主食としてよく比較されるパン派とごはん派。
あなたはどちらを何を食べることが多いですか?
三代栄養素の糖質(炭水化物)として比較されることが多いパンとご飯(米)は、
ダイエット中はとくに、腹持ちがいいものを選んで間食を防ぎたいですよね。
パンの原料となる小麦やトウモロコシなどの「穀物」と「米」は、
炭水化物という点では共通していますが、
お米は、他の穀物よりも腹持ちがよく、かつ健康的といえる特徴あります。
わたしたち日本人の主食「お米」の魅力とは?
パンよりご飯(米)が優れている理由4つ
結論から言うと、基本的にパンよりもご飯(米)のほうが腹持ちが良いと言えます。
なぜなら「お米」は、
- 噛みごたえがあり腹持ちがよい
- カロリーが低いので太りにくい
- アミノ酸スコアが高いので健康的
- 無添加な食べ物
という、パンより優れた特徴があるから。
詳しく見て行きましょう
1.パンとご飯(米)の腹持ちの良さを比較
「腹持ちがいい」というのは、言い換えると
“食べた後にお腹が空きにくく、満腹感が得やすい”
ということです。
食べて体に吸収されるまで、お米はなぜ「腹持ちがいい」と言われるのでしょうか。
パンはすぐにお腹が空きやすい
パンよりご飯(米)が腹持ちが良い理由は、消化と吸収のスピードが違うから。
お米(米粒)と違って、パンは小麦をすりつぶして粉にした小麦粉を原料として使っているため、
既にカラダに消化されやすい状態にあると言えます。
人間は食べたものをまず3~5時間かけて胃の中でドロドロに消化しますが、
胃袋が空っぽになると空腹感を感じるため、
より長い時間胃の中にとどまるお米のほうが、パンと比べて腹持ちが良いと言えるのですね。
お米は満腹感を得やすい
腹持ちの良さは、間食を減らして食べ過ぎを防ぐことにもつながるため、
ダイエット中には強い味方。
基本的にパンよりご飯(米)のほうが満腹感を得やすいと言われている理由は、主に二つあります。
一つ目は噛む回数。
人間が“お腹いっぱいになった!”と感じるのは、脳にある満腹中枢の命令でコントロールされています。
満腹中枢は、食事で血糖値が上がるのを感知すると、
「これ以上はお腹いっぱい!」として、満腹感を人間の体に感じさせます。
通常、満腹中枢が血糖値上昇を感知するまでは15分~20分程度かかると言われているので
噛む(咀嚼)回数を多くしてゆっくり食事をすることが、過食による肥満を防止することにつながります。
パンとご飯では、基本的にご飯のほうが噛む回数が多くなるため、
お米のほうが満腹感を得やすいと言えます。
ただし、パンにもいろいろな種類があるので、固めのパンを選んでしっかり噛むことで、
より満腹感が得やすくなります。
二つ目の理由は、血糖値の上昇速度の違いです。
人間の満腹感は、血糖値の変化によって、脳で感じるものです。
米は粒食のため、ゆるやかに血糖値があがり、長時間満腹感を維持できる性質があります。
いっぽうパンは、パンは急激に血糖値が急上昇・急下降するため、
血糖値の大きな変化は上空腹感を感じやすくすると言われています。
2.パンとご飯(米)のカロリー比較
つぎに、パンとご飯(米)のカロリーを比較してみましょう。
炊き上がったご飯一善(約150g)は、約240kcal。
いっぽうパンは、種類によってかなりの差が出てきます。
- 食パン1枚(4枚切)……240kcal
- フランスパン1切(2㎝厚)…60kcal
- クロワッサン1個……220kcal
ご飯一善分と、食パン1枚は、ほぼ同じカロリーですが、
パンもご飯も、それだけを食べることは少なく、
何か他のおかずやトッピングと一緒に食べる事が多いと思います。
パンの食べ合わせはカロリー高めになりがち!
