「お味噌汁は毎日食べるし、いずれは消費するものだから」
とついつい大量買いしてしまう味噌。
でも、けっきょく使い切るのに時間がかかって、気が付いたら未開封のまま賞味期限切れ!
なんて方も多いのではないでしょうか。
田楽味噌や液体みそなど、色んなタイプのお味噌がありますが、
未開封でも開封後でも、常に《発酵》がすすんでいる味噌は、時間とともに色や風味が変化します。
味噌の香りや美味しさを最後まで楽しむための、おいしく保存する方法について紹介します!
味噌が賞味期限切れ…未開封・開封後はいつまで食べていいの?
味噌はもともと、冷蔵庫もない時代から保存食として食べられてきた発酵食品。
結論からいうと、賞味期限が切れた味噌でも食べられます。
お味噌ならハナマルキ♪のハナマルキ株式会社さんの【味噌の賞味期限】についての説明によると…
【味噌の賞味期限とは?】
賞味期限は製品本来の美味しさを味わっていただける期間という意味で設定しており、みそ中に含まれる塩分等により、期限を過ぎても腐敗の恐れはございません。
【賞味期限が切れたみそは食べても大丈夫ですか?】
みそは発酵食品ですので、賞味期限が過ぎてもご使用できなくなるわけではございませんが、風味に変化が生じてしまいますので、期限内にご使用頂きますことをお願いいたしております。
【賞味期限について】
賞味期限は製品本来の美味しさを味わっていただける期間という意味で設定しており、期限を過ぎても腐敗や変敗の恐れはございません。
味噌は賞味期限内であっても、未開封であっても、開封後も、ずーっと発酵し続けています。
結論、味噌は、基本的には賞味期限が切れても腐ることはありませんが、
時間が経つにつれて風味は落ちてしまうので、もちろん賞味期限内に食べるのがベスト。
開封後、賞味期限内のうちに、
常温保存なら3ヶ月、冷蔵保存で1年くらいで食べ切るのが目安とされています。
味噌はなぜ腐らない?
味噌の原材料(一般的な米味噌)は、
大豆・米・食塩
の3つだけ!
ですので、多くの無添加の味噌の商品説明欄には、
保存方法:直射日光を避け、涼しいところで保存してください。
と説明されている通り、
冷蔵庫に入れなくても、冷暗所であれば常温保存が可能です。
味噌が腐らない理由は、大量の食塩が、腐敗原因となる水分と菌類の繁殖を抑えてくれるから。
そのため雑菌の汚染を受けにくく、保存性に優れているのですね。
賞味期限切れでも注意したい味噌は?(液体・出汁入りなど)
味噌が賞味期限が過ぎても日持ちする理由は、さきほどお話ししたとおり、
- 大量の塩が殺菌効果を高めている
- 腐敗原因である水分が少ない
という理由があるから。
しかし最近は、手軽さや健康ブームもあり、
『減塩みそ』
『だし入りみそ』
『○○風味のみそ』
『液体タイプのみそ』
など、色んなタイプの味噌も見かけるようになりましたが、
これらの味噌は、保存方法を守って、賞味期限内に食べ切ることをお勧めします。
減塩・低塩みその場合
(画像は 58%減塩 タケヤ 減塩味噌 )
減塩・低塩みその場合、塩が減量されています。
そのため、
保存方法: 開栓後要冷蔵(1度~10度)開栓後はなるべく早くご使用ください。
となっている商品が多いですね。
塩分が少ない分、より健康的ではありますが、
腐りやすいため、常温保存には不向きです。
液体みその場合
液体みそは、手軽さがウケて手に取る人も多いと思いますが、
固形タイプより水分が多く含まれています。
よってカビが生えやすく腐りやすい原因となるため、
保存方法を守って賞味期限内に食べ切りましょう。
田楽味噌・風味(万能)みそ・だし入りみその場合
田楽味噌や、だし入りや風味のついた味噌の場合は、
みりん、かつお節、昆布、アミノ酸などが加えられて味を調節しています。
(画像《万能みそだれ つけてみそかけてみそ 》)
【原料名】
ぶどう糖果糖液糖、豆みそ[大豆、食塩]、発酵調味料、砂糖、いりごま、かつお節粉末、かつおエキス、調味料(アミノ酸等)他
【賞味期限】
パッケージに記載:製造日より240日
【保存方法】
直射日光を避け常温で保存してください
色んな調味料が入っている分、カビや雑菌が繁殖しやすく腐りやすい状態になっているので、
開封後はもちろん、賞味期限内であっても、なるべく早く使いきるようにしましょう。
手作り味噌の賞味期限は1年~3年以上の人も!
