「明明後日」「さきおととい」「やのおととい」ってあまり耳にしたこと…ないですよね。
じっさい、ビジネス面で使われることは、ほとんど無いですが
日常会話では、方言として使われている地域もあります。
では、3日前後のことをどのように言うのが標準語なのか?
実は、ややこしいことに、同じ漢字や読み方でも、地域ごとに示す日数が違うという衝撃の事実をご存知でしたか?
これを機に正しい使い方を覚えてみましょう!
一昨日→昨日→今日→明日→明後日の前後を表すコトバ
一昨日→昨日→今日→明日→明後日の前後を表すコトバは、辞書では下記のように紹介されています。
-3: さきおととい【一昨昨日】 一昨日の前日。いっさくさくじつ。さきおとつい。
-2: おととい【一昨日】 (ヲチツヒ(遠つ日)の転という)昨日の前の日。おとつい。いっさくじつ。
-1:きのう【昨日】 (1)今日より1日前の日。さくじつ。
±0: きょう【今日】 (現在の)この日。本日。こんにち。
+1: あす【明日】 (1)今日の次の日。あくるひ。あした。みょうにち。
+2: あさって【明後日】 (アサテの促音化) 明日の次の日。みょうごにち。
+3: しあさって【明明後日】 (1)(西日本や東京で)あさっての翌日。(2)(東日本で)あさっての翌々日。
+4: やのあさって【弥の明後日】 (ヤノアサテの促音化。ヤナアサッテとも) (1)(東日本で)あさっての次の日。明明後日。(2)(東京で)あさっての翌々日。明明後日の次の日。
+4: ごあさって【五明後日】 (西日本で)明々々後日。しあさって(1)の次の日。
上記のとおり、
一昨日→昨日→今日→明日→明後日の後は、示す日数や読み方が地域ごとに異なるんですね!
北海道放言 <弥の明後日> 名詞
<やのあさって>と読む。
全国で使われるが、該当する日が地域によって違う。
今日→明日→あさって→
この次の日が「しあさって」の地域と「やのあさって」の地域がある。
「やなあさって」とも。
「弥」とは「さらに」の意。#北海道放言#方言#やのあさって pic.twitter.com/vtgaHtBQel— ヒロ福地 (@hirofukuchi24) March 19, 2020
今日のおらほのことばは、「やのあさって」。わたしは、明後日の翌日を指す言葉だと思っていましたが、明後日の翌々日を指す人もいるそう。なかなか混乱しますね。久し振りに使ってみよっかなー。 #方言 #おらほのことば #市民タイムス
— 市民タイムス(ゆるやかに公式) (@timesfsp) August 1, 2022
なんともややこしい!
大阪生まれ、東京勤務の長い筆者ですが、「やのあさって」自体、今まで使ったことも無く、初めて聞きました。
次でより詳しく見てみよう!
「明明後日」「一昨昨日」の漢字と読み方
「明明後日」は、『しあさって』や『みょうみょうごにち』と読み、
一般的な意味としては「明後日の次の日」を表す言葉として使われます。
今日を”0”とした場合、1日後が「明日」、2日後が「明後日」、3日後が「明明後日」ということですね。
「明明後日」は未来を示す言葉に対して、
反対に過去の3日前を示す言葉が「一昨昨日」です。
基本的には『さきおととい』や『いっさくさくじつ』と読み、一昨日の前の日を表します。
今日を”0”として、1日前が『昨日』、2日前が『一昨日』、3日前が『一昨昨日』となります。
地域で異なる!「明明後日」を示す日と読み方
「明明後日」は、地域によって示す日数や読み方が異なります。
それぞれの地域に、どのような特徴や違いがあるのでしょうか。
関西や都心では3日後が主流
「明明後日」が示す日数は、関西や(東京などの)都心部では、”今日から3日後”を示すのが主流です。
「明明後日」はもともと、関西方面で3日後を指す方言として使われていましたが、
関西と交流が深かった江戸にも広がったことで
現代では、東京都心部周辺と西日本を中心として『明明後日は3日後』と認識されるようになりました。
「明明後日」=4日後を意味する地域も…
「明明後日」は関西・都市部を中心に”今日から3日後”という認識が主流ですが、