ご飯(お米)は、丼や揚げ物などカロリーの高いメニューもありますが、
基本的には味噌汁や魚料理、野菜など、脂肪の少ない料理とも相性がいいですよね。
いっぽうパンの場合どうでしょう。
バターや卵、マヨネーズやケチャップ、そしてジャムなど、
油脂や砂糖が多い食材、味の濃い調味料とあわせることが多いと思います。
このように食べ合わせとして全体のカロリーを考えても、
ご飯を中心にした食事のほうが、低カロリーでの組み合わせがしやすくおすすめできると言えます。
3.パンとご飯(米)のタンパク質比較
『タンパク質』『糖質(炭水化物)』『脂質』の3つは三大栄養素と呼ばれ、
私たち人間の生命維持や身体活動などに欠かせないエネルギー源となっています。
小麦やトウモロコシなどの「穀物」と「お米」は、炭水化物という点では共通していますが、
米には、他の穀物にはない体に健康的といえる特徴あります。
それが、お米に含まれる「タンパク質」。
お米には、ほかの穀物にはない特徴として三大栄養素であるタンパク質のバランスも大変優れています。
タンパク質は、量だけではなく「質」、つまり含まれている栄養素のバランスの良さも非常に大切。
タンパク質は、アミノ酸がたくさん連なって形成されていますが、
タンパク質を構成する20種類のアミノ酸のうち、
人の体では作ることのできない9種類の必須アミノ酸を、
どれだけ多く、バランスよく含んでいるかで価値が決まります。
▼アミノ酸20種類▼
タンパク質の「質」の良さ=アミノ酸スコア
栄養の良し悪しを説明するときよく「良質なタンパク質」などと言いますが、
これは必須アミノ酸がバランスよく含まれているタンパク質のことをいいます。
食品中に含まれる必須アミノ酸のバランスを評価(数値化)したものを「アミノ酸スコア」といって、
アミノ酸スコアは100点に近いほど、
必須アミノ酸のバランスが良い=良質のたんぱく質とされます。
【アミノ酸スコア 食品別数値】
▼米・穀物 | ▼魚介類 | ||
精白米 | 65 | アジ | 100 |
小麦 | 37 | 鮭 | 100 |
食パン | 44 | イワシ | 100 |
▼豆類 | ▼卵・乳製品 | ||
大豆 | 86 | 牛乳 | 100 |
枝豆 | 92 | 卵 | 100 |
▼肉類 | ▼野菜 | ||
鶏肉 | 100 | ブロッコリー | 80 |
豚肉 | 100 | にんじん | 55 |
牛肉 | 100 |
必須アミノ酸は、肉、魚、卵、乳製品といった「動物性タンパク質」の食品に多く含まれているため、
アミノ酸スコアは100となっています。
対して、米や穀物類など「植物性タンパク質」のスコアは全体的に少ないのがわかりますね。
小麦と米のアミノ酸スコアの比較
主食となる「小麦」と「米」のアミノ酸スコアを見てみると
- お米は65点
- 小麦は37点
- 食パン44点
つまり米の方が、より良質なたんぱく質という事になります。
ただし、小麦も米も、どちらも主食にするには、合格点「100」には達成しません。
ごはんにプラス豆製品(納豆・豆腐)や、動物性たんぱく質を組み合わせるなどして、
毎回の食卓のアミノ酸スコアが「100」に近づくように、
食材を組み合わせる必要があるのです。
4.パンは添加物が多く、ご飯(米)は無添加
白米を水で炊いただけなら、ごはんは無添加。
いっぽう食パンは、材料として油、砂糖、塩、イースト菌が必要で、
市販品には人口甘味料、香料などの食品添加物が多く含まれています。
とくに、総菜パンに多く含まれている「トランス脂肪酸」は、
肥満の原因になるばかりか、身体に害があるとしてアメリカでは規制の対象になる成分なのでなるべく避けたいですね。
無添加のご飯に比べると、パンは消化に負担がかかる素材や添加物が多く含まれていて、
健康面でも気を付けて選ぶ必要があります。
腹持ちの良さ=栄養バランスの良さ
三大栄養素であるタンパク質(アミノ酸)は、
筋肉・内臓・骨・血液・肌・髪・ホルモンや消化酵素など、あらゆるからだの材料となります。
タンパク質の元となる必須アミノ酸をバランス良く食べることは
脳に満腹感をあたえるホルモン「セロトニン」が分泌されやすいため、
自然と食べ過ぎを防ぐことができます。
パンとご飯(米)を比較して、いくらお米の方が腹持ちが良いといっても、
炭水化物ガッツリの食事では栄養バランスが崩れ、かえって疲れやすくバテバテなカラダになってしまいます。
炭水化物、脂質、たんぱく質、ビタミン、ミネラルの栄養をバランスよく、
しっかりよく噛んで食べることが、もっとも腹持ちの良さに繋がります。
パンよりご飯(米)が腹持ちいい理由!太りやすいのはどっち?まとめ
忙しい時は、どうしても手軽なパンやパスタ・麺類などの「穀物」中心の食生活になりがち。
「毎回ご飯を炊いて、お味噌汁をつくるなんてハードルが高い~!」
という声も聞こえてきそうですが、
お米はパンより、タンパク質の「質」も良く、カロリー控えめで食べ応えのある体にうれしい健康食材。
ごはんは一善ずつ冷凍保存しておけば、いつでもレンチン♪できますし、
お味噌汁も冷蔵庫にある残り物野菜を刻んで入れれば、立派なおかずになります。
忙しい毎日だからこそ、将来の自分への健康投資&維持のため、お米を主食とした食生活を見直してみませんか。
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