ひじきのヒ素を除く下ごしらえ方法!妊婦や赤ちゃんの離乳食はいつから?

ヒジキ

 

低カロリーで栄養満点、日本食に欠かせないひじき。

しかし2004年、イギリス食品規格庁(FSA)が

ヒジキに発ガンリスクの指摘されている無機ヒ素が多く含有しているとの結果が得られたため、英国民はヒジキを食べないように”

と英国民に発表以降、

日本でもひじきのヒ素への風当たりが一気に不安視されるようになりました。

でも、その調査結果は本当に

ひじき=危ないもの・食べたら危険

と直結するのでしょうか?

私たちの祖先である日本人は、2000年も前の縄文時代からずーっと食べてきたのに…?

  • ヒジキのヒ素を90%も取り除く下ごしらえ法
  • 厚生労働省の現在の見解
  • 日本人にとってヒジキのヒ素とは?

など確認したいと思います。

 

ひじきのヒ素を除く下ごしらえ方法「ゆでこぼし」とは?

 

2006年5月10日放送のNHK人気番組『ためしてガッテン』では、

【海藻の切り札!ひじき新パワー】

と題して、ひじきの魅力を存分に紹介。

 

番組によると、干しひじきの鉄分は、何と金属探知機にも反応するほど、豊富に含まれているんだとか!

そして、一番大事な、ヒ素を取り除く方法についても言及。

 

そうなんです、ヒジキは栄養豊富ですが、

“調理前は必ずヒ素をしっかり取り除く”

という手間が必要になるのです。

 

ヒ素は水によく溶ける性質

 

東京都福祉保健局の実験によると、ひじきに含まれるヒ素はよく水に溶ける性質が明らかになっています。

水戻し時間により溶け出すヒ素量をみたところ、芽ひじき(1.30ミリグラム含有)から30分後に0.48ミリグラム(36%)溶け出し、60分後には0.89ミリグラム(68%)溶け出しました。長ひじき(1.08ミリグラム含有)から30分後に0.37ミリグラム(34%)溶け出し、60分後には0.74ミリグラム(68%)溶け出しました。

出典:ひじきに含まれるヒ素|東京都福祉保健局

 

乾燥ひじきでも生ひじきでも、調理する前は、ヒ素を取り除くため、

水によく浸す(1時間以上)という下処理が大事になります。

 

乾燥ひじきの下処理方法がこちら!

 

ヒジキは、水によく浸すだけでなく、さらに、

“ゆでこぼし”

という過程で、ヒ素の溶出量が90%も取り除けることが分かっています。

 

参考:農林水産省作成の元画像はコチラからダウンロードできます

 

農林水産省が推奨している、乾燥ひじきのいちばん安心な“ゆでこぼし”の下処理方法をまとめると…

ひじきのヒ素を除くゆでこぼし
  1. 乾燥ひじきはたっぷりの水で30分以上水で戻す。
  2. 水戻しに使った水は、調理には使わない。一旦捨てる
  3. 再度新しい水からひじきを入れて茹で、沸騰後5分間茹でる
  4. よく水洗いする

この方法で下ごしらえすれば、ヒ素は90%も取り除けるうえ、

ひじきにもともと含まれる

・鉄分
・カルシウム
・食物繊維

などの大事な栄養素は、70%以上残ることも分かっています。

ヒ素ってそもそも何?有機ヒ素&無機ヒ素とは

 

「ヒ素」(砒素・元素記号As)は、農薬や殺鼠剤に使われる毒物として有名ですが、

自然環境中にもともと広く存在する元素のことで、

土壌や水中には天然由来のヒ素が含まれています。

 

ヒ素は、天然由来のほか人間の産業活動によって、環境中に放出されたものもあります。

 

さまざまな食品(特に海藻類)や飲料水は、微量のヒ素をもともと含んでいるため

ヒ素=絶対悪ではありません

問題はその量です。

 

海藻類に含まれるヒ素量は?

