「寝ている間に扇風機の風にあたり続けると死んじゃうよ!」
なんて聞いたことがありませんか?
イヤイヤそんなバカな…!と思ったのですが、
『扇風機の都市伝説』
として、実際に100年以上も前から言われ続けているというのですから、ビックリ!
暑さ対策や熱中症予防に欠かせない扇風機。
確かに、寝る時に体の冷やし過ぎは良くないので、
低体温症や扇風機の風速には注意しなければいけませんよね。
あくまで一意見として参考にしてもらいえたらと思います。
扇風機の風で突然死はありえる?
![扇風機](https://biquet.info/wp-content/uploads/2020/06/SnapCrab_NoName_2020-6-6_22-16-33_No-00-min-300x260.jpg)
結論から言うと・・・
扇風機をかけっぱなしで寝て死ぬということは「ほぼ」あり得ません。
「100%ない」と言い切れない理由は
・扇風機の当たりすぎで体調が悪くなる可能性はある
・過労・泥酔状態、老齢・病弱、心臓病などの疾患の身体的な要素が悪化
・服用している薬によっては、冷えで死につながる可能性も
と押さえておくべき条件はあるからです。
もちろん、“体も心も健康な状態の普通の人“が、誤って扇風機の風をあたり続けたまま寝たとしても、死亡リスクは極めて低いですが、
どんな状況でリスクが高くなってしまうのか、そして都市伝説の起源なども紹介しましょう。
扇風機で死ぬ都市伝説があるって…マジ?
『扇風機をつけっ放しで寝ると死ぬ』
と、にわかに信じがたい都市伝説。
一部の人だけが言っているだけ?と思いきや、実際に、ネットでも紹介されています。
「扇風機の都市伝説」とは、密閉された空間で扇風機をつけたまま眠ると窒息や低体温症などで死亡するという都市伝説である。
wikipedia
「扇風機の都市伝説」の始まりは韓国?
「扇風機の都市伝説」の正確な由来は不明なものの、いちばん古い情報によると、
1920年代、朝鮮半島で電気扇風機がに普及するのと同時に、
吐き気、窒息、顔面麻痺などを引き起こすのではないかとの、風評被害が広まったことがきっかけでした。
一部では、1970年代のオイルショック中に行われた、節電を促す韓国政府の陰謀論という見方もあります。
韓国では今でも、
“締め切った部屋や就寝中に扇風機をつけっ放しにしておくと窒息死する“
と信じられているそうですが、もちろん医学・科学的根拠は無いそうです。
「扇風機の都市伝説」に決定的根拠は無し
扇風機は、あくまで室内の風を循環させるだけで、室温と湿度を下げる機能はありません。
ただ、熱帯夜などに扇風機に当たったまま寝てしまうと、身体が冷やされることで体調が崩れたり、
局所に長時間風圧のストレスを受けて気分が悪くなる事は、誰でも考えられます。
「扇風機の都市伝説」はこれらの現象を極度に強調し、
死亡と無理やり因果関係を結び付けたものと考えられています。
扇風機を寝る時付けっ放しで死ぬ可能とは
令和時代になった日本でも、
1)扇風機で低体温症による死亡説
2)脱水症状を引き起こして死亡説
が、いまだに話題にのぼることがあります。
1)低体温症で凍死説
![扇風機](https://biquet.info/wp-content/uploads/2020/06/SnapCrab_NoName_2020-6-6_22-16-51_No-00-min-177x300.jpg)
「低体温症」とは「低体温」とは全く別で、山岳事故の死亡原因でよく聞かれる言葉。
「低体温症」になると、寒さと風で体熱が奪われた結果、体温が異常に低下して最悪は死を引き起こします。
“低体温症?登山なんかそもそもしない自分には関係ないよ“
と思いきや、じつは身近な症状の一つ。
・睡眠薬や鎮静薬の多飲
・酒の多飲(急性アルコール中毒)
・飢餓・路上生活
・特殊な病気(脳血管障害など頭の病気・皮膚の病気・低血糖・中枢神経障害など)
このように、たとえ外気温が寒くなくても低体温症は起こる場合があります。
“持病が無い健康な人が、夏場に長時間扇風機の風を浴び続けても命に係わるほど体温が下がることはあり得ない“
という意見もありますが、一方で逆の意見も。
多量の汗が蒸発する気化熱と扇風機の風で体温が奪われ、凍死寸前の体温に近い状態となり、
最悪の場合は亡くなる可能性もゼロではない、という意見です。
![扇風機](https://biquet.info/wp-content/uploads/2020/06/SnapCrab_NoName_2020-6-6_22-17-11_No-00-min.jpg)
とはいえ、そもそも低体温症になるくらいの寒さを感じたら、普通は目が覚めて眠るどころではなくなります。
あくまで先ほどお伝えしたように、急性アルコール中毒で泥酔したまま目が覚めずに体温低下を起こす場合など、
扇風機以外の悪条件が重なった場合に起こりやすい、ということです。
