焼き飯・炒飯・ピラフ・リゾット・お粥・雑炊・おじや・ドリア・パエリアの違い

お米料理

 

あなたは美味しいお米料理といえば何を思い浮かべますか?

混同しやすい料理といえば、

見た目がパラパラご飯の

  • 焼き飯
  • チャーハン(炒飯)
  • ピラフ

見た目ドロドロごはんの

  • リゾット
  • 雑炊
  • おかゆ
  • おじや

さらには、スペイン料理のパエリアや、ファミレスで人気のドリアなども有名です。

これらは何が大きく違うの?と迷ったら、まずは

  1. お米の状態…生米 OR 炊いた米
  2. 調理法…炒める・炊く・焼く等
  3. 発祥地(国)

の3つを押さえれば、違いがよく分かります。

それぞれの違い、分かりやすくまとめてみました。

 

焼き飯・チャーハン(炒飯)・ピラフの違い

 

卵、ハム、玉ねぎなど、使う具材は同じようなものなのに、

混同しやすい焼き飯・チャーハン(炒飯)・ピラフ。

 

3つの大きな違いはコレ!
  • 焼き飯…卵をご飯のから入れる
  • チャーハン…中国発祥の料理・卵を先に炒める
  • ピラフ…トルコが語源・生米から炊く

一番の違いは、使うお米の状態が、

ピラフは生米から・炒飯と焼き飯は炊いたお米から

という点。

そして調理法や発祥地もそれぞれ違います。

 

焼き飯

 

焼き飯(やきめし)
米の状態 炊いたお米
具材 肉や野菜をお好みで
調理法 炒める
発祥地 日本

 

日本の家庭でお母さんが作る炒飯に似た炒めたご飯が焼き飯。

 

炒飯とのいちばんの違いは、卵を後から入れて炒めるというところ。

 

炒飯はお米を「炒め」ますが、焼き飯はお米を「焼く」というところに違いがあります。

 

鉄板料理が有名な関西が起源と言われますが、じつは炒飯との違いの定義はわりと曖昧なようです。

 

炒飯(チャーハン)

チャーハン

 

チャーハン(炒飯)
米の状態 炊いたお米
具材 肉や野菜をお好みで
調理法 炒める
発祥地 中国

 

中国語表記で【炒飯】(発音:チャオファン)が、日本語で「チャーハン」となりました。

 

焼き飯との一番の違いは卵を入れる順番。

 

短時間で卵がお米をコーティングしてパラパラになるように、

卵を先に入れる・またはご飯と卵を前もって混ぜておくことがポイントです。

 

ピラフ

ピラフ
ピラフ(pilaf)
米の状態 生米(炊く前のお米)
具材 肉や野菜をお好みで
調理法 生米をバターで炒めた後、コンソメスープなどで炊き上げた物
発祥地 トルコ

 

「ピラフ」の語源は、トルコ語の「ピラウ」。

 

ピラフ(トルコ語: pilav、フランス語: pilaf)は、炒めた米を具とともにスープや香辛料を加えて炊いた料理です。

 

とくにトルコ料理が有名ですが、現在はインドから中近東を経て、南欧ギリシャにまで幅広く見られる米料理です。

 

ピラフは焼き飯やチャーハンのように、炊いたご飯は使わず、生米をまずはバターで炒めてから炊き上げます。

つまり、「余った冷やごはんがあるからピラフをつくろう♪」とはならないですね。かなりウンチクですが(笑)

リゾット・おかゆの違い

 

“トロトロまで柔らかく煮たスープの多いごはん”という見た目の共通イメージがあるものといえば、

  • リゾット
  • お粥(おかゆ)
  • 雑炊
  • おじや

の4つ。

 

4つの大きな違いはコレ!
  • リゾット…生米から煮るイタリア料理
  • おかゆ…生米から煮たもの、炊いた飯を煮たものも「粥」
  • 雑炊…ご飯をダシで煮る
  • おじや…ご飯をダシで煮る

