アンガス牛はホルモン剤使用で臭いし危険?産地やカロリーは?

アンガス牛

 

スーパーに行くと、国産牛に比べて圧倒的に安い輸入牛肉が並んでいます。

中でも多いのが、ただの「外国産牛肉」ではなく、「アンガス牛使用」というブランド牛。

いまでは「アンガス牛」=アメリカ産牛肉の代表格というイメージもあるほど。

 

アンガス牛=赤身なのに柔らかくて低カロリーで低価格、最高のお肉!

という意見があるいっぽう、

安全性に問題あり!食べたら危険!

という厳しい声もあり、不安に思う方もいるかもしれません。

 

どれだけ安くて美味しくても、食の安全は第一に最優先で考えるべき問題。

この記事では、

  • アンガス牛は安心して食べて大丈夫
  • アンガス牛は食べると危険!

の、どちらかを推奨するものではありません。

アンガス牛の特徴を考慮したうえで、あなたの健康的な食生活の参考になれば幸いです。

アンガス牛とは

 

アンガス牛の正式名称は、

アバディーン・アンガス (Aberdeen Angus)。

 

牛の品種の1つで、アンガス牛、アンガス・ビーフとも呼ばれます。

 

原産地は、スコットランド東部に位置するアバディーンシャー&アンガスの両州で、在来牛を改良し、

現在はアメリカを中心に、オーストラリア、ニュージーランド、ヨーロッパでも飼育されています。

 

実は日本でも、アンガス牛が100年以上前の1916年にスコットランドから輸入されたものの、途絶えてしまい、

その後1961年にアメリカより輸入され、現在は北海道や岩手、青森で1500頭ほど飼育されているのだそう。

 

つまり、日本で食べられている「アンガス牛」は、ほとんどアメリカ産ではあるものの、

オーストラリア産やニュージーランド産、ごくわずかに国産もあるということですね。

アンガス牛の特徴とカロリー

 

外国産の赤身肉というと、

“かたくて臭くて美味しくない“

というイメージがあり、疎遠する人も多い中、

なぜアンガス牛がこんなに日本に受け入れられているのでしょう。

 

アンガス牛は日本の牛肉事情を変えた!

 

一昔前の外国産牛肉といえば「オーストラリア産のオージービーフ」が主流だった日本の食卓。

 

ですが、平成13年に起きたBSE問題が落ち着いたのち、輸入国第2位だったアメリカからの輸入量が急激に増加、

平成29年(2017年)以降はアメリカ産牛肉の輸入量が第1位に。※1

 

アンガス牛の登場で、海外の牛肉=かたくておいしくない、というイメージも今は昔の話になりつつあり、

安くておいしい海外産アンガス牛は日本の食卓の大きな味方となりました。

 

アンガス牛は赤身が多いのに柔らかい肉質

 

アンガス牛の魅力は安いだけではなく、肉質が柔らかいという特徴があります。

  • 牧草飼育のお肉→焼くとかたいので煮込み料理向き
  • 穀物飼育のお肉→焼いても柔らかいのでステーキも◎

 

かつての輸入牛肉で主流だったオーストラリア産は、

牧草肥育特有の肉質が日本人には「かたい」「香りが強い」と感じられていました。

 

しかし、アンガス牛は、和牛と同じ穀物飼料で育った、やわらかで香り少ない日本人好みの赤身肉が特徴で、

「和牛の半額以下で買えるのにおいしい」と、スーパーや飲食店でも人気を集めています。

(※一部、牧草のみで飼育されたアンガス牛もあり、全てではありません)

 

和牛よりも低カロリーで栄養も豊富

 

アンガス牛はダイエット中の人にも強い味方になるかもしれません。

実は、アンガス牛は和牛と比べて、

  • カロリーは1/2以下
  • 脂質は1/5程度

なのに、

  • たんぱく質は約1.8倍
  • ビタミンB12や鉄分約1.5倍

というから驚き!※2

 

いわゆる“高たんぱく低カロリー“食材として、

筋トレ中やダイエット中の人にはピッタリというワケですね。

 

お肉は脂質が多いから…といって、お肉は鶏ささみばかり選んでいた人も、

アンガス牛なら背徳感なしで食べられそうですね!

アンガス牛はホルモン剤まみれで危険?

 

安くておいしいアンガス牛ですが、「危険」という意見もあるのは何故でしょうか?

 

これにはおそらく、アメリカ産の牛肉に対する悪いイメージが大きいと思います。

「輸入牛肉、とくにアメリカ産牛肉は、ホルモン剤を使いまくっていて発がんリスクあり」

という指摘は、国会でも長年議論されていて、

安全性についていまだ白黒ハッキリ答えがでていないからです。

 

ホルモン剤とは

 

ホルモン剤とは、牛の成長を早めるために使われるもの。

 

日本やEUでは使用が禁止されているホルモン剤ですが、

多くのアメリカ産牛肉には、牛の生育を早め、飼育コストを下げることを目的に、

天然や合成の性ホルモンから作った「肥育ホルモン剤」として女性ホルモン(エストロゲン、プロゲステロン)が投与されています。

 

「国産牛肉と比較した研究では、アメリカ産牛肉からは赤身で600倍、脂身で140倍もの女性ホルモン(エストロゲン)が検出されたという報告がある」

※3

「肥育ホルモン剤の成分はステロイドホルモンであるため熱に強いので、ステーキに焼いた程度では分解されると考えられません。また消化吸収過程で代謝されることがないため、体内の受容体と結合することで効力を発揮しやすい。つまり経口摂取=食べることで、人体に影響を及ぼす可能性が高いものであると考えるべき」

※4

 

ホルモン剤使用は「天井知らず」!?

