜にして縁起が悪い行動といえば、

「靴を夜に下ろすのはダメ」

夜に爪を切るのはダメ

などが代表的ですが、

…なんで?科学的根拠は?

ってツッコミたくなる言い伝えやジンクスって結構あるものです。

これらは、安全に日常生活を送るための、昔からの知恵や教訓ではありますが、

どうしても夜に靴を下ろさなければいけない時に役立つ対処法なども紹介しましょう。

 

新しい靴をおろす(下ろす)とは?

 

新しい物を初めて使う時につかう

「下(お)ろす」

という言葉。

 

「靴を下ろす」とは、新品の靴を玄関先に出して、使える状態にすることを言います。

 

日本の家は特に、玄関から一段上がって入る生活様式なので、

家に入る事を「あがる」と言い、反対に、靴を新しく使う時はそこから、玄関に「おろす」になるのですね。

 

新しい靴をおろす時、昔からよく言われるジンクスが

「新しい靴を夜に下ろしてはいけない」

ということ。

 

買ったばかりの靴を、夜玄関先に出すのは縁起が悪い、

ということですが、なぜこのように言われるようになったのでしょうか。

夜に新しい靴をおろしてはいけない理由2つ

 

「靴を夜に下ろしてはいけない」と言われる理由を紹介しましょう。

 

理由1)「死人」「葬式」を連想するから

 

まず、一番の理由としては、昔からのお葬式の風習で、

「新しい履物を履かせて夜玄関から出るのは死人だけだったから」

という考え方があります。

 

つまり、夕方から夜にかけて新しい履物を履くのは、

「お通夜に冥土に旅立つ仏さん(亡くなった人)に草履を履かせることに通じるから、縁起が悪い」

という言い伝えです。

 

現在のお葬式も、亡くなった方には、「旅路をしっかり歩けるように」という意味で、

死装束に白足袋と草鞋(わらじ)を履かせて、そのまま棺に納められます。(宗派にもよります)

 

火葬場や霊柩車さえ無かった時代、葬儀といえば自宅で行うのが一般的で、

葬儀の後に【野辺送り】※が行われますが、それが午後~夕方以降に行う決まりがありました。

 

【野辺送り】のべおくり・故人の遺体を近親者が棺桶を担ぎ、火葬場や埋葬地まで運び送ること

 

昔の【野辺送り】は、近親者は皆、新しい草履を履き、帰りには捨てて帰ってきたそうです。

 

自宅から棺桶を担いだまま、玄関先で履き替えるのは難しいため、

部屋から新しい草鞋を履いて、そのまま外に出ていました。

「夜に新品の靴を履いて玄関から出ると死を招く」

と言われるのはここからきてるといわれています。

 

何事においても、死者や葬儀を連想させる行いはタブーなため、

夜に新しい靴を下す=死やお葬式を連想させる行為は、縁起が悪い、というワケですね。

 

理由2)夜に出歩くのは危ないから

 

理由1とつながるところはありますが、

夜に新しい靴を下ろしてはいけないといわれる理由は、単に

「浮き足立った状態で外に飛び出すのは大変危険だから」

という教訓の意味もあります。

 

現代では考えにくいですが、電気やガスはもちろん、ロウソクでさえ庶民にとっては高価だった江戸時代など、

日が沈むとあたりは真っ暗、静かで闇に包まれました。

夜に外出する時というのは、よっぽどの時、

それこそ、お葬式後の【野辺送り】以外では、外に出歩くことはありませんでした。

 

ほかにも、「夕方、新しい履物を下ろすと狐に憑かれる」「病気になって歩けなくなる」など、

昔の人はとにかく、新品の靴は日が落ちてから履物をおろすのを避け、

必ず翌朝下ろすという習慣があったようです。

 

新しい靴を履いてウキウキした気持ちのまま、外に飛び出して危険な目に合わないように

一旦落ち着いてから外に出ましょう、という意味もあるかもしれないですね。

 

夜に新しい靴をおろす時のおまじないや対処法

 

「靴を夜に下ろしてはいけない」と昔から言われる理由はわかりましたが、

とはいえ、

今は夜に新しい靴を履いてお出かけ♪なんてことは、普通にありますよね。

 

でも、やっぱり縁起が悪いと言われているのが気になる…というあなた!

そんな時にぴったりの、縁起の悪さを消してくれるおまじないがちゃんとあるんです!

 

つまり、「新しい靴を新しい靴でなくしてしまえばいい」という発想で、

カンタンにいうと、靴底に黒い物を塗ったりして、敢えて汚すという方法だそう。

 

新しい靴の裏に塗るオススメの物
  • 黒のペンで印をつける(×など)
  • 靴底につばをつける
  • 火を消したマッチのすすをつける
  • ライターでちょっと炙る
  • 灰をつける

これらの言い伝えを守ってちゃんと備えてる人は多いようで、

SNS上にはさまざま実践したという口コミがありました。

対処法1)靴底をライターで炙る!

