ホタル(Firefly)の生息地は世界中!海外で有名な観光名所はどこ?

蛍 生息地

 

日本を含め、世界には約2,000種類いるホタル。

  • オスを捕食するメス
  • 数万匹が同時点滅する種
  • 秋や冬に光る種

など、珍しい生態のホタルはたくさんいます。

日本では、温暖で自然豊かな場所でしか生きられないイメージが強いホタルですが、

じつは冬は氷点下になるニューヨークの都心でさえも、夏はホタルをみることができるんです!

海外ではどんな珍しい種類が多いのかなども紹介します。

蛍は世界に2,000種類

 

お尻の部分が発光することで知られる昆虫、ホタル(蛍)。

世界には約2,000種、日本では約40種が生息していて、

主に熱帯~温帯の雨の多い国や地域に分布しています。

多種多様なホタルですが、生態の特質から次の2つに分けることができます。

ホタルの生態で二分すると…
  • 『水生ホタル』…幼虫時代を水中で過ごすホタルの総称。たった10種程度
  • 『陸生ホタル』…陸上の湿地で過ごすホタルの総称

 

『水生ホタル』はたった10種類程度!

 

日本に生息するホタルといえば、成虫は水辺の空中に生息し、

幼虫は水中で生活する『水生ホタル』のイメージが強いですが、

じつは水生ホタルは10種類ほどしか知られていません。

 

『水生ホタル』の代表種「ヘイケボタル」は、英語でAquatica lateralisとも呼ばれ、

日本だけでなく、ロシア、日本、韓国で見られるホタルの一種です。

 

『水生ホタル』は、日本のに生息する約40種類のうち、「ゲンジボタル」「ヘイケボタル」他、

台湾のホタルと近縁の沖縄固有種の「クメジマボタル」が知られています。

 

つまり、ほぼ全世界に生息するホタルたちは、

ほとんどが幼虫の時期も陸上で生活する『陸生ホタル』なんですね!

 

蛍の生息地【日本】

 

幼虫期を水中ですごす『水生ホタル』の中でも代表的な種が、

日本固有の種である「ゲンジボタル」です。

 

ゲンジボタルは、本州以南の日本各地に分布していて、

毎年5月~6月にかけて孵化します。

 

日本を飛翔する「ホタル前線」

 

毎春の“サクラ前線“が終わると、“ホタル前線“が始まります。

ホタルも、南から北へ、いつ、どこで、どのくらいの数が飛翔するのか事前に予想ができるのですね。

 

“ホタル前線”は、九州・鹿児島や沖縄では5月から始まり、7月中~下旬には青森で飛ぶ姿が見られ、

近年は北海道の一部地域でも観測されるようになっています。

 

日本国内に生息する約40種のうち、

「ゲンジボタル」や「ヘイケボタル」が広く知られた存在ですが、

本土(九州以北)より南西諸島にかけて、多くの珍しい種類が生息しています。

蛍鑑賞 種類編-

蛍の光り方の違い!ゲンジボタル・ヘイケボタル・ヒメボタルの違いや特徴・見分け方は?

2020年10月6日

蛍の生息地【海外】

 

約2,000種が確認されているホタルは、

  • 日本
  • 中国
  • 韓国
  • 台湾
  • タイ、ベトナム
  • インドネシア、インド、オーストラリア周辺
  • アフリカ
  • ヨーロッパ
  • ロシア
  • イラン、イスラエル
  • 北米
  • 中南

など世界中に分布していて、

とくに日本・台湾などの東アジア、ベトナムやタイなどの東南アジアに多く分布し、

どの国でも夏の夜の風物詩となっています。

 

ホタルを英語でいうと?

 

英語でホタルは

ファイヤ フライ firefly

 

ほかにも、発光する昆虫の総称として、

グローワーム Glowworm

という英語表現もありますが、コチラは主に

グローワームの意味
  • 土ボタル
  • (ホタル含む)羽のないメス成虫
  • (ホタル含む)光る幼虫やさなぎ

など、広い意味で使われています。

 

ちなみに、オーストラリアやニュージーランドに生息する“土ボタル“は、

日本で見られる蛍の仲間ではなく、

ヒカリキノコバエ(光茸蝿)

というハエの幼虫です。

 

ホタルは夏だけじゃない!