まずは、もっとも混同しやすいリゾットとおかゆの違いについて確認しましょう。

 

リゾット

ピラフ
リゾット(Risotto)
米の状態 生米(炊く前のお米)
具材 肉や野菜なんでもお好みで
調理法 煮る・水分は残してスープのようにしてお米を味わう
発祥地 イタリア

 

リゾット(英語:Risotto)は、もともとイタリアで食べられてきた麦類の料理にお米が融合した料理。

 

リゾットは、炊いていない生米をオリーブオイルやバターなどで炒め、スープで煮たイタリアの麦料理が原型です。

 

調理法は「炊く」というより「煮てスープを残す」というイメージ。

 

おかゆ(お粥)

お粥
おかゆ(お粥)
米の状態 生米から煮る、炊いたご飯から煮るどちらも
具材 米のほか穀類や豆類、芋類、海鮮、肉類
調理法 多めの水で柔らかく煮る
発祥地 中国?

 

粥(かゆ)は、お米、麦、粟、ソバなどの穀類や豆類、芋類などを多めの水で柔らかく煮た料理。

 

粥の上澄み液は重湯(おもゆ)と言います。

 

日本でお粥を食べるようになったのは、紀元前1世紀頃とも言われ、米が伝わってきたのと同じ時期。

 

奈良時代には、奈良県を中心にお米をほうじ茶などで炊いた「茶粥」の記録が残っています。

 

おかゆは、米が主食の韓国や中国、タイなどのアジア諸国や、アフリカなどでも広く食べられていて、

とくに中国では、3000年以上前からお粥を食べてきた歴史があり、

「粥」は中国語でも

【粥】(発音:ジョウ)

という漢字を使います。

 

野菜だけでシンプルに作るものから、鶏肉や貝柱などの動物性の食材を使った食べ応えのあるものまで、

多種多様なお粥があります。

 

雑炊・おじやの違い

 

地方によっても認識の違いがあることから、しばしば話題となる、雑炊VSおじや論争。

 

結論から言うと、

「雑炊」と「おじや」は、同じもの・同じ料理です!

(ただし辞書の解釈で)

 

ただ、実際に使うときは、「雑炊」は書き言葉で硬い表現、「おじや」は口語的・俗語的と言う違いがあります。

 

たしかに、お店のメニューで「雑炊」はあるけど、「おじや」というメニューはあまり見たことがないですよね。

 

一方で、「おじや」は、家でなべ料理を楽しんだあと、そのだし汁に卵を溶き入れ、

適当に作ったものという感じで、各家庭によってやり方に違いがある気がします。

雑炊(ぞうすい)は日本料理で、醤油や味噌などの調味料で味を付け、他の食品(肉類、魚介類、キノコ類や野菜)とともに飯を煮たり、粥のように米から柔らかく炊き上げた料理。おじや・こながきとも呼ばれ、冬の季語。

引用:wikipedia

「雑炊」=大根・ねぎなどの具を刻みこみ、味付けをして炊いた粥(かゆ)。おじや。こながき。

引用:広辞苑

 

「こながき・糝」とは、あまり聞き慣れない言葉ですが、

米の粉をかきまぜて煮立てた熱い汁物=羹(あつもの)、または雑炊という意味です。

 

雑炊の語源

 

増水の語源は、「増水・ぞうすい」が変化したものと言われています。

 

おじやの語源

(おじやは)一般的には「雑炊」を意味する女房言葉として認識されているが、はっきりした語源は不明。米を煮る音が「じやじや」と聞こえるからという説、スペイン語で(調理器具の)鍋を意味する語「olla」(オジャ)によるという説なども。

引用:ウィキペディア

 

おじやの語源は、「ジャー」という知るものが熱い鍋でに立つ音の擬音語が起源と言う説や、

室町時代初期頃から宮中や院に仕える女房が使い始めた【女房詞】(にょうぼうことば)、

または、各地の方言と言う説も。

 