 

アメリカ牛肉のホルモン剤については、使用量についても危惧する声があります。

ホルモン剤はあまり体に良くないのは分かったけど…少量なら体への影響も大丈夫じゃないの?
アメリカも、安全性を全く確認せずに使用許可しているワケではないだろうし、せいぜい国際基準の範囲でしょ?

と筆者は個人的にそう思っていました。

 

…ですが、

下記のような危惧すべき情報もあるようです

肥育ホルモンは、日本国内では使用自体を認めていない。世界的にも、WHO(世界保健機関)によって肉への残留基準上限の目安が定められている。しかし、アメリカでは「肥育ホルモンに危険性はない」として基準値そのものがなく、天井知らずの状態だ。

「じゃあ、アメリカ産の牛肉だけ食べなければいいのね」と思った人もいるだろう。だが残念なことに、アメリカだけでなく、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドなど、日本に牛肉を輸出する主だった国々は、ほぼすべてが肉牛への肥育ホルモン剤の使用を認めている。

さらに不幸なことに、日本では海外から輸入された肉にはWHOの基準に準じたホルモン剤の残留上限を設けているものの、その検査は実質、ほとんど野放し。農林水産省に確認したところ、この状況を認めた。

※5

アンガス牛が安全という意見

 

アンガス牛に限らず、

“輸入肉は安全で、ホルモン剤も危惧する範囲ではない”

といえる材料として、

「ホルモン剤については、国連食糧農業機関(FAO)と世界保健機関(WHO)が作成した国際食品規格(CODEX)をもとに、基準値が守られている」

「日本では、厚生労働省が残留基準値を設定して、農薬の量やホルモン剤の量などを計測、基準をクリアしたもののみ輸入許可を出している」

という答えが返ってきます。

 

しかし、さきほどの記事のように、

  • アメリカ産牛肉はホルモン剤の基準値なし
  • 日本での検査も実質野放し状態

がもし真実だとしたら…

国際基準、アメリカ基準、厚労省基準の全てが機能しておらず、

安全神話が根底から覆されてしまいます。

 

もちろん、輸入牛肉の中にも、

  • もともとオーガニック飼育を徹底している
  • 日本の会社が、独自に現地の契約牧場で厳重な管理のもと飼育

などの管理を行っているお肉もあります。

 

ただ、こうした一部の商品を除き、

現在、日本の牛肉輸入シェアはアメリカとオーストラリアの2国で9割近くに達する現実があるため、

「輸入牛肉はホルモン剤入り」という状況は間違いなさそうですね。

 

アンガス牛をより安全に食べたいなら産地直送の通販で!

 

アンガス牛の安全性について紹介してきましたが、

一言で「アンガス牛」と言っても、産地や飼育方法、ランクもさまざまあるため、

すべてのアンガス牛が、“アメリカ産でホルモン剤まみれ“ということではありません。

 

ネット通販でみつけた、安全度がより高いと思える商品を紹介しましょう。

 

アンガス牛・アメリカ産

最高品質 アメリカンビーフ グラスフェッド グホルモン剤不使用 抗生物質不使用 

  • アメリカ産
  • 成長促進ホルモン剤不使用
  • 抗生物質不使用
  • 牧草のみで育ったグラスフェッドビーフ

 

アンガス牛・ニュージーランド産

ニュージーランド産 アンガス牛 ホルモン剤&抗生物質&遺伝子組換飼料不使用 

  • ニュージーランド産
  • ホルモン剤不使用
  • 抗生物質不使用
  • 遺伝子組み換え不使用

 

アンガス牛・アイルランド産

【冷凍】アンガス牛 グラスフェッド<アイルランド産>

 

アンガス牛はホルモン剤使用で臭いし危険?産地やカロリーまとめ

 

アンガス牛の安全性について紹介してきましたが、

「絶対安心」とも「絶対危険」とも答えは出せないのではないでしょうか。

牛肉は人間にとって大事な栄養素のタンパク質鉄分が豊富なため、

積極的に食べたい食材ですし、全く避けて通るのはあまりにもったいない食材。

しかも、身の回りにあふれている加工食品は原産国表示の義務がないため、

「〇〇産」だけを避ければ良いという単純な話でもありません。

けっきょく、何を信じて、何を選んで食べていくのかは個人の価値観次第ですね。

→オーストラリア産牛肉は危険で臭い?ホルモン剤の実態は?

→グラスフェッドバターが人気!ゆりやんおすすめ商品も!

【参考文献】

※1 30年の牛肉輸入量│農畜産業振興機構
alic.go.jp/joho-c/joho05_000503.html

※2 アンガス牛の特徴と安全性│ウーマンエキサイト
erecipe.woman.excite.co.jp/article/E1598802603400/

※3 米国産牛肉│マネーポスト
moneypost.jp/631816

※4 オーストラリア産の牛肉│東洋経済
toyokeizai.net/articles/-/125422

※5 肥育ホルモン使用牛肉│マネーポスト
moneypost.jp/767539

(2021/6/5参照)

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