家庭料理で使うことが多い
「見た目が鮮やかなグリーンの豆」
といえば、エンドウ豆やインゲン豆。
とくにエンドウ豆は種類が豊富で、
さやえんどう・絹さや・グリーンピース、スナップエンドウなどもエンドウ豆の仲間のため、
明確な違いは?と言われると区別がつきにくいですよね。
また豆には、グリーンピースや大豆など、豆だけを食べる種類もあれば
さやいんげん、さやえんどうなど、“莢“(さや)ごと食べる種類もあります。
今回は、数多くある豆の中でもエンドウ豆やインゲン豆について、違いを詳しく解説します!
豆の種類【品種の違い】
多種多様な豆類。大きく分類すると
- 属性の違い
- 食べる部分の違い(実と莢)
- 収穫時期の違い(未熟&完熟)
によってグループ分けすることが出来ます。
- インゲンマメ属
- エンドウ属
- ダイズ属
- ヒヨコマメ属
- フジマメ属
- ナタマメ属
- シカクマメ属
- ササゲ属 etc…
とくにインゲンマメ属とエンドウ属については、
いんげん豆、えんどう豆、絹さや、三度豆、スナップエンドウ、グリーンピースなど
“鮮やかなグリーンの豆“
という、見た目で区別がつきにくいものが多くあり、しかも
“同じ品種でも、収穫のタイミングや加工によって呼び分ける豆“
もあるため、違いをしっかり押さえておきたいですよね。
家庭料理に使うことが多いインゲンマメ属とエンドウ属の豆、
そもそも何が違うのでしょうか?
インゲンマメ属(bean)の豆
名前 | インゲンマメ(隠元豆) |
属性 | マメ科インゲンマメ属の一年草 |
英名 | common bean |
別名 | サイトウ(菜豆)、サンドマメ(三度豆) |
インゲンマメ属の豆は、莢(さや)が細長く、豆粒は楕円形で平たく大粒という特徴が多い傾向があります。
中南米原産で、17世紀に中国から日本に伝わったインゲンマメ。
明からの帰化僧・隠元隆琦(いんげんりゅうき)が日本に持ち込んだとされることから
「インゲンマメ」という名前がついたのだとか。
インゲン豆の仲間としては
- 金時豆(赤インゲン豆)
- うずら豆
- 大福豆(白インゲン豆)
などが有名な栽培品種です。
英語で”bean”は、ソラ豆・インゲン豆・大豆などの総称です
エンドウ属(pea)の豆
名前 | エンドウ(豌豆) |
属性 | マメ科エンドウ属の一・二年草 |
英名 | pea |
エンドウ属の豆粒の見た目は、全体的に丸形で小粒という特徴の豆が多い傾向があります。
エンドウ豆の仲間としては
- グリーンピース
- キヌサヤエンドウ(絹さや・サヤエンドウ)
- スナップエンドウ
などがあります。(後述)
英語で、えんどうのような丸い豆は”bean”ではなく”pea”と総称されます
さやいんげんとさやえんどうの「莢」とは?【食べる部分の違い】
えんどう豆とさやえんどう、いんげん豆とさやいんげん。
「莢(さや)」
とはそもそも一体何なのでしょう?
マメは食用になる部分として
- 実の部分
- 莢(さや)…種子が入っている殻の部分
の2つに分類されます。
つまり、名称に”さや”がついているものは、さやごと食べる種類ということです。
さやいんげん【莢隠元】 は、
インゲンマメの未熟果を若い莢(さや)のまま食用にするインゲンマメのこと。
種子が小さく、さやは細長い形をしています。
さやえんどう【莢豌豆】は、
エンドウマメの未熟果を若い莢(さや)のまま食用にするエンドウのこと。
サヤエンドウを代表するものが、「絹さや」です。
- えんどう豆といんげん豆→実である豆を食べる
- さやえんどうやさやいんげん→豆の入った莢(さや)ごと食べる
エンドウ豆(絹さや・グリーンピース・スナップエンドウ)【収穫時期の違い】
エンドウ豆は、収穫時期によって豆の呼び方や種類が豊富にあります。
豆を食べる“実えんどう”と、豆が大きくなる前に若取りし、さやごと食べる“さやえんどう”に2分されます。
- 実エンドウ(グリーンピース)
- ウスイエンドウ(うすい豆)
- キヌサヤエンドウ(絹さや・サヤエンドウ)
- オランダエンドウ(オランダ豆)
- スナップエンドウ
- 砂糖さやえんどう
絹さや(サヤエンドウ)
さやえんどうの中でもっとも代表的な品種が「絹さや」。
一般的には、さやえんどう=絹さやのことで、
平べったい形をしていて味噌汁や炒め物、煮物の彩りなど幅広く使われます。
グリーンピース(実エンドウ)
グリーンピース=エンドウ豆の未熟種子を食用とする呼び方。
一般的には、実エンドウ=グリーンピースのことです。
スナップエンドウは違う種類
スナップエンドウは、アメリカ生まれでエンドウを改良品種したもので、
絹さややグリーンピースと違う種類になります。
豆が成長して大きくなってもサヤが硬くならないため、サヤごと食べられるのが特徴です。
エンドウとエンドウ豆の意味の違いは?【未熟と完熟】
エンドウとエンドウ豆は、基本的に「エンドウ属の豆類」という意味では同じモノを指します。
ただ、先ほどお話しした通り、細かく掘り下げると未熟と完熟で言い方に違いがあります。
完熟した実を乾燥させたものを総称して「えんどう(エンドウ豆)」、
食用の未熟な実を総称して「実えんどう(グリーンピース)」と呼んで区別しています。
インゲンとインゲン豆の意味の違いは?【未熟と完熟】
インゲンとインゲン豆の違い。
こちらも基本的に「インゲン属の豆類」という意味で同じモノをを指しますが、
エンドウと同様、未熟と完熟によって下記の違いがあります。
インゲン=さやいんげん
スーパーの野菜コーナーで出回っている「いんげん」。
一般的に「いんげん」とだけ言うと、
インゲン豆の未熟果をサヤごと食用に品種改良された「さやいんげん」のことを指します。
インゲン豆=完熟豆
「インゲン豆」と言うと「さやいんげん」を指す場合もありますが、
インゲン豆の完熟果(鞘を除いて熟した豆だけを食用にする)を指す場合の方が多いようです。
金時豆(赤インゲン豆)、うずら豆、大福豆(白インゲン豆)が、インゲン豆に含まれます。
さやいんげん・さやえんどう・絹さや・三度豆・グリーンピースの違いまとめ
- インゲンマメ属とエンドウ属に分類
- インゲン=インゲン豆=三度豆のこと
- 莢(さや)とは、種子が入っている殻の部分
- インゲン豆を若いサヤの状態で収穫→「絹さや」「サヤインゲン」
- エンドウ豆を未成熟の状態で収穫→「グリーンピース」
- エンドウ豆が完全に熟した豆として収穫→「エンドウ豆」