紅葉(黄葉)や銀杏(イチョウ)が赤くなる理由!色が変わる仕組みや原理・メカニズムも!

紅葉

 

毎年9月に入ると一気に秋へむけて季節が動き出します。

秋の行楽といえばといえば紅葉もみじ狩りですよね。

秋の景色を堪能するドライブ中、景色が広がる電車での移動中、散策を楽しんでいる時などなど、

・葉っぱが黄赤へと色づくメカニズム
・紅葉が美しい条件とは?

など、会話が楽しく弾む“紅葉トリビア”をご紹介!

「紅葉」と「黄葉」の意味の違いとは?

《紅葉の意味》

紅葉(こうよう)とは、秋になって葉が紅色に変わること。

また、その葉。葉緑素がなくなり、アントシアンなどの色素が蓄積して起こる

黄葉を含めていうこともある

goo国語辞書より

「紅葉」と「黄葉」、どちらの《こうよう》も、

落葉樹の葉の色が変わる自然現象のことで、意味は同じです。

特定の植物に限らず、秋の季節に色が変わる多くの植物に対して全般的に使われる言葉です。

 

葉の色の変化で使い分けることも

 

「紅葉」と「黄葉」は、基本的には区別せず使われるものの、

黄色や褐色に変化することを、色別で表現することもあります。

  • 紅葉(こうよう)→紅い葉に変化
  • 黄葉(こうよう・おうよう)→黄色の葉に変化
  • 褐葉(かつよう)→褐色葉に変化

 

紅葉(黄葉)や銀杏の葉が黄赤に色づく仕組み

 

落葉樹は葉っぱが落ちる前に、

モミジ→赤色に変化
イチョウ(銀杏)→黄色に変化

など、植物によって何色に変わるかということはおおよそ決まっていますね。

紅葉

引用:weathernews.jp

 

葉の変化は色素によるもの

 

葉は、緑→黄色→赤色と変化していきますが、これは

  • 緑の「クロロフィル」
  • 黄の「カロテノイド」
  • 赤の「アントシアニン」

などの天然色素の変化によるものです。

次で詳しくお話ししましょう

 

植物の色の素!光合成色素とは

 

《光合成色素》とは植物が光を吸収することによって起こる化学反応のことで、

天然の色素のことです。

 

野菜や果物で考えてみると…

紅葉

野菜や果物に赤、黄、緑、紫、白などがあるのは、光合成色素がそれぞれ違うから。

 

色が変わる野菜と言えば、緑・黄色・赤のピーマンなどが浮かびますが、

これも同じ原理で野菜の色素が変化するからです。

 

緑の色素は「クロロフィル」

 

光合成色素の代表格といえば、葉を緑色にしている色素クロロフィル(葉緑素)。

 

ほうれん草・ブロッコリーの緑もクロロフィルの葉緑素の色です。

 

クロロフィルは、学生時代に生物の授業で習った記憶もあると思いますが、植物の光合成に必要な「葉緑素」。

 

太陽光を吸収し、

二酸化炭素+水 → 酸素+炭水化物

に換えるためのエネルギーを供給しています。

 

クロロフィルは成人病予防や美容に良いと人気なので、

健康サプリに興味がある方は、馴染みのある成分ではないでしょうか。

 

 

黄の色素は「カロテノイド」

 

クロロフィルに次ぐ光合成色素といえばカロテノイド。

 

赤・橙・黄色が主な天然色素の総称で、600種類以上あると言われています。

 

トマトのリコピン・ニンジンのカロテンなどは有名ですね。

カロテノイド

赤の色素は「アントシアニン」

 

アントシアニンは、主に赤・青・紫の色の素になる天然色素。

 

特にブルーベリーの紫の色素の“目に良いサプリ“として有名ですね。

 

熟したリンゴやブドウの皮・ナスの色の素となるものです。

 

赤色になる葉のメカニズム

 

モミジなど赤くなる葉は、

葉っぱと枝の間の栄養が行ったり来たりしないよう、葉っぱの付け根が遮断するため

【離層(りそう)】

と呼ばれるコルクのような組織が形成されます。

紅葉

引用:weathernews.jp

 

【離層(りそう)】によって、光合成で作られた糖分が枝などに届かず、

葉っぱに溜まることでアントシアンの赤い色素が増え、葉っぱが赤く色づくメカニズムです。

もみじ

 

黄色になる葉のメカニズム

 

銀杏(イチョウ)など黄色くなる葉は、もともとカロテノイド(カロチノイド)とクロロフィルが含まれています。

紅葉

引用:weathernews.jp

気温が下がると、緑色のクロロフィル色素が分解されて少なくなり、

分解が遅いカロテノイド色素が残り色が目立つため、結果黄色くみえるようになるのです。

紅葉

 

葉が色づく条件

 

葉は一般的に、以下の条件になると色づき始めるといわれます。

・「気温が低くなる」…紅葉は、一般的に朝の最低気温が8℃前後より低くなる日があってから、しばらくして色づき出します

・「日が短くなる」…昼間の時間が短くなることで色づき始めます

-weathernews.jpより-

 

落葉樹の特徴・葉が落ちる理由

 

樹木には主に常緑樹と落葉樹の二種類あり、紅葉するのは落葉樹のほうですね。

「常緑樹」じょうりょくじゅ
年中、幹や枝に緑の葉を見ることができる植物

「落葉樹」らくようじゅ
秋になると葉が落ち、春になると新しい葉を生ずる植物

紅葉

 

落葉樹が紅葉する理由1)木が冬眠するため

 

落葉樹の葉が落ちる理由は、冬になって太陽光が減ることで

光合成で生まれる栄養分 葉で消費される栄養分

にならないようにするためです。

余分な栄養分が葉に行き渡らないようにするための、自然サイクルの一つです。

 

落葉樹が紅葉する理由2)木の乾燥を防ぐため

 

冬で空気が乾燥してくると、葉で呼吸をするたびに樹木の水分が奪われてしまいます。

葉っぱを落とすことで、樹木のダメージが大きくなるのを防ぐためとも言われています。

 

常緑樹の特徴・針葉樹が多い理由

 

落葉樹とは反対に、松や杉など一年中葉をつけたままの常緑樹は、どのように自分の体を守っているのでしょうか。

紅葉

引用:庭木図鑑

多くの常緑樹は背が高く、少しでも多く太陽光が取り入れられるようになっています。

 

また葉っぱの形も、葉が針のように細長いマツやスギなどの針葉樹が多いのは、

水分の放出を抑えているからと言われています。

 

紅葉(黄葉)や銀杏(イチョウ)が赤くなる理由!原理・メカニズムまとめ

 

紅葉するためには、色素が光合成によって活発に作られなければいけません。

気温が8度以下で太陽がたくさん当たって光合成を活発にできる環境が、美しい紅葉が作られる最大の条件です。

つまり、キレイな空気と適度な水分、一日の寒暖差が大きく、

太陽がよく当たる斜面に生えた樹木ほど美しく鮮やかに紅葉するということ。

平地よりも、山の上に紅葉の名所が多いのは納得できますね。

自然現象の変化や仕組みを考えながら、きれいな紅葉を眺めてみるのも、

また趣きがあって楽しいですね♪

 

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