味噌、甘酒、キムチなど、自宅で発酵食品を手作りする方も最近は増えていますね。
私の友人で自家製の味噌を作っている人は、3年以上も前の自家製味噌を使っている人も!
“手作り味噌は賞味期限が明確にない“というのが結論なので、
保存状態がければカビも生えず、何年でも日持ちするそうですが、
全国味噌工業協同組合連合会によると、常温保存で
- 米味噌の甘味噌は「3ヵ月~6ヵ月」
- 辛口味噌や麦味噌は「3ヵ月~12ヶ月」
と推奨の目安はあるそうです。
味噌の色や状態の変化
賞味期限が切れても食べていいとはいうものの、
見た目の色の変化があるとさすがに不安になりますが、その点はどうなのでしょう?
お味噌は、たとえ賞味期限内であっても、見た目や風味はどんどん変化していきます。
そこで、味噌に起こりやすい注意点など見ていきます。
味噌の色が濃くなった
味噌は、開封後や賞味期限が切れると、どんどん色が濃くなっていきます。
これは
『褐変(かっぺん)』
という自然な化学反応。
引用:http://marukawamiso.com
食べても、健康に害はないので心配いりません。
ただし、時間が経つほど、また温度が高いほど、褐変が起こりやすく風味が変わっていくので、とくに夏場の賞味期限切れの味噌は、冷蔵庫に入れた方がよいでしょう。
みその色が濃くなったのは、みそ中の成分である糖とアミノ酸などが反応して起こる褐変(メイラード反応)によるものです。
…一般に温度が高いほど、また同温度であれば、保存期間が長いほど、色が濃く(赤く)なっていきます。
ハナマルキ㈱ -よくあるご質問-
表面に液体が浮いてきた!
味噌の上面やくぼみ部分に茶色い醤油のような液体が浮いてくることもあります。
これは通称
【たまり】
といって、味噌の熟成によりできたエキスですのでもちろん食べても無害です。
熟成中の味噌の上面に発生する食塩、糖、ペプチド、アミノ酸などを含んだ醤油様の香味をもつ液汁のこと。
低温下に長く保存したり、味噌を掘り下げてできた窪みにはしばしば発生する。
味噌に白カビ?
開封後に賞味期限切れの味噌を使おうとしたとき、
表面に白いカビのようなものが発生していることがあります。
1)産膜酵母(さんまくこうぼ)
みそ表面にできる白いカビのようなものはほとんどが
「産膜酵母(さんまくこうぼ)」
という酵母菌の一種。
塩気と空気を好む菌で、発酵中や熟成中のもろみの表面に白い膜を生成します。
味噌のほか、ぬか床、醤油などにも登場する微生物です。
人間の体に害を与えるものではありませんが、風味を劣化させ色が濃くなる原因になるので、発生したらその部分は取り除きます。
2)タンパク質が分解した白い結晶
産膜酵母とは別に、味噌の内部や表面に、大豆のたんぱく質が分解してできた
アミノ酸の一種「チロシン」の結晶
ができることもあります。
引用:http://marukawamiso.com
チロシンは、タンパク質を構成する全20種類のアミノ酸の一つで、
タケノコの水煮に白色の物質としてもよく見られるものです。
長期熟成した味噌によく発生し、味噌を加温して作る熟成方法では見られないもので、この結晶は天然醸造の証です。
これも体に害はないですが、気になる場合はスプーンなどで取り除くとよいでしょう。
味噌の保存方法は何が正解?
味噌そのものは、本来腐りにくい食品ですが、
常温であっても床下収納や棚などの湿気が少なく、直射日光の当たらない所が保存に適しています。
一番いいのは、
賞味期限が切れてからも、切れる前も、保存は基本的に冷蔵庫の中がおすすめです。
味噌は冷凍できる!
意外かもしれませんが、味噌は冷凍保存も可能です。
家庭用の冷凍庫(約-20℃)では、味噌は凍らせても柔らかいままなので扱いやすいんですよ!
