そんな疑問にお答えします。
生ひじきは、乾燥ひじきより「生」だけあって
- 美味しそう!
- 栄養も違う?
- 洗わずすぐに食べても大丈夫?
というイメージがあるので、
スーパーでお手頃価格になっていると、つい買ってみたくなりますよね。
乾燥ひじきとの違いは一体何なのか、正しい下処理方法について解説します。
スーパーで買った生ひじきは「ゆでこぼし」が正解!
と思いたいところですが…
生ひじきの下処理は、乾燥ひじきを戻すときと同じく、
「ゆでこぼし」
をして、一度加熱してさっと洗い流すのが一番おすすめです。
一般的にスーパーで出回っている「生ひじき」は、海から水揚げされたばかりの「鮮度100%の生」ではなく、
生ひじき=乾燥ひじきを水戻ししたもの
なので、加工の段階ですでに加熱処理されているため、厳密にいえば「生」ではないのですね。
スーパーなどで「生ひじき」や缶詰のひじきが売られていますが、これらは乾燥ひじきを水戻ししたものですので、改めて水戻しする必要はありませんが、調理する前に水でよく洗ってから使ってください。
参考:農林水産省作成の元画像はコチラからダウンロードできます
上図のように、一般的に乾燥ひじきを戻す場合、
- 「水で戻し」…ヒ素を5割減らせる
- 「ゆで戻し」…ヒ素を8割も減らせる
- 「ゆでこぼし」…ヒ素を9割も減らせる
の3通りのやり方があり、ヒ素をいちばん除去できる方法が「ゆでこぼし」です。
簡単!生ひじきの下処理
- 生ひじきを水でよく洗う
- お湯に水気を切った生ひじきを入れる
- 再沸騰したら5分間茹でる
- ザルにあげ、軽く水洗いしたら完了!
農林水産省の調査結果によると、
この方法で下ごしらえすれば、ヒ素は90%も取り除けるうえ、
ひじきにもともと含まれる
・鉄分
・カルシウム
・食物繊維
などの大事な栄養素は、70%以上残ることも分かっています。
少しの手間で、最大の安心安全を得られるので、ぜひ
“ひじきの下処理は、乾燥でも生でも、ゆでこぼすのが◎”
と覚えてくださいね。
ひじきのヒ素は怖いの?
2004年、イギリス食品規格庁(FSA)が
“ヒジキに発ガンリスクの指摘されている無機ヒ素が多く含有しているとの結果が得られたため、英国民はヒジキを食べないように”
と発表以降、
日本でもひじきのヒ素への風当たりが一気に不安視されるようになりました。
確かに、ひじきには、毒性が強いとされる無機ヒ素が、他の海藻類と比べて圧倒的に多く含まれています。
でも、
なんて思うのはちょっと待って!
無機ヒ素には水によく溶け出す性質なので、ひじきを調理前にしっかりした処理すれば、
毎日副菜として食べても、全く心配ない量まで減らすことができます。
▼イギリス勧告に対し、日本の厚労省の見解詳細についてはこちら
生ひじきとは?乾燥ひじきとの違い
先ほどお話しした通り、一般的にスーパーで出回っている「生ひじき」は、
「乾燥ひじきを水で戻したひじき」のこと。
じつは、海から水揚げされたばかりの「ホンモノの生のひじき」は、
えぐみやアクが強く、長時間加熱処理しないと食べることができないのです。
- 春~初夏に収穫
- 天日干し
- 水戻し、水洗い、塩抜き
- 4時間~8時間、茹でたり蒸したりする
- 乾燥させ、機械で異物を除去
1~5までの作業を経たひじきは、スーパーの乾物コーナーで見かける「乾燥ひじき」として販売されます。
「生ひじき」は、産地直送などで流通している特別なものでない限り、
この乾燥されたひじきを戻したものを「生ひじき」として販売しています。
生ひじきと乾燥ひじき、栄養の違いは?
乾燥ひじきと生ひじき、栄養素に違いはあるのでしょうか?
『日本ひじき協議会』によると、答えは、栄養はほとんど同じです。
現状市場に出回っている生ひじきは、乾燥したひじきを店舗などで水戻ししパックしただけのものですから、栄養価には変わりはないと思います。
多少、水溶性の成分が流失している可能性はありますが、ご家庭でも水戻ししてからお使い頂くことを考えれば、差はないと考えています。
生ひじきは、結局は乾燥ひじきを水で戻しているだけなので、食べるまでの過程は同じなため、
- 鉄分
- ミネラル
- 食物繊維
などの栄養に差は無い、ということですね。
「本物の生ひじき」とは?
海から水揚げされたばかりのひじきの旬は、毎年2月~5月ごろ。
収穫して天日干しや乾燥されることなく、
生のまま蒸すか茹でるかしただけのひじきが、ホンモノの「生ひじき」です。
通販などでもほとんど販売されず、一部の産地近くでのみ食べられる貴重な「生ひじき」は、
乾燥ひじきに比べて、ツヤがあってぷりぷりでとっても美味しいんだとか!
もし、あなたが海の近くにお住まいなら、「本物の生ひじき」に出会えるかもしれませんね。
ひじきの種類
一般的に、スーパーで出回っているひじきには、3つの種類に分けられます。
岩場に生育し、体長は40cm~1mほどまで成長するひじき。
一本のひじきの原藻から採れる割合は
- 芽ひじき:約80%
- 長ひじき:約20%
です。
芽ひじきは、食感が柔らかく、サラダや混ぜご飯、炊き込みご飯、サッと炒め物にしてもOK。
長ひじきは、芽ひじきと比べて太くて長めで歯ごたえがあるため、きんぴらなどの炒め物や煮物に最適です。
ひじきは油との相性も抜群なので、かき揚げなどの揚げ物など幅広い調理方法で楽しむことができますよ。
ひじきの種類によってもそれぞれ食感が違うので、料理に合わせて選んでみてくださいね。
下処理したひじきの保存方法!冷凍も可能
戻すのに手間がかかるひじきは、
- 下処理後の生ひじきを冷凍保存
- 煮物など味付けして冷凍や作り置き
が便利です。
ひじきは水分が少ないため、冷蔵庫で傷みにくく、冷凍しても解凍後のドリップが抑えられて、
さほど食感が変わることなく美味しいまま食べられますよ!
おかずカップで小分け保存が便利
おかずカップで小分けに冷凍すればお弁当にもぴったりですし、
お弁当に詰める場合は、凍ったまま入れて自然解凍でOK。
冷凍用保存袋でまとめて保存
家で食べる副菜の場合は、冷凍用保存袋を使って冷凍するのがおすすめ!
1食分ずつ小分けにしてラップで包んで冷凍用保存袋に。
または、平らに広げてまとめて直接冷凍用保存袋に入れて冷凍しておくと、食べたい分だけほぐして使えるので便利です。
冷凍したひじきは、冷蔵庫で自然解凍するか、煮物や汁物なら凍ったままお鍋に入れるだけで使えます。
冷凍保存の場合は、1か月間は保存可能、
ただ、段々と味は落ちていきますので、2週間をめどに早めに食べるようにしましょう。