ピンクスライム肉とは、2012年ごろ世界的に大バッシングの対象となった加工品のミンチ肉。
一言でいうと、大腸菌で汚染されたリスクのあるお肉を無理やりアンモニアで殺菌消毒したお肉です。
見た目も製造過程もヤバそうなんですが、アメリカでは今でも合法な加工方法です。
かろうじて日本には輸入されなかったピンクスライム肉ですが、
とはいえ、日本も決して安心はできません。
ピンクスライム肉とは?
ピンクスライム肉は、本来破棄されたり家畜に与えるはずの食肉を取った後の牛骨についてる肉片(くず肉)をこそぎ取り、
その肉ペーストを加熱してアンモニアガスで殺菌消毒してミンチ肉にしたもの。
閲覧注意!画像ですでに食欲を失います…
▼【40秒】ピンクスライムについて言及したニュースの抜粋
元動画:The Truth About McDonald’s Famous Chicken McNuggets(マックチキンの真実)
↓大手報道機関CNNで取り上げられたときの様子
「ピンクスライム」(pink slime)とは、アメリカの食肉産業で
LFTB (lean finely textured beef)
BLBT (boneless lean beef trimmings)
と呼ばれる畜産副産物全体に対する批判的な名称。
さきほどの“不快なピンクスライム写真“については、
本物の写真かどうかは疑惑は残るものの、
LFTBの規制についての方針は国や地域によって違いがありますが、
アメリカでは、現在も牛挽肉や牛肉加工品への添加が許可されている加工技術の一つです。
つまりアメリカにおいてはピンクスライム肉は合法ということ。
なぜアンモニアで消毒するの?
お肉をアンモニアで殺菌消毒する理由。
それは、原料部位には糞便に触れる皮革に近い部分など、
もっとも雑菌の多い部分が含まれる可能性があり、
人間の食中毒の原因となる、大腸菌やサルモネラ菌などの細菌を死滅させる目的があるからです。
ピンクスライム肉・アメリカでは合法
アメリカ食品医薬品局は抗菌剤としてのアンモニアをGRAS(安全と認められる)リストに記載していて、
アンモニアによる殺菌処理は、お肉以外の食品(お菓子類)など多様な食品で行われています。
ただ一方で、LFTB(ピンクスライム肉)は、お隣の国カナダではアンモニアを含むことから禁止されていて、
ヨーロッパでも日本でも、食品利用は認められていません。
にもかかわらず、アメリカの小学校の給食では、今でもピンクスライム肉が使用されているのが実態です。
アメリカで1番恐ろしい問題は、たとえLFTB(ピンクスライム肉)が健康上問題のない食品であっても、
くず肉が水酸化アンモニウムで防腐処理されていることに対して表記の義務がないこと。
つまり、消費者自身で見分けることができないため、
いつどこでピンクスライムを食べているかが分からないという実態があることです。
ピンクスライム肉・バッシングの発端は2012年
2012年3月、ABCニュースは「ピンクスライム」を取り上げ、
アメリカのスーパーマーケットで販売されている牛挽肉のおよそ70%にLFTBが添加されていることを報じました。
あのおぞましくヤバそうなピンクの肉が、広くアメリカの一般家庭に広まっていたことが発覚したのです。
海外ではこのピンクスライム肉の使用をめぐり、大バッシングの嵐。
逆にアメリカはピンクスライム肉を名誉棄損されたとして、さまざまな場所で訴訟問題にも発展。
ピンクスライム肉を主に加工していた食肉加工大手のAFAフーズ社も経営破綻に追い込まれました。
そして「良質な肉を使用している」とPRしていたはずの米マクドナルドでも
ナゲットにピンクスライム肉が使われていたことが発覚したのです。
ただ先ほどもお話ししたように、ピンクスライム肉は、イギリスやカナダで食用販売することが禁じられている反面、
アメリカでは農務省によって「安全性に問題なし」とされているため、
マクドナルドや他のファストフード店はピンクスライム肉を使っていても違法ではありませんでした。
ただ、世界的なバッシングの流れを受けて、2012年中にアメリカマクドナルドは、
「ピンクスライム肉の使用を安全のために中止する」
と発表。
現在まで、もちろん品質改善されているとはいえ、
私だったら今でもアメリカでマクドナルドを食べる勇気はないかもしれません…。
↓カナダのマクドナルドが公開したマックナゲットの製造過程
マクドナルド・カナダが公開したチキンマックナゲットを作る工程の動画をみると、
原料はちゃんとした鶏むね肉です。
それを細かくミンチして鶏皮少しと調味料を混ぜ、衣を付けて揚げたのがチキンマックナゲットになるんですね。
同じような動画がマクドナルドUSAであるかどうか探したのですが見つけられませんでしたが、
少なくともカナダのチキンマックは安心して食べられそうです…(笑)
ピンクスライム肉・日本ではもともと禁止!
日本では、ピンクスライム肉の加工過程で使われる「水酸化アンモニウム」の使用自体が食品衛生法違反となるので、
日本にいる人は、ピンクスライム肉を口にすることは、最初からありませんでした。
マクドナルド公式サイトでは、ビーフパティの素材については
日本マクドナルドのビーフパティは、オーストラリアとニュージーランドの自然豊かな大地で育てられた牛を使った無添加ビーフ100%で作られています。
と説明があることからも、現在は安心して食べて良さそうです。
かつての日本マクドナルド肉はヤバすぎた!
ちなみに、記憶に残っている人もいるかもしれませんが、
日本マクドナルドでも、“肉“の安全性については、とんでもない事態が明るみになったことも。
2014年、マックナゲットを生産する中国メーカーが、賞味期限切れの鶏肉を混ぜていたことや不衛生な調理を行っていたことが発覚
2015年、ビニール片やプラスチック片、人の歯などの異物混入のニュースが相次ぎ、2015年12月期決算で過去最悪の赤字に転落
とくに『異物混入』は頻繁に起きていて、2018年にも石川県の店舗で、
ソーセージエッグマフィンに、また人の歯と見られる異物が混入していたことがニュースに…!
マクドナルドの都市伝説は続く…
マクドナルドにまつわるウワサは他にも、
「マクドナルドのハンバーガーは(添加物が多すぎて)腐らないらしい…」
という、信じがたい都市伝説まで根強く囁かれています。
現在は企業努力の甲斐もあり、2017年12月期決算で過去最高の黒字に回復した日本マクドナルド、
徹底した品質管理により力を注がれているので、食べても安心だと信じましょう!(信じたい…)
ピンクスライム肉とは?日本とアメリカのマクドナルドの実態まとめ
アメリカで合法である以上、ピンクスライム肉=悪と決めつけるのは良くないですし、
日本でもどこでも、普段何気なく食べている食品が、どのように加工されているのか知ることは大切ですね。
加工肉と言えば、ランチョンミート(スパム)や、ファミレスでも広く浸透してる成型肉も似たようなモノかもしれませんが…
自己責任とはいえ、食の安全性を改めて見直すことも肝心です。
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