頭がカマキリで、体がハチ…!?
合成写真とおもいきや、実際に日本に生息している昆虫のひとつ。
カマキリとハチ両方の、見た目の特徴を合わせ持つ昆虫の名は
「カマキリモドキ」!
カマキリモドキはハチのような体つきと色、カマキリのように頭が三角でカマも持っているのですが…
あなたは一体何の仲間なの?
- カマキリモドキは何種類?
- 日本での生息地
- 〇〇モドキは沢山いる!
「カマキリモドキを飼育したい!」という昆虫コレクターさんも必見です!
カマキリモドキの日本での生息地と種類
カマキリモドキは、生物学上カゲロウでもカマキリでもハチの仲間でもなく、
アミメカゲロウ目カマキリモドキ科
という、馴染みの少ない複雑な種に分類されます。
こいつ蜂だと思ったらカマキリなんだぜ……と思ったらカマキリですらない。カマキリモドキって生物。もう訳わかんない。 pic.twitter.com/KlTvOgAlGn
— それいけアッキー!フォロバ祭り (@Akikun1124) January 17, 2020
初めての蒲郡線。
車内でカマキリモドキを見つけてテンション爆上がりw pic.twitter.com/mnwgJC8V8o— 特急しらさぎ1008号 (@Shirasagi_1008) July 19, 2020
カマキリモドキは、上半身はカマキリ、下半身はクサカゲロウやスズメバチに似た外観を持っているのが特徴的。
見た目は珍しいカマキリモドキですが、じつは日本全国に分布していて、生息は広範囲にわたっています。
街中でもよく飛び回っていて、黄褐色のものが多く、スズメバチに擬態しているのではないかと考えられています。
▼日本に分布するカマキリモドキの主な種類の名前がコチラ▼
名前 | 分布場所 |
キカマキリモドキ | 本州,四国,九州 |
ヒメカマキリモドキ | 北海道,本州,四国,九州 |
オオカマキリモドキ | 四国,九州 |
ツマグロカマキリモドキ | 本州,四国,九州 |
ウスグロカマキリモドキ | 本州 |
ツシマカマキリモドキ | 対馬 |
カマキリモドキの生態と分布
カマキリモドキ (蟷螂擬(螳螂擬)、Mantispidae) はアミメカゲロウ目カマキリモドキ科に属する昆虫。
世界中ではコスタリカなど熱帯や温帯地域に分布&生息していて、
これまでに400種ほど発見されており、日本にも8種が確認されています。
カマキリモドキは主に夏(6月~9月)、街頭など明るい場所によく現れますが、
成虫の寿命はとても短く、10日ほどと言われています。
ちなみに、カマキリモドキは英名では
Mantisflies=カマキリバエ
と言って、飛ぶ様子はハエのようにすばしっこく、大きさは2㎝ほど。
食べ物や身体の色
カマキリモドキは、バッタやハエなどの昆虫を食べたり、花の蜜も飲みます。
見た面の模様がスズメバチにも似ていますが、体の色は
など種類によってもさまざま。
人を刺したり毒があるわけではないですが、ハチのように毒針を刺すような仕草もするとのこと。
見た目も生態も不思議ですね♪
▼可愛らしくお辞儀をのようなしぐさをしたり、ハエを食べるカマキリモドキ
カマキリモドキ幼虫の生態
カマキリモドキはクモの天敵と言われています。
なぜなら幼虫の多くは、クモの巣やクモの卵に寄生し、その汁を吸って成長するからです。
カマキリモドキは、クモの卵の中にそのまま繭をつくって、蛹(さなぎ)になります。
カマキリモドキは飼育できる?エサは販売は?
カマキリモドキは夏〜秋にかけて、街灯の周りや葉上など、
ほぼ日本中に生息しているため採取できるとされていますが、そう簡単には見つかるものではない貴重な昆虫です。
小型で昼間見つけるのは大変なので、本格的な機材を使って「灯火採取」を行う必要があります。
実際に、日本でカマキリモドキを飼育している前例や情報は非常に少ないため、
参考になる手順というものも、残念ながら今のところは見つけられませんでした。
カマキリモドキは毒があるって本当?
「カマキリモドキ」に毒は無く人を刺す虫でもありませんが、非常によく似た名前の虫に
「カミキリモドキ」というものがあります。
カミキリモドキは、
「ランプ虫・電気虫・火傷虫」
とも言われ日本全国にいる有毒害虫で、
初夏に多くみられ、体長は同じくおよそ2㎝程度の、カマキリモドキとは全く別の種類の虫です。
刺されると2~6時間で痛みと水ぶくれ(水疱)が出来て、かさぶたになり強い痒みが生じます。
いわゆる、蚊やブユ・ハチなど「虫刺されで気をつけたい虫」の一つですので、気をつけましょう。
〇〇モドキの昆虫たち
カマキリモドキだけではなく、「〇〇モドキ」と名前が付けられている昆虫は数多くあります。
「サソリモドキ」や「ナナフシモドキ」などに代表される昆虫たちは、
名前のとおり、ある種の昆虫の姿をしていても、
「あくまで見た目の姿がにている」
というだけで、実際にはそれらとは違った生態をもっています。
サソリモドキの「世界三大奇虫」の姿はこちら↓
いいとこどりな進化現象
カマキリモドキの、カマキリとハチ両方の、見た目の特徴を合わせ持つような現象は
収斂進化(しゅうれんしんか)ともいわれます。
収斂進化は、自分達が生き延びていくために、他の生態から必要な部分だけをいわゆる「いいとこどり」して進化する現象のことです。
カマキリモドキは、カマキリと同じように小さな昆虫を食べるため、カマキリのようなカマに似た腕を持つことは、獲物を捕らえる際に好都合です。
そして、ハチのような体色をしている理由は、天敵に襲われないためだと考えられています。
カマキリモドキも収斂進化によって上半身だけがカマキリに、下半身はハチに進化していったと考えられています。
カマキリモドキの日本の生息地と種類!幼虫は飼育販売は?まとめ
自然の生態の進化というのは、本当に奥深いものがありますね。
まだまだ沢山面白い「〇〇モドキ」の種類がありそうです。
人間も、他人の良いところはどんどん真似して「〇〇モドキ」しながら、
日々進化していかなくては…とカマキリモドキに教えてもらった筆者でした!
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