天気予報を見ていると
- 平年
- 平年並み
- 例年
といった表現がよく使われますね。

と言われてなんとなく暑いのはわかるのですが、一体どんな基準で決められているのでしょうか。
実は
- 平年…過去30年間の定義に基づいて算出される
- 例年…キッチリした定義なし
という違いがあります。
さて、『平年』と『例年』の意味の明確な違いとは?
平年の意味
天気予報で使われる「平年」とは、気象庁が定義している「予報用語」のひとつで、
過去30年間の平均値のことを示しています。
ですから「平年と比べて気温が上昇している」と言った場合、
「30年間の平均と比べて今年の方が気温が上昇している」
と同じ意味になります。
(詳しい計算方法は後で詳しく)
例年の意味
「平年」とは定義と統計から出された平均値がありますが、「例年」の意味は逆に曖昧です。
なぜなら例年は「いつもの年」「毎年」といった一般的な意味なので、
正確さが必要なときには用いられないからです。
天気予報の報道でも
「梅雨入りは例年通りなら今頃」
「例年通り田植えの時期を迎えた」
「例年と同じ盛り上がりをみせた」
などの使い方をされるのではないでしょうか。
どちらかというと、普段の生活で使う言葉は「例年」で、
天気予報など気象情報を伝えるときには「平年」を使うというイメージ。
平年・平年並・例年の意味の違い
天気予報と言えば、表現のすべてを正式に定義づけているのは気象庁。
天気予報などで使う言葉は「予報用語」と言って意味もハッキリ定義づけられています。
さっそく気象庁のホームページから抜粋して、
- 平年並
- 平年
- 例年
は、どのように定義されているのか見てみましょう
平年並 | 気温・降水量・日照時間などの階級表現に用いる |
平年・平年値 | 平均的な気候状態を表すときの用語で、気象庁では30年間の平均値を用い、西暦年の1位の数字が1になる10年ごとに更新している |
例年 | いつもの年 例)「例年だとこの季節には… 」 ※気象庁が発表する報道発表資料や予報解説資料などに用いる |
【気象庁HP-天気予報等で用いる用語-より】
表の「階級表現」「平年」の説明の部分の意味が分かりにくいので、
次で詳しく解説します。
平年の算出方法
平年の算出方法について先ほどの気象庁の正式な説明の中で
「30年間の平均値を用い、西暦年の1位の数字が1になる10年ごとに更新」
とありましたね。
3つの階級とは
平均気温を例に「平年並」の範囲の決め方についてはこちら

引用:季節予報・3つの階級について(気象庁HP)
気温平均差を低い順に並べ替えます
↓
低い10年の範囲を「低い」、真ん中の10年を「平年並」、高い10年の範囲を「高い」とします
↓
図の例だと「平年並」の範囲は:-0.1℃~+0.3℃ということになります

平年並みは地域で温度範囲が異なる
先ほどの例に従って、実際に季節ごと・地域でどれだけ温度差があるのか確認してみます。

引用:季節予報・平均並みの範囲一覧表(気象庁HP)
図のように
- 北日本
- 東日本
- 西日本
- 沖縄・奄美
の4つの地域に分けられて、季節ごと(3ヶ月単位)によってもずいぶん温度の範囲がありますね。
平年並は10年ごとに基準を見直し
平年並はまた、10年ごとに値も見直されます。
とはつまり
・2001年~2010年の平年値は、1971~2000年の30年で計算
・2011年~2020年の平年値は、1981~2010年の30年で計算 ←今ここ!
・2021年~2030年の平年値は、1991~2020年の30年で計算
…と続いていくという意味です。
10年更新になった理由
なぜこのような10年ごとの見直しの算出方法になったかというと
・温暖化等の影響もあり、いつまでも同じ平年値では意味が無いため
・世界各国の統一の基準として参考になるよう、WMO(世界気象機関)で規定されている
とされています。
平年並の応用編!降水量や日照時間も
今まで気温に対しての[平年並]をみてきましたが、それ以外にも
- 降水量
- 日照時間
についても
- 「低い(少ない)」
- 「平年並」
- 「高い(多い)」
の3つの階級を使うことができます。
これを「天気予報」に対して「季節予報」と区別されます。
天気予報と季節予報の表現の違い
天気予報と季節予報の実際の図や使い方を比べてみると違いがよく分かります。
天気予報 | |
![]() |
|
表現例 | 「明日は晴れるでしょう」 「明日の最高気温は25℃です」 |
特徴 | 予測期間が短いため、より確実に具体的な温度(℃)で説明できる |
地域区分 | 都道府県をさらに区分して予報できる |
例 | 千葉県北東部、北西部、南部 |
引用:天気予報と季節予報の違い(気象庁HP)
季節予報 | |
![]() |
|
表現例 | 「今後1か月の気温が「平年並」となる確率は50%です」 |
特徴 | 予想期間が長いため、温度ではなく確率(%)で表現 |
地域区分 | 地方ごとにまとめてざっくり予報 |
例 | 北海道地方、東北地方、関東甲信地方など |
引用:天気予報と季節予報の違い(気象庁HP)
「平年並」は降水量・日照時間にも応用できる
下の表は、同じく3つの階級の算出方法で決められた降水量と日照時間の平年並の範囲です。
《降水量の平年並の範囲》
《日照時間の平年並の範囲》
引用:季節予報・平均並みの範囲一覧表(気象庁HP)
図のように
- 季節(3か月ごと)の平均気温
- 季節(3か月ごと)の降水量
- 季節(3か月ごと)の日照時間
の平年並の範囲が決められていて、季節予報として私たちに情報が届けられるのです。
例年並み・平年並みの意味の違いとは?まとめ
お天気ニュースで毎度聞かれる「平年並み」をいろいろ調べてみました!
- 平年…過去30年間の定義に基づいて算出される
- 例年…キッチリした定義なし
「平年並み」は気温だけでなく、降水量・日照時間に対しても使われる言葉。
2019年時点で「平年並み」というと正確には
[1981~2010年の30年間]のデータを元にして、平均的に暑いか暑くないかを判断していたということですね。
世界的に地球温暖化の影響があるといわれているので、
次回の[平年並みの見直し2021年]にはその基準も上がっていってしまうのでしょうか…。
特に熱中症には気を付けて暑い夏を乗り切りましょう!