雑炊とおじやは「違う料理」という意見も…

 

雑炊もおじやは、辞書の説明上は同じ料理ですが、地域や家庭によっては、別の料理としての認識も。

たとえば…

「調理過程でご飯を水で洗って、表面の粘りをとってさらっと仕上げたものが雑炊。そうでないのがおじや」

「味噌や醤油で味付けをしたものをおじや、塩味や白だしのものは雑炊」

など、調理方法や味付けで、雑炊とおじやを別物として認識している地域もあります。

関西出身の筆者、米飯をいったん水で洗うのが雑炊とおじやの違いと思ってました!

 

雑炊・おじやはおかゆと同じ!

 

ざっくりではありますが、けっきょく、雑炊もおじやも、辞書の説明上は【お粥】と同じもの。

(雑炊は)米飯の保温や再加熱が容易でなかった時代には、冷や飯の再利用方法のひとつとして味噌汁等を混ぜたりして家庭でも頻繁に作られていた。現在では鍋料理の残り汁を利用した締めや、体調不良時の栄養補給として粥と同じように用いられることが多い。

引用:wikipedia

 

歴史としては、お米が伝わったと同時にお粥が誕生し、

のちに醤油や味噌などの調味料で味を付けたり、他の食材とともに煮たりして、

「雑炊」や「おじや」というおかゆの種類が誕生した、ということになります。

 

「ドリア」は日本生まれ日本育ちの創作料理

ドリア(Doria)
米の状態 バターライス・ピラフなど調理済みのお米
具材 ホワイトソース
調理法 グラタン皿に乗せたピラフの上に、ホワイトソースをかけてオーブンで焼いた料理
発祥地 日本

 

ファミリーレストランでもすっかりおなじみのドリア(Doria)。

 

ドリアは、ピラフなど米飯の上にホワイトソースをかけてオーブンで焼いた料理です。

 

起源はフランス料理で、キュウリ・トマト・卵を使った「ドリア」という料理ですが、

ライスにグラタンが入っているような日本で広まっているドリアのスタイルは、

1930年頃に横浜ホテルニューグランドのスイス出身の総料理長が考案したものなので

ドリア=日本生まれ・日本育ちの日本発祥の料理

として定着しています。

 

「パエリア」はスペイン発祥の家庭料理

パエリア(paella)
米の状態 生米(炊く前のお米)
具材 魚介類ほかお好みで
調理法 炊き上げる
発祥地 スペイン東部のバレンシア地方

 

スペインの代表的な家庭料理パエリア。

 

パエリア(バレンシア語:paella)は、スペイン東部バレンシア地方発祥の、米と野菜、魚介類、肉などの食材と共にそのスープを米に炊き込む料理。

 

本場のパエリアは、魚介類が主体のスープで黄色いサフラン色のご飯を「パエリア鍋」という専用の平たい鍋で炊き上げます。

 

日本でもフライパンなどで手軽にアレンジして作るのが人気です。

焼き飯・炒飯・ピラフ・リゾット・お粥・雑炊・おじや・パエリア・ドリア違いまとめ

よく似たお米料理の違いを紹介しました。

「発祥地」と言っても形を変えて進化し、それぞれの国で受け入れられてきた料理もありますが、カンタンにまとめると

【焼き飯】炊いたご飯を油で炒めた日本の家庭料理
【チャーハン】炊いたご飯を油で炒めた中華料理
【ピラフ】生米をバターで炒めた後に、スープで炊き上げた料理
【リゾット】生米を炒めてスープと煮る洋風おかゆ
【パエリア】生米を専用鍋で魚介系スープと炊くスペイン料理
【ドリア】ピラフ+グラタンの日本発祥のオーブン料理
【おかゆ】日本の米文化と同時に誕生したお米を柔らかくにたもの
【雑炊】味付けをして炊いた粥、おじやと同じ
【おじや】味付けをして炊いた粥、雑炊と同じ

となりました!参考になれば幸いです。

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