暑い時期、ジュースに入っている氷をついでに口の中で溶かしたり、
ガリガリ食べてしまうことは誰しもありますよね。
でも、その“ついでの行動“を通り越して、
・ガムのように氷を食べたい!
・氷が足りなくなったら買いに行ってでも食べたい!
・歯が欠けても食べ続けたい!
と、一年中氷を大量に食べ続けてしまう人がいます。
それは明らかに「氷食症」といわれる病気。
・氷食症になる原因
・どんな病気が隠れているのか
・氷食症になりやすい人の性格とは?
などお伝えしたいと思います。
氷をたくさん食べると太る!?
結論、氷ばかり食べていると太ります。
では、氷をなぜそんなに食べたくなるのか?
それは
体や心が、何かの栄養や満たせるものが不足している
という体のSOSのサインだから。
本来、無味無臭で栄養もない「氷」を美味しいと感じ、大量に余計な水分として体に取り込むことで、
身体を冷やして代謝を下げ、結果的に、体重が増えて太る原因になるのです。
精神面で氷を食べ続けて太る理由
精神的なストレスを抱えていて、食事も思うように食べられない時、
氷を口にして噛むとスッキリするという感覚で食べ続けてしまうことは、
自律神経が上手く機能しなくなっているということです。
“お腹がいっぱいになった!”
という満腹中枢機能が鈍っているため、知らぬ間に体重の増加に繋がります。
氷は特に料理をする必要もないし、簡単に口に入れられて満足できる…
という無意識で、氷に手が出てしまうのです。
氷を食べるのが止められない氷食症とは
氷食症(ひょうしょくしょう)とは、字の通り氷を無性に食べたくなる病気です。
髪の毛・チョーク・粘土など、普通では想像もつかないようなものを無性に食べつづけてしまう
「異食症(いしょくしょう)」
といわれる病気の一つとされています。
異食症の主な種類
“食事量の極端な偏り“で引き起こす
「拒食症」
「過食症」
などの病気は良く知られていますが、
“栄養の無いものを大量に食べてしまう”
というのが「異食症」です。
・氷食症(ひょうしょくしょう)-異常な量の氷を食べる・大人に多い
・土食症(どしょくしょう)-土を食べてしまう・子供に多い
・食毛症(しょくもうしょう)-体毛をむしりとって食べる・子供に多い
氷食症は氷を食べるのが止められない!
ついつい氷を口に入れてしまうという「氷食症」。
氷食症は、ジュースを飲んだついでに氷を2~3個ほど、つい癖で氷をガリガリと食べるのが好きという人のことではありません。
一日に製氷皿1皿分以上(氷20~30個以上)の明らかに異常な大量の氷を、ガリガリと食べてしまう症状のことです。
氷食症の人は、どんなに寒くても、氷の食べ過ぎで口の中が切れてしまったとしても、
氷を食べ続けてしまうことで、体にさまざまな悪症状を引き起こすため、
「たかが氷」
と甘く考えてはいけない病気なのです。
氷食症になってしまう原因やメカニズムは?
氷食症になってしまうのは成人の女性が多く、実はいまだ
原因不明
とされていますが多くは
- 鉄分不足による貧血
- ストレスなどの強迫性障害(精神疾患の一つ)
とされています。
詳しく見て行きましょう。
原因1)貧血で鉄分不足
実際に、氷食症となる方のほとんどが「体の鉄分不足」による
- 鉄欠乏症
- 鉄欠乏性貧血
という症状が原因とされています。
カラダに必要な鉄分が不足となることで、細胞が酸欠状態になり、
気がつかないうちにどんどん貧血の症状がひどくなっていってしまうことがあります。
貧血によって赤血球の量が減る
↓
赤血球の働きが低下して酸素不足になる
↓
自律神経が乱れて体温調節がうまくいかず、口の中の温度が上がる
↓
暑くなった口の中を冷ますためのに氷を食べる
と考えられています。
細胞が酸欠状態になると引き起こす体の不調
血の鉄分が不足すると、赤血球が不足し脳に十分な酸素が供給されなくなるります。
すると、自律神経に狂いが生じ、様々な症状を伴うようになります。
- 生理不順
- 冷え性
- 顔色が悪い
- 動悸・息切れ
- 貧血
- 疲れやすくなる
- 頭痛
- 食欲不振
- めまい・立ちくらみ
- 記憶力が低下
- 持久力が低下
- 寝つきが悪くなる
↓
さらに、食欲不振で栄養不足が続くと
- 肌荒れ・爪が反る・爪が割れやすい
↓
最後は、氷の食べ過ぎで
- 口の中が切れる・歯が欠ける
など、日常生活に支障をきたすようになります。
体に必要な鉄の量
鉄は血液に酸素を運ぶ役割があります。