筆者自身、ライターで炙るというのは初めて聞いたので驚きましたが、

“新しい靴を買ったら、昼夜関係なくライターで炙る!“

という口コミはツイッター上に特に多くみられるのも面白い傾向だと感じました(笑)

 

昔から「火」には悪い物や邪気を追い払う力があると言われていて、

靴底に“黒いもの“を塗るのがよいと言われているため、

かまどの灰、鍋についたすすや墨汁などで汚したそうですよ。

 

今では、灰やすすはなかなか家ですぐに手に入るものではないですが、

マッチやライターならどこの家庭にもありますよね。

 

ただ、ライターは取り扱いによっては新品の靴が悲しい事になるので

私のダンゼンおススメはマッチの“すす”を使うこと。

火そのものじゃなくても、灰やすすも、『魔除け』に効果があると言われています。

 

ペンの場合は水性ペンやボールペンなどすぐに汚れが落ちるものでもOK、

いずれにしても、ほんの一手間で、

縁起の悪さを追い払ってくれて、自分の気持ちも落ち着くなら、やってみても損はないですよね(^^♪

 

対処法2)玄関から一歩出て靴を履く

 

靴を下ろすというのは、つまり、家の中から新しい靴を履いて出ていくということ。

 

これは最初にお話しした「お葬式の出棺の際のみ」靴を履いたまま玄関に降りることを連想させるので

縁起が悪いと言われていました。

 

ですから、家から一歩外に出てから、新しい靴に履き替えればOK!という声もありました。

 

対処法3)新しい靴をみんなで踏むみつける!?

 

新しい靴を履くときの「おまじない」といえば、

「新しい靴にしたら、まずは周りの友人にギュウギュウ踏んでもらう」

というもの。

「早く靴が足になじんでケガをしないように」

「ゲン担ぎ」

「足が速くなるように」

という意味があるそうで、あの「スラムダンク」のエピソードが広まったという説が有力なようです。

 

 

新しい靴をおろす適したタイミングは?

 

逆に、新しい靴を下ろすのに適したタイミングというのはいつでしょうか?

それはズバリ、

吉日の、晴れた日の午前中

が最高のタイミングと言われています。

 

新しい靴を下ろすのは吉日の午前中が◎

 

靴をおろす時、暦の吉日や開運日を気にする方は結構多いのではないでしょうか?

実は、私もその中の一人。

何か新しいことを始めるときには【縁起の良い日】と言われる日を意識するようにしています。

とくに【靴】は、地面からの良いエネルギーを取り入れてくれる絶好のアイテム。

ですから、靴はなるべく良い運を取り入れられるように、

一日のさわやかな始まりの午前中の吉日におろすのが良いとされているそうです。

雨の日は避けたほうがいい

 

ジメジメとした雨の日は、気分だけでなく運気も下降気味になるそう。

せっかくの新しい靴が雨で汚れたら、それだけでテンションが下がってしまいます。

「雨の日に新しい靴を下ろすと、その靴を履くたびに雨が降る」

「雨の日に新しい靴を下ろすことは、人生のつまづきを連想させて縁起が悪い」

というジンクスもあるそうです。

雨の日に靴を下ろすと、湿気を吸って傷んでしまうため、機能的にもよくありません。

ただ、雨の日に特化したレインブーツを雨の日におろすのは吉だそうですよ!

言い伝えや迷信の役割

 

「言い伝え」「迷信」「風習」「ジンクス」というのは、

昔から人から人に口づてに伝えられてきた話のことで、

科学的な根拠がないものが多く、単に都市伝説レベルのものもあります。

 

しかしながら、その真意を探って考えてみると、生活に役立つ知恵で、理にかなっていることも多く発見できます。

 

夜に縁起が悪い行為といえば、有名なもので「夜に爪を切ると親の死に目に会えない」もあります。

一説には、世詰め(夜爪)の語呂合わせから寿命を縮め、早死にするから、という理由だそう。

 

この言い伝えも、もともと家の照明がろくにない江戸時代ごろにできたもので、

真意は「暗い中、刃物を用いて爪を切ると危ないから」という、親から子への教えだと言われています。

「夜に新しい靴を下ろしてはいけない」ということも、

真意は「夜にむやみに出歩くと危ないから」という教えであるなら、理解ができますよね。

 

今より信仰心も厚く、科学的な立証も不可能だった時代、

危険なことを子供にさせないために、

「〇〇してはいけない」=「縁起が悪いこと」と言うことが抑止力となり、

危機回避のための先人の知恵として、わかりやすく教え伝わったものではないでしょうか。

靴を夜に下ろすのはNG?迷信の理由と対処法まとめ

 

「夜に新しい靴をおろしてはいけない」 と昔から言われるのは、

昔は新しい履物を履かせて夜玄関から出るのは、お通夜に冥土に旅立つ人だけだったから。

ですが真意としては、

「夜に新しい履物を履いて浮かれた気分で出歩くのは、危ないから」

という、親が子供の安全を願う意味があるのではないかと思います。

科学的根拠もないし気持ちの問題が大きいとは覆いますが、

やはり言われ続けてきたのは、意味があることですし、知ってしまうと気になるものですね。

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