 

実は、日本を含む東アジアで、蛍の成虫は必ずしも夏だけに出現するものではなく、

秋や冬に飛ぶ珍しいホタルも存在します。

アキマドボタル(秋窓蛍)

英名:Pyrocoelia rufa

朝鮮半島、中国、日本の対馬に分布、

和名通りにに成虫が発生

イリオモテボタル(西表蛍)

英名:Rhagophthalmus ohbai

日本の西表島、石垣島に生息し、

成虫は12~1月の真冬に発光する

 

アメリカのホタルはメスがオスを捕食!動画で紹介

 

2020年時点で、北米に生息するホタルは125種。※1

 

アメリカでは、すべて森や水辺に見られる『陸生ホタル』で、

ニューヨークのセントラルパークのほか、サウスカロライナ州・ジョージア州・フロリダ州など、

ロッキー山脈から東部に広く分布、多く生息しています。

 

アメリカのホタルは、

  • フォトゥリス属(Photuris)
  • フォチュヌス属(Photinus)

という属性のホタルが多く、

特徴的な生態を持つものが多く存在します。

 

たとえば、Photuris属のメス(例:Photuris versicolor)は、

オスを誘い込んで最終的に捕食するという能力があり、

femme fatale ファムファタール

(フランス語で「魔性の女」の意)

という別名で呼ばれています。

 

ほかにも、Photinus pyralis というオスは、

6秒間隔で正確に発光するため

 Big Dipper(北斗七星)

という愛称で呼ばれています。

 

▼恐ろしい…!オスを食べるfemme fataleやBig Dipperの動画はコチラ!

 

ほかにも、フォトゥリス属の一種Photuris frontalisは、

北米に生息する125種のホタルのうち、

唯一、同期して光る(一斉に同時に明滅する)ことが知られていて、

サウスカロライナ州コンガリー国立公園では、毎年一大観光スポットになっているのだとか。

 

ちなみにアメリカでは、ホタルのことを一般的に Fireflyもしくは lightning bugと呼ばれますが、

lightning bugは、南米に生息するヒカリコメツキ(Pyrophorus)属も指しています。

 

マレーシアでは1年中見られるホタル

 

マレーシアやパプア・ニューギニアでは、1本の樹木に数万匹が集まっていっせいに同期明滅する

エフルゲンス effulgens

というホタルが有名で、聞いたことがある人もいるかもしれません。

 

マレーシアでは、なんと1年を通じてホタル観賞が可能で、

イルミネーションのように一斉に明滅する様子は「クリスマスツリー」と称されるほど。

ホタルが好むマングローブの木に数万匹のホタルが集まり、

オスが黄色、メスは緑色に光るのだとか!

 

マングローブの木が茂る川をクルーズするホタル観賞はマレーシアならではの鑑賞スポットで

日本から「マレーシアホタルツアー」も随時受け付けています。

一度は見てみたい光景ですね!

【JTB】マレーシア・ホタルツアーを見てみる

ホタル(Firefly)の生息地は世界中!海外で有名な観光名所まとめ

・ホタルは、世界には約2,000種、日本では約40種が生息している

・幼虫時代を水中で過ごす『水生ホタル』と、陸上の湿地で過ごす『陸生ホタル』がいる

・水生ホタルは世界でも10種類ほどしかおらず、「ゲンジボタル」「ヘイケボタル」はどちらも水生ホタル

蛍鑑賞 種類編-

蛍の光り方の違い!ゲンジボタル・ヘイケボタル・ヒメボタルの違いや特徴・見分け方は?

2020年10月6日

【参考文献】

※1 ナショナルジオグラフィック

https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/photo/stories/20/061500038/

(2021年8月時点)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です