使いきれない量がある場合や、減塩やだし入りのみそなど、
傷みやすいものもは、冷凍保存で品質を保つのもいいでしょう。
ただ、商品の容器は冷凍用ではないため、割れてしまう可能性があるので、
冷凍用の容器に移し替えるのがおすすめです。
通常みそは、冷凍庫に入れても凍りませんので、冷凍庫から出してそのまま使用しても問題ありません。
空気に触れると風味が変化しやすい傾向がありますので、表面をラップで覆うと風味の変化を少なくすることが出来ます。
ハナマルキ㈱ -よくあるご質問-
味噌にかぶせてあるシートは何?
箱形の味噌を購入すると必ず上にかぶせてある中蓋のような白いシート。
これは空気を遮断して味噌の酸化を防ぐ役割があるのでそのまま使います。
捨ててしまった場合は、ラップなどでも代用可能です。
味噌は賞味期限切れでも活用方法がたくさん!
味噌と言えば日本が世界に誇る健康食品・ジャパニーズスーパーフードの一つ。
発酵食品としては、
味噌のほか、納豆・醤油・甘酒・麹
なども認定されています。
大豆を発酵させてつくる味噌は、たんぱく質が吸収しやすく、世界でも長寿食として注目されているので、毎日欠かさず食べたい食品の一つです。
[ジャパニーズスーパーフードの定義]
・日本の食文化において、日本人の健康と幸福に寄与してきたと評価される伝統自然食品などの国産の食品・日本の伝統食を再構築し、国内外に普及する活動をしていくことを目的とした、日本発・日本独自のスーパーフードのこと
味噌を毎日の食生活に
お味噌は、味噌汁だけでなくいつものお料理の幅を広げてくれるお助け調味料。
“コクと風味・塩気のある調味料“
として、
味噌汁以外にもさまざまな使い道があります。
・肉や魚の味噌漬け
・味噌煮込み
・野菜炒め
・ドレッシング
などでも幅広く使えますので、塩分の摂りすぎにならない程度に、
料理のレパートリーを増やしてみてくださいね。
<味噌焼き>
魚や肉は、醤油や塩コショウも美味しいですが、味噌につけて焼くとさらに深い味わいになります。
西京みそ(京都で作られる白みそ)で魚の切り身などを漬け込んで焼いた《西京焼き》は有名ですね。
マヨネーズも合わせて塗って焼くと、また違った味になります。
<味噌漬け>
ぬか床のように
「味噌床(みそどこ)」
をつくって、野菜や豆腐などをつけ込む方法です。
味噌に含まれる塩分が、余分な水分を取り除き、味をぎゅっと引き締めることで、素材の味が凝縮されます。
簡単に作れるので、ぜひチャレンジしてくださいね!
- お好みの野菜を水洗い
- 水気をとって軽く塩もみする
- 味噌をタッパーなどの容器に敷く
- 塩もみした野菜を並べ、味噌を野菜が隠れるまで入れる
- 蓋をして冷蔵庫で一晩おく
<味噌田楽>
味噌田楽(みそでんがく)は、豆腐やこんにゃく、大根、茄子や里芋などに、
味噌をみりんなどで溶いた調味みそを塗りつけて焼いた料理。
おでんのお供としても大変おいしくいただけます。
ディップ・炒め物にも
味噌は油(マヨネーズなど)ととても相性がよい調味料。
《味噌マヨネーズ》にすれば、生野菜をモリモリ食べられるディップとして、
炒め物や煮込み料理の隠し味に入れても味にコクがでて美味しくなります。
味噌の賞味期限切れ!未開封・開封後はいつまで?まとめ
お味噌は、基本的に保存食として製造されているため腐敗しにくい食べ物ですが、
保存については、状態や温度によって大きく変わるため、
一般的に賞味期限後何日以内なら食べても大丈夫という明確な期間はありません。
また、賞味期間内であっても、田楽味噌や液体味噌など、
加工された味噌は腐りやすく、風味や味が落ちやすいので、
まずは味噌の状態を目で確認してください。
味噌を長持ちさせる一番のポイントは、空気を遮断して酸化や乾燥を防ぐことですので、
なるべく冷蔵庫へ、消費まで長くかかる場合は冷凍庫で保存するのがおすすめです。
日本が誇るジャパニーズスーパーフード・味噌を上手に毎日の食卓にいかしていきましょう!
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