成人の体内の鉄の量は
- 男性で3〜3.5g
- 女性では2〜2.5g
と言われていて、そのうちの約60%は、ヘモグロビンをつくるために使われる鉄として血液中に存在しています。
ヘモグロビンは、赤血球の中に存在するタンパク質の一つで、肺から全身へと酸素を運搬する役割を担っています。
体内の鉄が不足するということは、ヘモグロビンをつくる材料が減ってしまうということ。
そうなると、全身の組織や臓器に酸素が行き渡らなくなり、体内がいわば酸欠状態になってしまいます。
これが、鉄欠乏性貧血という病気です。
鉄分が豊富な食材
鉄分が豊富な食材としては、
といったものが有名です。
男性はもちろん、日頃から不足しがちな女性は特に、これら食材から、十分な鉄分を補給する必要があります。
原因2)強迫性障害
氷食症のもう一つの原因と考えられている強迫性障害とは、
“自分ではこんな行動をするのはおかしい”
と分かっているのに止められず反復してしまう精神疾患の一つで
強迫神経症
ともいわれます。
自分の髪やまつ毛などを抜くのが止められない抜毛症から氷食症に移行する例もあるのだとか。
「氷を食べることがやめられないこと」=「強迫行為」
と、頭では分かっているのに止まらない心の状態ですね。
しかし、実際のネット上の体験談を見てみると
氷食症を発症したのは、突然大切な人やペットとの死別がキッカケだった、何年か氷食症が続いたが、何がキッカケかはわからずある日突然治った(氷食症がなくなった)
というよう方もいらっしゃるようです。
けっきょく、どの説についても
「なぜ鉄分が足りないと氷が食べたくなるのか」
「なぜ氷を食べないといけないという強迫観念になってしまうのか」
についての関連性は、いまだ明らかにされていません。
氷食症が女性子供に多い理由
女性は男性よりも体質的に鉄分が不足しやすい特徴があり、
実際に妊娠中の方に氷食症を発症する方が多いとされています。
女性が氷食症になる原因
・妊娠中の方…おなかの赤ちゃんを育てるため妊娠中は母体の鉄が胎児へ移動するため
・授乳中の方…母乳にも鉄分が含まれるため、授乳によって鉄が失われる
・女性は生理による出血で、一日に失われる鉄の量は男性の2倍以上だから
・無理なダイエットで食事の量を減らすことで、栄養不足になりがちがから
子供にも多い氷食症
ある調査では、最近は献血も出来ないほど貧血状態の女性が多くなっていて、
その母体から生まれた子供は、母親の栄養状態をそのまま引き継ぐため、
栄養バランスが崩れた偏った食事を好むことで、氷食症の子供も増えていると言われています。
氷食症は何科で診断?治し方や予防法は?
氷食症が疑われたら、どうすればいいのでしょうか。
貧血改善として
貧血予防の立場からは、一般の貧血と同じように鉄分の多い食材を摂取し、バランスのとれた食生活をするという基本的な食事へのケアが必要です。
- 消化器科
- 婦人科
を受診して、まずは血液検査で数値を測り貧血かどうかを確かめることができます。
鉄欠乏性貧血だった場合は、
胃潰瘍・大腸がん・子宮筋腫などを併発している可能性もあるため、早期発見が最も大切です。
貧血に対しては「鉄剤」といわれる飲み薬や注射などの治療法があります。
強迫性障害改善として
強迫性障害の立場からは、治療には
- 心療内科
- 精神科
を受診することになります。
抗うつ剤などの薬物療法が一般的ですが、強迫性障害の人には完全主義者(潔癖な人)の傾向が強いため、
認知行動療法などで、自動思考(無意識的な考え方のクセ)を修正していくことも考えられます。
いずれの治療も、主治医の先生に従って、再熱・再発をしないように経過を見ながら長期的に取り組む必要があります。
氷を食べると太るって本当?ダイエット中や子供・妊娠中は要注意!まとめ
氷食症かなと思ったら、まずは
・鉄分の補給=貧血予防
・ストレスを改善
がもっとも効果的。
一般の貧血と同じく、鉄分の多い食材を中心にバランスのとれた食生活を心掛け、
信頼できる人に相談するだけでも心の安定につながります。
特に現代は、20歳代前後の若い女性に鉄欠乏性貧血が多く見られ、そ
の数は4人に1人とも、10人に1人ともいわれています。
氷が無性に食べたくなる氷食症は、鉄分や心を満たすものが不足した、あなた自信からのSOSかもしれません。
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