日本の食卓に欠かせないネギ。
スーパーに行けば、長ネギ・青ネギ・白ネギ・小ねぎ・万能ねぎ・わけぎ・あさつきなど、
区別がつかないほど見た目がそっくりな「ネギ」たちが沢山売られています。
違いや見分け方など紹介!
ネギの代表選手!根深ネギVS葉ネギ
ネギ(葱)は、ヒガンバナ科ネギ亜科ネギ属に分類される植物。
種類はたくさんあるものの、大きく「根深ネギ」と「葉ネギ」の2つに分けることが出来ます。
昔から関東では、ネギといえば冬の鍋に使う「根深ネギ」が多く栽培され、
いっぽう関西では、うどんに入れる「葉ネギ」が主流でした。
関東…「根深ネギ」=白ネギ=長ネギ
関西…「葉ネギ」=青ネギ
根深ネギと葉ネギの違いは、一言で言うと栽培方法や収穫時期の違いです。
冬ネギの関東、夏ネギの関西
日本ではネギのことを、収穫時期によって「夏ネギ」「冬ネギ」という風にも呼び分けています。
白い部分が多い「冬ネギ」は「根深ネギ」、
寒さに強く、育てるのに最適な環境なため、東京から東北にかけて産地が多いのが特徴。
いっぽう、緑の部分が多い「夏ネギ」が「葉ネギ」、
温かい気候に適しているため、関東から九州にかけて産地が多いのが特徴。
また、ややこしい話にはなりますが、総じてタマネギと区別するために、
単にネギ=すべて「長ネギ」と呼び分ける場合もあるのだとか。
関西出身の筆者、これには心当たりがあり、確かに今までどんなネギも無意識に「長ネギ」と言っていました(笑)
根深ネギの特徴
根深ねぎとは、可食部のほとんどが白いネギ、“ネギの根本が白く長いネギ”のこと、
一般的に「白ネギ」や「長ネギ」として販売されています。
東日本では単に「ネギ」と言うと、土を盛上げて陽に当たらないようにして作られるため、白い部分が多くなります。
根深ねぎは甘みが強いので、冬のお鍋や焼きネギもおすすめです。
栄養豊富!根深ネギの青い部分も食べよう!
根深ネギの白い部分は定番の美味しさですが、
青い部分ってなんだかヌルヌルして気持ち悪いし、捨ててしまう人もいるとか…。それはとってももったいない!
根深ネギの青い部分の内側にあるヌルヌル成分は、ネギの甘みが詰まった美味しいネギの証拠です。
風邪予防に最適で免疫力を高めてくれるので、青い部分も捨てずに使いたいですね。
葉ネギの特徴
葉ネギとは、“緑の部分が長く枝分かれしているネギ”のこと。
根深ネギよりも全体的に細かく小さい葉ネギは、
「青ネギ」「小ネギ」「万能ネギ」などとも呼ばれています。
なかでも京都の伝統野菜「九条ネギ」は、「葉ねぎの王様」と言われ、関西圏で最も多く食べられています。
根深葱などと比べると緑の葉の部分が多く、小口切りにして薬味として使ったり、
長めに切って和え物や「ぬた」にして楽しむのもアリです!
根深ネギと葉ネギの有名な品種や名前は?
根深ネギと葉ネギについて紹介しましたが、
近年は、栽培技術や物流が発達し、「深谷ネギ」「九条ネギ」などの品種名・ブランド名(固有名称)も多いことから、
西日本=葉ネギ、東日本=根深ネギというイメージは薄く曖昧になってきています。
全国的にも有名な品種はどんなものがあるか紹介します。
根深ネギの品種
【下仁田ネギ】
群馬県下仁田町名産の根深葱
【深谷ネギ】
埼玉県深谷市名産の根深葱
【仙台曲がりネギ】
宮城県 仙台市名産の根深葱
【一関曲がりネギ】
岩手県一関市名産の根深葱
葉ネギの品種
【九条ネギ】
京都市南区九条名産の葉ネギ
【小ネギ】
小ねぎは「万能ねぎ」とも言われることも多いですが、正確には葉ネギを若採りしたものの総称。
九条ネギを品種改良したり、葉ネギを若いうちに収穫したものが小ネギ。
品質を高め、ブランド化されたものが日本各地で栽培されており、高知県には「やっこネギ」というブランドも。
【万能ネギ】
「小ねぎ」と言われることも多い万能ねぎですが、
正確には福岡の「JA筑前あさくら」の商品名で、商標登録名は「博多万能ねぎ」。
「生でよし、煮てよし、薬味によし」ということから「万能」と付けられました。
「薬味ネギ」といえば万能ねぎを想像する人も多いと思います。
生のまま薬味にしたり、煮物や炒め物に使われます。
ネギそっくり!ワケギとアサツキの違いと見分け方
小ネギによく似た見た目で「アサツキ」と「ワケギ」とも区別がつきにくいですよね。
実は「アサツキ」と「ワケギ」は、正確にはネギではなく、どちらもネギ科に属する、ネギの変種(雑種)。
小ネギと比べてみましょう。
あさつきとわけぎの違い
ワケギ | アサツキ | 小ネギ | |
球根 | 球根有り | 無し | |
葉の状態 | 小ネギより細くアサツキより太い | 食用ネギの中で最も細葉で色薄 | 葉の直径は5mm程度 |
分類 | ネギとタマネギの雑種 | ネギの変種 | ネギ類 |
味 | 甘い | 辛みが強い | 通称「万能ネギ」どんな料理にも合う |
「アサツキ」と「ワケギ」は、どちらもネギ科に属する、ネギの変種(雑種)で、球根の有無、葉の細さに違いがあります。
球根があるのがワケギ、アサツキ、球根がないのが小ネギです。
アサツキもワケギも、どちらも根のほうにふくらみがあるのが特徴なので、そこで判断できます。
わけぎ(分葱)
ワケギ(分葱)は、ねぎとタマネギの雑種。クセが少なく甘みが強いのが特徴です。
“ぬた“などの和え物や、辛みが少なく葉が柔らかいので炒め物や煮物にも合います。
アサツキ同様、球根から育てるので根元がぷっくりしているのが小ネギ(万能ネギ)との見分け方です。
あさつき(浅葱)
浅葱〈アサツキ〉1ケース、10パック前後、100g〜300g前後
球根があって葉が細く色が薄いのがアサツキの見分け方です。
アサツキは漢字で「浅葱」、文字通り「ねぎ(葱)よりも色が浅い」から。
別名「糸葱」と言われるほど細い葉を持ちます。
辛みが強く、薬味としての使用がほとんどで、調味料のチャイブはあさつきの仲間です。
見た目は万能ネギとよく煮ていますが、球根から育てるなど大きな違いがあります。
【別名】糸ねぎ、千本ねぎ、千本わけぎ、ヒメエゾネギ
長ネギ・青ネギ・白ネギ・小ねぎ・万能ねぎ・わけぎ・あさつきの違いまとめ
- 「白ねぎ」「長ねぎ」は根深ネギに分類される同じ野菜
- 「葉ネギ」=「青ネギ」「小ネギ」「万能ねぎ」
- 「小ねぎ」…葉ネギを若採りしたものの総称
- 「万能ねぎ」…葉ネギの商品名
- 「わけぎ」「あさつき」はネギでは無い(球根がある)
見た目だけでは若干判断しにくいですが、よく見ると分かると思いますので、スーパーなどで見かけた際には確認してみてくださいね。