鶏肉を「かしわ」と呼ぶのはなぜ?由来は部位でも方言でもなかった!

 

「かしわめし」や「かしわうどん」など、大阪では鶏肉のことを「かしわ」と言います。

ほかにも、香川県の方では、「とり天」のことを「かしわ天」と言う方がポピュラーだったり、

なぜ鶏肉を「かしわ肉」と呼ぶのでしょうか?

由来を調べてみると、実は本来「かしわ」の意味は、

「方言」でも「鶏肉」でもないという衝撃の事実が明らかに!

 

鶏肉「かしわ」の意味は関西弁?方言?焼き鳥の部位?

 

関西では、鶏肉=「かしわ」と呼ばれていて、とくにご年配の方はよく口にされるイメージ。

 

ちなみに、関西人の私は

鶏肉のささみの部位=かしわ?

と勝手に今まで思いこんでました。(笑)

 

そういえば、香川県名物の「かしわ天」は全国的にも有名ですし、

昔からある方言の一つと思っている人も多いのではないでしょうか。

 

 

でも、実際のところ

「かしわ」という言葉は、ズバリ「鶏肉」の別名。

 

関西弁でもなく、

どこかの方言でもなく、

焼き鳥の部位でもなく、

本来は日本原産のニワトリを指すコトバとして、

昭和40年ごろまで全国的に広く使われていたコトバだったのです!

 

「かしわ」は部位でも方言でもなくニワトリの名前だった!

 

「かしわ」は、鶏肉の部位でもなく方言でもなく、もともと

本来は全国的に使われていたニワトリの呼称

です。

 

もともと「黄鶏(かしわ)」とは、羽根の色が茶色い鶏のことで、日本原産の鶏の種類の名前でした。

 

ちなみに、現在も地鶏として知られる名古屋コーチンは羽根の色が茶色いですね。

 

主に「ブロイラー」が主流になる前に、日本在来種のニワトリ(鶏)を全国的に「かしわ」と呼んでいたそうです。

 

ブロイラーの歴史

 

ブロイラー(英語: broiler)は、肉鶏の一品種で、食肉専用・大量飼育用の雑種鶏の総称。

 

日本では、昭和40年にはアメリカからブロイラー用のヒナ鶏が輸入され、

現在はすっかり日本の養鶏産業を支えています。

 

「かしわ」とは?現在の意味

 

ちなみに、現在、鶏肉一般を「かしわ」と呼ぶのは、先ほどお話しした

「黄鶏(かしわ)」

から転じたもので、関西だけでなく、西日本(中部地方の一部、関西地方、九州地方)で広く使われている言葉です。

 

讃岐うどんチェーン店の丸亀製麺では、「かしわ天」という鶏の天ぷらのメニューが、昔から人気です。

 

ちなみに、岡山弁で「かしわ」とは、老鶏のお肉、排卵を終えた親鶏の肉などを意味するんだとか。

 

鶏肉「かしわ」の由来・語源

 

もともと全国的に「黄鶏(かしわ)」と呼ばれていた日本原産のニワトリ。

 

なぜ「かしわ」という名前になったんでしょう。

 

いくつか説があるようです。

 

説1)茶褐色の「柏」の色から

 

この説が一番有力。

個人的には柏(かしわ)というと、柏餅(かしわもち)で使われる緑色の葉っぱですが、

柏の葉っぱは紅葉すると茶褐色になります。

 

落葉して茶褐色になった「かしわ(柏)」の葉の色によく似ていたことが、

「かしわ」の語源という説。

 

説2)柏手(かしわで)を打つ姿と鶏の羽ばたく姿が似ているから

 

柏手(かしわで)ってなんじゃ?

と思ったのですが、あなたも私も神社に行ったら絶対にやること。

 

神社でお参りをするときに、両手の手のひらをパンっと音を立てるやつですね。

 

単に拍手(はくしゆ)あるいは開手(ひらで)とも言うそうですが、親善作法はややこし~。

 

見た目が確かに、ニワトリが羽ばたいているように見える…かな?

 

説3)宮中の料理人を「膳(かしわで)」と呼んだから

 

昔は鶏肉はとても高価なもので、天皇家の食卓にしか並ばなかったのでしょうか?

 

古代の宮中の料理人のことを

 

【膳】または【膳夫】

(かしわで)

 

と呼んだそうですよ。

 

鶏肉「かしわ」だけじゃない!お肉の隠語とは

 

鶏肉を「かしわ」という由来は説が色々ありましたが、「柏の葉っぱの色から」というのが一番有力です。

ちなみに、お肉の別称って「かしわ」だけじゃなくて、いろいろありますよね。

・鶏肉=かしわ
・馬肉=さくら
・鹿肉=もみじ
・猪肉=ぼたん

など。

この4つの名前の共通点、よく見ると全て“花の名前”が付けられていますね!

 

なぜ肉に花の名前だったんでしょう。

 

肉の別称は江戸時代前期

 

肉に別称が付けられたのは、今から約330年も前の江戸時代前期。

 

江戸幕府第5代将軍・徳川綱吉が1687年に発令した『生類憐みの令』によって、

生き物を食べちゃダメ!となってさぁ大変というとき。

 

庶民や流通業者が、なんとか政府にバレないように流通さようとしたことから生まれた、いわば“お肉の隠語“

 

まさに「肉」だけに苦肉の策…w

 

隠語としてお肉に付けられた名前が

”似ている色の植物の名前をつける”ということ。

  • イノシシ肉「赤」⇒ボタン
  • 馬肉「ピンク」⇒サクラ
  • 鹿肉「赤」⇒モミジ

そして、

  • 鶏肉(羽の色の茶色)⇒かしわの紅葉色

となったそうです。

 

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「天下の悪法」と酷評されて庶民生活に大きな影響を与え、約20間も続いた『生類憐みの令』。

 

その間に「肉の隠語」は庶民に深く浸透し、禁令が廃止されたあとも広く使われ、

現代まで受け継がれてきたというワケ!

 

鶏肉を「かしわ」と呼ぶのはなぜ?由来は部位でも方言でもない!まとめ

 

「かしわ」は関西弁でもなく、本来は日本原産のニワトリを指すコトバとして、

昭和40年ごろまで広く使われていました。

「かしわ」の由来(語源)は、イノシシや馬の肉を別の呼び方で「ぼたん」や「さくら」という様に、

江戸時代にお肉の隠語として植物の名前を付けられていたというのが有力です。

これで心置きなく「かしわ」を使えますね!

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