爪を上手にキレイに切るのって案外難しいし時間がかかりますよね。
とくに朝忙しく夜の帰りが遅い人は、ゆっくりリラックスして爪を切ろうとすると、夜のお風呂上りのタイミングになってしまいます。
でも、
「夜に爪なんか切ったら親の死に目に会えないよ!親不孝な子!」
なんて母に言われてちょっとびっくり(*_*)した記憶があります。
ただの迷信なのでは…と思っていたら
実は科学的にちゃんとした根拠がある(かもしれない)
という驚愕な事実も!
夜の爪切りは縁起が悪いという迷信5つ
昔からの言い伝えというのは、何かしら大事な意味があるもの。
夜に縁起が悪い行動や迷信といえば、
「夜蜘蛛は親でも殺せ」なんて怖いものから、「夜に爪を切ったら、親の死に目に会えない」ともよく言われます。
「夜に爪を切ってはいけない」理由は一つだけではなく諸説あります。
さっそくご紹介しましょう。
迷信1)日本書紀 家に入れない=親の死に目に会えない説
『知れば恐ろしい日本人の風習』(千葉公慈・著)によると、日本書紀までさかのぼります。
悪事を繰り返したスサノオ(日本神話に登場する神)は、手足の爪を抜かれ、高天原から地上へと追放されます。
そこには“追放者は家の中に入れてもらえない”という記述もあり、
家に入れないのだから、「親の死に目にも会えない」、
これが、夜に爪を切る=戒める行為につながった、という説。
迷信2)戦国時代 早死する=親の死に目に会えない説
『知れば恐ろしい日本人の風習』(千葉公慈・著)によると、戦国時代の『世詰め』から来ているという説もあります。
世詰めとは、余命を詰め短くして命を落とすという意味。
夜の『よ』と爪の『つめ』が『世を詰める』、つまり早死にするという意味。
親より早く自分が死ぬという事から
「夜爪を切ると親の死に目に会えない」
と昔から言われています。
迷信3)江戸時代 夜に爪を切ったらケガをする説
現代の生活では考えにくいことですが、江戸時代など、昔の人たちは電気もなく爪切りもない時代でした。
夜の灯りはろうそくなどの火しかなく、ハサミや小刀などで爪を切っていたそうです。
もちろんそんな暗い場所で、刀で手を滑らせて指を切り落としたら大参事。
なので、夜爪を切ってはいけないという言い伝えが広まったとされています。
迷信4)爪には“気”があるから説
今も一部風習として残っている地域もありますが、
体の末端にある爪や髪は「気の番人」とされ、
生まれたての赤ちゃんの髪の毛や爪を切って成長の証として大事に取っておいたそうです。
このことからも大事な爪は、暗い夜ではなく、明るい朝や昼のうちに切りましょうという説があります。
迷信5)中国の伝承上の鳥「姑獲鳥」への恐怖
夜に爪を切ってはいけないという風習は、中国の伝承上の怪烏「姑獲鳥(こかくちょう)」への恐怖が関係しているという話もあるようです。
姑獲鳥とは、夜間に飛び回って人間の爪を食べる烏とされ、
凶事を人に招く烏と言い伝えられてきました。
そのため、夜に爪を切るという行為を戒める風習が生まれたのだとか。
夜の爪切り!海外では切ってはいけない&大丈夫な曜日
「爪や髪を切るタイミング」について、海外に面白い情報も見つけました。
タイやヨーロッパでは現在も、
と言われるものがあるようです。
世界の「爪切り占い」のジンクス
たとえばタイ。
爪を切って良い曜日・悪い曜日については次のようなジンクスがあります。
月曜 | ○ | 勝負運アップ |
火曜 | × | 金運が下がる |
水曜 | ○ | 全体運アップ |
木曜 | × | 悩みが増える |
金曜 | ◎ | とても良い日 |
土曜 | × | 体調を崩す |
日曜 | ◎ | とても良い日 |
タイでは他にも、曜日に関係なく爪を切ってはNGな日として
「ワン・プラの日」(タイ語で仏の日)
もあり、宗教的に良くないとされています。
タイ以外に、ヨーロッパにも「爪を切ってはいけない曜日」の風習は存在していて、
日常生活のちょっとした願掛けとして生活に溶け込んでいます。
こうしてみてみると、人間の末端にある爪や髪は、生涯伸び続ける部分であることから、
昔から神聖で霊的な力があると考えられてきたのは世界共通なのかもしれませんね。
夜の爪切りは絶対ダメな科学的根拠は?
最近の研究で明らかになってきた
「夜のヤケドは昼間に比べて6割も治りが遅い」
という事実。
人間の体内時計のリズムは一日の時間帯によって昼と夜に活発になる時間が異なるため、結果的に免疫の働きや皮膚の再生時間に大きく影響している
参考:Yahoo ニュース なぜ「夜に爪」を切ってはいけないのか
昼と夜では、夜の傷のほうが治りが遅いため、
「夜に爪を切るな」というのは実は、
夜に爪を切って、万一深爪したり皮膚を切ってケガをしたら、治りが遅くて危険だから
という科学的な意味も、昔の人は知っていたのかもしれません。
夜の爪切りのベストタイミングはいつ?
爪を切ると爪が飛んだり割れてしまったり、実は難しい『爪切り』。
爪の成分はいわゆる角質・タンパク質の塊です。
子供のころは柔らかい爪でも、成長するにつれて誰しもどんどん硬い爪になってきます。
実際の生活では、
『お風呂上りに爪を切るのが、爪が柔らかくなるしいちばん切りやすい』
という声が多数。
お湯にゆっくり浸かって、爪が十分ふやけてから切れば、
・パチンという音もしない
・爪が飛び散ることも少ない
・爪が割れたりしにくい
・余計な力を入れずに切る
などで安全に爪を切れるのだそうですよ。
爪切りの頻度や長さは?
爪は、あくまで目安ですが、
「1日に平均0.1mm伸びる」
といわれているので1か月だと約3mm伸びるということになります。
体質や生活スタイルで、人によって頻度や長さは違いますが、
“爪を何かに引っかけてしまったり、爪を見てそろそろ切ったほうが良いな“
と思ったときが、あなたの爪を切るタイミングです。
ちなみにネット上で一番多かった声としては
“2週間に一回くらいは爪を切っている“
という意見。
思えば私もこれくらいの頻度が多いですね(^^♪
夜の爪切りは縁起が悪いって迷信?切ってはいけない曜日や大丈夫な日まとめ
昔から両親や祖父母などから言われてきた
『夜爪を切ってはいけない』
という言い伝え。
結局のところ親が子供に言うのは、
『ケガをしてほしくない・健康に育ってほしい』
という親が子供を想う優しい気持ちを表した言葉だと思います。
体の末端にあって伸び続ける『爪』は、世界的に見ても
『神聖なモノ・ジンクスの対象』であって、医学的にも「たかが爪」とむやみに扱わない方が良さそうでしたね。
風習の背後に息づく、人びとのさまざまな考え方や歴史。
昔からの言い伝えというのは、それなりにちゃんと意味があって深くて面白いですね。
【著書紹介】
知れば恐ろしい日本人の風習
著者:千葉公慈 出版社:河出書房新社
日本人は何を恐れ、その恐怖といかに付き合ってきたのか?!しきたりや年中行事、わらべ唄や昔話……風習に秘められたミステリーを解き明かす一冊
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