2)脱水状態になる説
![扇風機](https://biquet.info/wp-content/uploads/2020/06/SnapCrab_NoName_2020-6-6_22-17-19_No-00-min.jpg)
夏の暑い時期、お風呂上りにぷはー!とビールを一気飲み。
私も止められない習慣の一つではありますが、アルコールには
・利尿作用があり脱水症状を誘発
・飲酒脈拍数が増加し不整脈を誘発
・体の水分が不足し、血液がドロドロになって脳梗塞や心筋梗塞を誘発
などの健康被害リスクがあります。
ですから、
「夏の風呂上りに、お酒を飲んで扇風機にあたりながら突然死」というのは、
実際には扇風機のせいというより、他の原因の方が高いと言えます。
扇風機の都市伝説が消えない理由
実際に日本でも、また1970年代から1980年代には「扇風機による死亡」がかなり活発に新聞報道されたこともあったそうです。
脳出血で1971年に38歳で死去した元プロ野球選手の吉沢岳男は、扇風機の電源の切り忘れによる突然死との噂もあるが、因果関係は証明されていない
引用:wikipedia
70~80年代を中心に、実際の死亡例が新聞などで報じられている。
例えば’72年の毎日新聞では、風呂上がりに扇風機をつけっ放しで寝た男性が、心臓麻痺で死亡したという記事があります。
その後も断続的に似たような死亡事故が報じられており、’87年の同紙では、『都内では’86年にクーラー・扇風機が人を殺す例が5件あった』との報道も。
2011年8月15日日刊SPA
扇風機によって「凍死寸前の体温(33度)」に近い34〜35度になり、最悪の場合、亡くなることも考えられる。
番組の「室温28度、1mの距離で『強風』をあび続ける」という実験でも、表面温度は30度まで下がったそうだ。
ただ、凍死というよりは、寒さで血管が収縮することで、心筋梗塞、脳梗塞を誘発して死亡といったものであるようだ。
2011年7月15日Jキャストウォッチ
普通の状況で「1mの距離で強風に当たり続ける」ことは考えにくく、
実際の死亡事故の報道があったのも随分昔のことのようですが…
ネットニュースでわざわざ報道されていることもあり「100%迷信の話」とは言い切れないようです。
扇風機に絶対安全はあり得ない
扇風機に限らず、どんな商品・製品においても
「絶対安全」
「ケガもしません」
「体に影響は一切ありません」
というのはそもそも有り得ない話。
東洋医学的な用語で「寝冷え」という言葉があります。
これは西洋医学的に正式な病名ではありませんが、
「寝ている状態は体の消化器系の活動量も落るので、体全体が冷えやすい状態になっている」
という考え方です。
ですから、夜寝るときに扇風機をつけっぱなしにして体全体を冷やし続けるのは、胃腸にも負担が大きく、
多少具合が悪くなる・風邪ひく・おなかを壊す
という症状に繋がりやすいとされています。
扇風機は風量・風速を調整&風の流れを工夫しよう
扇風機の役割は、体を冷やすためというよりも、空気の流れをつくるということが言えます。
特に密閉された空間は空気の流れが存在しません。
そこに、外出先から帰ったばかりのほてった体でいては、自分の体温で部屋の温度を上げてしまいます。
とくに、心身が健康・健常でない人や、赤ちゃん・自分で扇風機の操作ができない人は周りが気を配る必要があります。
![扇風機](https://biquet.info/wp-content/uploads/2020/06/SnapCrab_NoName_2020-6-6_22-23-7_No-00-min.jpg)
などを基本にして、うまく快適な環境を作りましょう。
扇風機はエアコン併用で節電・快適に
![扇風機](https://biquet.info/wp-content/uploads/2020/06/SnapCrab_NoName_2020-6-6_22-23-31_No-00-min.jpg)
扇風機は、エアコンから出てくる冷気を、より早く広い範囲に拡散させるのに役に立ちます。
エアコンと扇風機を併用すれば、
・温度設定を数℃上げることができるので、節電効果も期待
・扇風機を直接肌にあてるより、より自然に近い状態で快適に体温をさげることができる
などのメリットがあります。
扇風機が息苦しくて死ぬ都市伝説って?寝る時は低体温症・風速に要注意!まとめ
扇風機をつけっぱなしで寝ることが、直接「死」に繋がる可能性は極めて低いものの、少なからず体に変化をもたらすのは事実。
特に寝ている時は自分の胃腸も休んでいる時間なので、不自然な冷たい風をあてることは胃腸の負担にもなりやすくなります。
エアコンと上手に併用して、快適に安全に正しく使うようにしましょう。
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