東日本や三重県などの一部地域では”今日から4日後”を示す場合もあります。
つまり、基本的に未来への日数を示す言葉は、
『あした→あさって→しあさって→やのあさって』
の順番で表されますが、特に東日本では
『あした→あさって→やのあさって→しあさって』
と逆転している地域があるので注意してくださいね。
明明後日の方言は「ささって」「やのあさって」とも
明明後日は基本的に、『しあさって』や『みょうみょうごにち』と読まれますが
東日本や三重県、岐阜県の飛騨地方や富山県など一部地域では
『やのあさって』
『やなあさって』
『やなさって』
『さあさって』
『ささって』
と呼ぶ場合もあります。
東京都心でもかつて『やのあさって』が主流でしたが、関西との交流が始まった江戸時代以降、『しあさって』に変化していったのだそう
「明明後日」の次の日は標準語で「やのあさって」
今日から4日後を意味する”明明後日の次の日”も地域によって差があります。
標準語として主流で使われているのは
『弥の明後日(やのあさって)』
です。
ただ、こちらも東日本では今日から4日後を『明明後日』とする地域もあり、
西日本の一部地域では『ごあさって』と言われることも。
さらに、東北の一部で使われる『ここのあさって』など
地域独自の方言で、今日から4日後を表す場合もあります。
弥の明後日(やのあさって、英: three days after tomorrow)とは、明後日の次の次の日、すなわち今日より4日後の日である。「やなあさって」「やねあさって」ともいい、明々々後日(みょうみょうみょうごにち)ともいう。地域により明々後日(しあさって)、五明後日(ごあさって)ともいう。
明後日の次の次の日(今日より4日後の日)を「しあさって」という場合、「やのあさって」は明後日の次の日(今日より3日後の日)を指すこともある。地域により意味が入れ替わる「やのあさって」と「しあさって」だが、「みょうみょうみょうごにち」といえば地域にかかわらず明後日の次の次の日(今日より4日後の日)を指すことができる。
Wikiipedia-弥の明後日-
弥の明後日の次の日(翌日)は何と言う?
弥の明後日の次の日、つまり今日(0)から4日目以降の日を示す言葉は、一般的には使われていません。
ただ、方言として西日本では、未来への日数を
『あした→あさって→しあさって→ごあさって(五明後日)→ろくあさって(六明後日)』
と表現する地域もあります。
これは、明明後日(しあさって)の『し』を、数字の『4』、
今日を1日目と数えた場合の4日目という『4』が由来しているんですね。
『ごあさって』と『ろくあさって』も同様に、『5』と『6』が由来となっています。
ただ、最初にお話ししたように、
しあさって(明明後日)以降は、地域によって意味が異なることもあり、
広くは使われていないのが現状です。
「さきおととい」「やのおととい」について
3日先の未来を表す【しあさって・明明後日】、4日先の未来を表す【やのあさって・弥の明後日】 は、
地域によって意味(=示す日付)が異なることをお話ししました。
逆に、3日前の過去の日を示す【さきおととい・一昨昨日】については、
全国的に「3日前の日」という認識で良いようです。
また、
と素朴なギモンも出てきますが、
「やのおととい」「やのおとつい」というコトバ自体、辞書検索に無いようなので、
一般的な語句ではないようです。
結論…3日前後は、要注意!
一昨日→昨日→今日→明日→明後日の前後を表すコトバをご紹介しましたが、いかがでしたか?
地域によって、同じ読み方、同じ言葉なのに日にちが違うこともあるので、
正直、3日目前後は、曜日か日にちでよくない?
って思っちゃいました(笑)
とくに、ビジネスシーンなどで、『明明後日のお約束』と伝えた場合、
本人が『今日から3日後』という認識をしていても、
相手との認識相違が発生する場合もあるので要注意ですね!
なので、3日前後の日を伝えるときは、『◯月◯日◯曜日』とか、『今週の〇曜日』とか、
明確な日程・曜日を提示するようにしてくださいね!