『機能性成分』ってよく耳にしますが、栄養素と何が違うのでしょう?
『機能性成分』とは、必須栄養素(タンパク質・ビタミンなど)ではないけれど、
健康維持に大きく役立つ機能的な効果が期待されている成分の総称なので、栄養素ごとで分類されるものではありません。
『機能性成分』は、高血圧や動脈硬化などの予防につながる『機能性』に重視した『成分』のこと、
身近なものだと、食物繊維やポリフェノールも『機能性成分』という位置づけになります。
機能性成分の定義と意味
食品(食材)には大きく分けて三つの機能があります。
第一の機能は、生命の維持に不可欠なエネルギーとしての栄養機能。
人間が生きていく上で絶対に欠かすことのできない五大栄養素として、
栄養学的に、炭水化物、たんぱく質、脂質、無機質(ミネラル)、ビタミンの5つがあります。
第二の機能は、「おいしさ」を満足させる味や香りの感覚機能。
甘味、酸味、塩味、苦味、旨味の五味のほか、辛味、渋味、香り、色などで
感覚を刺激して、食欲を増進させるような成分です。
そして、第三の機能として、近年にわかに注目されているのが、食品の生体調節機能です。
具体的には、免疫力を高め、高血圧やガンなどを防ぎ、神経系や消化機能を調節したり、老化抑制などの機能のことで
食品(食材)の『機能性』に重視した『成分』を総称して『機能性成分』と言われます。
機能性成分は、たとえば、青魚に多いEPA(イコサペンタエン酸)や、
ポリフェノール、食物繊維なども機能性成分のひとつです。
機能性成分の健康維持のための役割
機能性成分の主な役割として次のようなことがあげられます。
- 抗酸化作用による老化防止
- 発ガンの抑制
- 高血圧の予防
- 免疫力の向上
私たちは毎日食事をすることで、さまざまな栄養素を同時に摂取しています。
特に野菜や果物には、さまざまな機能性成分が多く含まれています。
身近な機能性成分
大豆イソフラボン
大豆イソフラボンは、女性ホルモンの「エストロゲン」と似た働きをすることから、
別名「植物性エストロゲン」とも呼ばれ、男性女性ともにがん予防や更年期障害の改善に効果的とされています。
食物繊維
食物繊維は、五大栄養素に次いで六番目の重要栄養素として位置づけられるほど健康増進に役立つものです。
腸をきれいにして便通をよくすることで大腸がんの予防に役立ったり、コレステロールや脂質の吸収を抑えてくれます。
ポリフェノール
ポリフェノールは、植物の色素や渋み成分のことで、赤ワイン、チョコレートのほか、
大豆イソフラボンやゴボウのアクなどもポリフェノールの一種。
有害な活性酸素を抑えることでアンチエイジング効果があるとされます。
キシリトール
キシリトールは、天然素材の甘味料でガムでおなじみの成分。
いちご、レタス、ほうれんそう、カリフラワー等に含まれています。
唾液の分泌を刺激して、口の中を中和させることで、唾液中のカルシウムがエナメル質と結びつき、
歯の再石灰化を活発にするため、虫歯を防ぐ効果があります。
GAVA
GABA(ギャバ)はアミノ酸の一種で、正式名称はγ-アミノ酪酸。
ストレス改善に『GABA入りのチョコレート』などの商品でも人気ですね。
人間の脳内にも存在しているGABAは、緊張を和らげて脳の興奮を抑え、
睡眠の質を高める効果があると言われる成分です。
機能性成分の定義や意味とは?まとめ
『機能性成分』は、免疫力アップや老化防止など、食品(食材)の生体調節機能に期待できる成分のこと。
ポリフェノールや食物繊維など、野菜や果物中心に、多くの食品に期待できるものです。
サプリメントなどの栄養補助食品のように単体で摂るのではなく、
なるべく加工された食品は避け、素材そのものを食べることがとても重要です。
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