ホタルなど、生物が体内で光を生成し放射する化学反応の現象を、
生物発光(せいぶつはっこう)、
英語でバイオルミネセンス(Bioluminescence)
と表現されます。
生物発光は、海(特に深海生物)や陸の無脊椎動物と魚類や菌類など多くの生き物に見られます。
身近に観察できる昆虫として代表的なものは、ホタルのほか、
- ヒカリコメツキ(南米)
- ヒカリキノコバエ(オーストラリア)
- 鉄道虫(ブラジル)
などが有名です。
蛍(ホタル)以外で光る虫6選をご紹介!
Glowing Click Beetles(ヒカリコメツキ)
【ヒカリコメツキ(光米搗)】
分類 甲虫目コメツキムシ科
英名:Glowing Click Beetles
別名: Jacknife Beetle
ヘッドライトとジェットエンジンを搭載して輝く昆虫、ヒカリコメツキ!
ヒカリコメツキは、中南米に生息するコメツキムシ (Click beetles)の仲間で、
コメツキムシは、世界で約10000種、日本で約700種が知られています。
ヒカリコメツキは、ある研究結果では、ホタルよりも発光する力が強いと言われていて、
まさに”光る昆虫の代表格”とも言えます。
- 光る場所:お尻 2か所
- 光り方:飛ぶスピードが遅く光が点滅
- 光る場所:頭とお腹の計 3か所
- 光り方:ずっと点灯させたまま素早く飛べる
ヒカリコメツキは、後頭部に丸い発光器が2つあって、
英語で「ヘッドライト」「ヘッドランプ」など呼ばれ、目玉が光っているみたいですよね。
そしてもう1つはお腹部分、胸とお腹の間にも発光場所があり、
英語で「ジェットエンジン」と呼ばれ、ふだんは隠れていて、お腹を反らせたときだけ光ります。
Glowworm(ヒカリキノコバエ)
▼まるで「天空の城ラピュタ」の飛行石の洞窟のよう!
【ヒカリキノコバエ(光茸蝿)】
分類 キノコバエ科
英名:Glowworm
別名: ツチボタル(土蛍)
オーストラリア、ニュージーランドに行くと、洞窟観光ツアーなどで人気のツチボタル!
ヒカリキノコバエの幼虫は青白い光を発するため、
「ツチボタル(土蛍)」「グローワーム」の名前で知られています。
日本でも、同じハエ目の中では八丈島に生息するツノキノコバエ属の
ニッポンヒラタキノコバエ(Keroplatus nipponicus)
の幼虫は体全体が光り、特に頭部と尾部は強い光りを発します。
Railroad worms(鉄道虫)
▼まるで夜闇を走る列車の鉄道虫
【鉄道虫】
分類:ホノオムシ科
英名:Railroad worms
ホノオムシ科の甲虫たちは、
夜間に鉄道列車の窓からこぼれる明かりのように見えることから、
通称「鉄道虫」と呼ばれるようになりました。
ホタルなどの他の多くの発光する生物と同じように、
ルシフェリンという発光物質とルシフェラーゼという酵素が反応して、光が発せられます。
(参考記事:「ホタルの発行物質ルシフェリンの語源を紹介」)
ブラジルなど、北アメリカ~南アメリカに広く生息している鉄道虫は、
緑色と赤色の両方の光を発します。
鉄道虫は、生物発光昆虫の中でも、赤色の光を発する唯一の昆虫と言われていて、
緑色のライトが昆虫の体に沿って並んでいて、赤色のライトがその頭にあります。
赤色のライトは、捕食してくる生き物に警告したり、動揺したり脅されたりしたときに光ります。
Glowing cockroaches(光るごきぶり)
参考:Wikipedia
お食事中の方はごめんなさい!不気味なこの光る物体。。。
「Glowing cockroaches」は名前の通り、”光るごきぶり”です!
正式名称:ルキホルメティカ・ルケ(Lucihormetica luckae)は、エクアドル産の巨大なゴキブリ!
南米の熱帯雨林に生息する体長約2.5センチの大型ゴキブリで、
進化の過程で、他の有毒昆虫を擬態するために発光するようになったのだそう。
Shiny Snails(光るカタツムリ)
The tropical snail Quantula striata is the only known land snail that glows in the dark: https://t.co/VFesUu3nwM pic.twitter.com/DnZVlgq1kW
— James (@JHM_23) February 10, 2015
Shiny Snails (=光るカタツムリ)の愛称で知られるのは、
正式名称:クアントラ・ストライアータ(Quantula striata)。
光る唯一の陸上カタツムリで、シンガポールなどの東南アジアで見られます。
卵の時には、暗闇の中で継続的に輝き、孵化すると黄緑色の光を点滅させることが出来ます。
Glow-in-the-Dark Millipedes(光るヤスデ)
米カリフォルニア州シエラネバダ山脈だけに生息している
Motyxia(モチキシア)属のヤスデは、
世界で唯一、体全体を発光させる盲目のヤスデです。
ちなみに、Motyxia属の11の種と亜種はすべて光りますが、
山の低い標高にあるものはそれほど明るく光らないのだとか。
ホタルの場合、腹部にある特殊器官が光りますが、
このヤスデは体全体が常に青緑色に光っていて、
体内の特殊なタンパク質が、体を覆っている硬い表皮の内側から発光します。
まとめ