 

ヒ素はひじきだけでなく、ほかの海藻類にも、もともと多く含まれています。

乾燥の海藻類1㎏あたりの総ヒ素濃度(無機ヒ素濃度
ひじき 110mg(77mg)
わかめ 35mg(0.3mg)
こんぶ 50mg(0.3mg)
のり 24mg(0.3mg

 

比較してみると、ひじきに含まれる無機ヒ素濃度だけが圧倒的に高いことがわかりますが、

ヒ素には「有機ヒ素」「無機ヒ素」の2種類あり、

問題視されているのは「無機ヒ素」のほう。

 

では、「無機ヒ素」とは何なのでしょう?

 

有機ヒ素&無機ヒ素の違いとは

 

ヒ素は、ヒ素単体として存在する以外に、

炭素(C)や酸素(O)など他の元素と結合し、ヒ素化合物となって環境中に存在しています。

 

ヒ素化合物のうち

  • 炭素を含む化合物は「有機ヒ素」
  • 炭素を含まない化合物は「無機ヒ素」

と呼ばれています。

 

そして毒性は「無機ヒ素」のほうが強いといわれています。

 

無機ヒ素が体に与える影響と適量摂取量

 

農林水産省【ヒ素に関するQ&A】によると

無機ヒ素が一度にまたは短い期間に大量に体の中に入った場合、発熱、下痢、嘔吐、興奮、脱毛などの症状があらわれる。無機ヒ素が長期間にわたって、継続的かつ大量に体の中に入った場合、皮膚組織の変化やがんの発生などの悪影響がある

と説明されています。

 

無機ヒ素は、確かに体に悪影響を及ぼす元凶になるため、

ひじきの無機ヒ素を安全に摂取するには、

適切に下処理をして、摂取量を守って食べることが大切ですね。

 

 

無機ヒ素の適量摂取量

 

無機ヒ素は、摂り方によって被害があるのは確かですが、実際の適量摂取量はどれくらいなのでしょう。

 

厚生労働省【ヒジキ中のヒ素に関するQ&A】によると

WHOが1988年に定めた無機ヒ素のPTWI(暫定的耐容週間摂取量)は15μg/kg体重/週。例えば、体重50kgの人の場合、107μg/人/日(750μg/人/週)に相当します。

FSAが調査した乾燥品を水戻ししたヒジキ中の無機ヒ素濃度は最大で22.7mg/kgでしたが、仮にこのヒジキを摂食するとしても、毎日4.7g(一週間当たり33g)以上を継続的に摂取しない限り、ヒ素のPTWIを超えることはありません。

と説明されています。

 

ヒジキの上限の摂取量として

【一日当たり4.7g】を継続的に…とは少ないように思えますが、4.7gというと水で戻すと約40g。

小鉢2杯分ほどの量になります。

 

ですから、毎日どんぶり一杯のひじきを食べ続けていれば計算上は多くなりますが、

週3.4回、副菜程度の量なら全く問題が無い、という事ですね。

 

ひじきのヒ素について厚生労働省の見解

 

2004年、イギリスの食品規格庁(Food Standards Agency、FSA)で

“FSA調査の結果、ヒジキに発ガンリスクの指摘されている無機ヒ素が多く含有しているとの結果が得られたため、英国民はヒジキを食べないように”

と、危険物扱いされてしまったひじき。

 

この勧告を受けて、日本の労働省が発表した内容は、結論から言うと、

 

“実際に日本人が食べているひじきの量なら、今まで通り食べても問題なし”

“健康被害も今まで報告されていない”

 

という見解でした。

 

平成14年度の国民栄養調査によれば、日本人の一日あたりの(海苔や昆布などの)海藻摂取量は、14.6g。

海藻類のうちのヒジキの占める割合を試算したところ、ヒジキの一日あたりの摂取量は約0.9gとなります。

 

今まで、海藻中に含まれるヒ素によるヒ素中毒の健康被害が起きたとの報告はありません。

以上から、ヒジキを極端に多く摂取するのではなく、バランスのよい食生活を心がければ健康上のリスクが高まることはないと思われます。

 

ひじきのヒ素は結局、妊婦さんも赤ちゃんも食べて大丈夫?

 

ひじきは、他の海藻類に比べて無機ヒ素が多く含まれていて、

長期間大量に毎日食べれば、体に何らかの害があるのは確か。

 

ですが、イギリスの食品規格庁の発表内容で、最も注目すべきだったポイントは、

調理法については、全く言及していなかった

ということ。

 

つまり、最初にお話しした日本の農林水産省が推奨している

“ゆでこぼし”

の過程があれば、ヒ素の溶出量は90%も取り除けるため、

下ごしらえさえキチンとしておけば、ヒジキのヒ素はほぼ心配する必要はない、ということです。

ひじきは適量を守って食べよう

 

ひじきは、低カロリーなのに栄養満点。

カルシウム、カリウム、リン、鉄分などのミネラルが豊富で、

代表的なヘルシー食として日本人には欠かせない食材の一つ。

 

正しく下処理をすれば9割のヒ素は取り除くことができる
イギリスの勧告ではそもそも調理法に言及していない
毎日大量に食べ続けない限りもともと害はない

という事から、もちろん妊婦さんや離乳食を開始した赤ちゃん、子どもがひじきを食べるのも問題はありません。

 

ひじきには、とくに妊娠中に必要な栄養素がバランスよく含まれているため、

ヒ素のことはあまり気にし過ぎずに、適切な調理法で適量を食べるようにしましょう!

 

ひじきのヒ素を体から排出する方法

 

人の体は、タンパク質や炭素、ミネラルなど、地球上にあるあらゆる元素成分から成り立っています。

 

もちろんヒ素も、微量ですが体には必要な成分です。

 

体内にはヒ素だけでなく、鉛や水銀、アルミニウムなどが、

空気、食品、水道水などを通じて取り入れられるため、

これらの有害物質の摂取量をゼロにするのは不可能です。

 

ですから、有害物質を体に蓄積せずに排出させる(デトックスする)ことが重要です。

 

デトックス効果の高い食材

 

ゴボウやコンニャクなどに含まれる食物繊維は、余分なミネラルが体内に取り込まれるのを防ぐ働きがあります。

 

タマネギ、リンゴ、ニラ、ニンニクなどは重金属を捕らえて体外に排出する働きがあります。

 

肝臓の解毒力を高める「亜鉛」や「セレン」などの必須ミネラルを多く含む

・緑黄色野菜
・魚介類(うに、かつお、さわら、牡蠣、あじなど)
・牛肉
・玄米

などと組み合わせて、取り込まれた毒素を排出するのが効果的です。

 

腸内環境を整える

 

腸内環境の善玉菌が減り、悪玉菌が増えると有害重金属の排出能力が低下するため、

必須ミネラルなどの栄養素の吸収も妨げられます。

 

腸内環境を整えるには、食物繊維の多い野菜や、納豆・キムチ・味噌・チーズなど発酵食品がとても効果的。

ひじき

腸内環境をよい状態にしておくことも、ヒ素などの有害物質をデトックスするには大切なポイントです。

 

ひじきのヒ素問題の今後

 

さいごに、厚生労働省ホームページによると

ひじき中のヒ素に関する国際的な基準はまだ設定されておらず、今後も、農林水産省など関係機関と連携しながら、国際的な状況も踏まえた上で、必要な対応をとっていく

としています。

一部では

そもそも日本人と欧米人の消化機能が異なるので、ひじきのヒ素は心配しなくてよい

という楽観的な意見もあれば、

慢性ヒ素中毒という潜伏期間が長い中毒もある。やはり楽観視はできない

という意見もあり、

ヒジキのヒ素問題については、まだ解明されていないことも多いのが現状です。

 

ひじきのヒ素を除く下ごしらえ方法!妊婦や赤ちゃんの離乳食はいつから?まとめ

 

ひじきは食物繊維やカルシウムや鉄などが豊富であるため、無機ヒ素を怖がるよりも、

正しい調理法を守って、食材の一つとして今後も活用するほうがよさそうです。

ひじき=ヒ素=食べてはいけないもの?

とすぐ関連付けて惑わされることのないように

消費者である私たちも、情報を得ながら安全に取り入れていきたいものです。

ひじきに限らず、全ての食材には適量があるので、野菜・魚・肉などバランスよく取り入れていきたいですね。

 

【参考文献ページまとめ】

農林水産省【ヒ素に関するQ&A】

厚生労働省【ヒジキ中のヒ素に関するQ&A】

東京都福祉保健局【ヒジキに含まれるヒ素について】

 

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